未経験者にビットエーが“Web制作のリアル”を伝授。ルーキーズキャンプが新たに開講する「ゼロから始めるWeb制作実践講座」とは?

Web Designingが主催する「ルーキーズキャンプ」では、2025年8月から株式会社ビットエーと共同で新たに「ゼロから始めるWeb制作実践講座」を開講します。同講座では、長年Web業界を支えてきたビットエーの現役プロフェッショナルたちが次々に登壇(全11回)。今回、8月開講を前に同講座の狙いやカリキュラムについて、執行役員で講師としても教壇に立つ山中淳司さんに話を聞きました。

目次

未経験者がWeb制作の「勘所」をつかむための講座

–––このたびルーキーズキャンプでは、Web制作にフォーカスした講座をビットエーと共同で主催することになりました。まずは、ビットエーの紹介をお願いします。

山中淳司(以下、同)  ビットエーは、デジタル領域でクライアントの事業成長を支援する会社です。たとえば、ナショナルクライアントを中心にWebサービスの改善や新規Webサイト制作、既存サイトのリニューアルを行っています。規模を問わず、さまざまな案件に携わっているので、LP(ランディングページ)やメールマガジンの制作なども手がけています。

–––8月に開講する「ゼロから始めるWeb制作実践講座」(以下、Web制作実践講座)は、どういう人を対象とした講座なのでしょうか?

Webデザイナーやエンジニアの“卵”と呼ばれる制作側の人たちが、初めて実務を体験する場として活用してもらえると嬉しいですね。

ただ、それ以上に向いているのが、直接手を動かす立場にはないディレクターやビジネスでWebサイト制作に携わる営業担当者や、制作者や開発者ではないけれどサイト全般に携わる企業のWeb担当者の方々です。そういった人たちにとっても、Web制作の勘所を養える時間になると思っています。

2025年8月6日より開講される「ゼロから始めるWeb制作実践講座」
株式会社ビットエーの執行役員・山中淳司氏。2008年から約10年、WebディレクターとしてWebサイトの立ち上げや運用に従事。2022年より執行役員に就任し、現在は大手企業のWebサービスグロースをチームで支援している。

全11回のテーマと概要について

–––Web制作実践講座は、1回あたり2時間の講座が全11回という構成になっています。10回目と最後(第11回)の講座では、LPに関する発表会も用意されています。

3カ月弱の期間で、未経験という状態の人が実際にWeb制作ができるようになるまでを想定した内容になっています。今回の講座では、「Web制作が未経験のWeb担当者が、1枚のLPをつくれるようになる」というゴールを設定しています。そのため、座学だけでなく、手を動かす時間を多めに用意しています。

–––では、全11回のカリキュラムを教えてください。まず第1回が「Webサイト概論」です。

ここでは、ビジネスにおけるWebサイトの役割や、Webサイトの特性を中心に解説します。効率的に情報発信をしようとするなら、各種SNSの利用で事足りるはずですよね。そのうえで、「なぜWebサイトを用意するのか?」といったWebサイトの必要性とともに、実際のつくり方を学びながら、受講生にはWebサイト(LP)のコンセプトを考えてもらいます。

続いて第2回では、「プロジェクト計画」を予定しています。ここでは「Web制作を実際にどういう工程で進めていくのか?」といった部分を中心に、予算やスケジュールの考え方や、Web制作の計画の立て方について解説します。

–––第3回は「要件定義」を予定されています。

「要件定義」とは、Webサイトの目的や要求事項を整理し、目的達成のために決めておくべきことを明らかにして、サイト関係者全員で共有するものです。受講者の皆さんにも、要件定義の何たるかを学び、実際につくってもらいます。

そして、第4〜5回では「UX設計」について学びます。第4回は、“誰に届けるのか”を明確にしていきます。ターゲットユーザーの考え方を解説しますので、届けたい相手を想像した「ペルソナ」を実際に作成していただきます。

それを踏まえて、第5回では対象ユーザー層に対してどのような体験を提供するか、ユーザーにどういう動きをしてもらいたいかを考えていきます。考えた内容は、ユーザーシナリオに反映していきます。

–––第6回は「情報設計」です。

ここでは、Webサイトのサイトマップやワイヤーフレームについて学びます。複数ページの場合のサイトマップの役割を考えたり、実際にワイヤーフレームをつくってもらう回になります。ユーザーシナリオに沿って、適切に情報が設計されているかを確認しましょう。

–––第7回のテーマが「デザイン」です。

「デザイン」の回では、Webサイトのデザインについて考えます。具体的には、色やフォント、レイアウトといったデザインの基本要素について解説しながら、どういう観点でデザインを見ていくといいかについて話を進めていきます。自分自身でデザインができるようになるというより、デザインの判断ができるようになることを目指し、デザインチェックができるための素養を身につけてほしいです。

そして第8回の「コーディング」では、コーディングの概念を、Webサイト制作で主に用いるHTML、CSS、JavaScriptといった言語を中心に解説します。各言語の役割や意味を学んだら、実際に手を動かしてコーディングもしてみましょう。コーディングについても、仕上がってきたWebページをレビューできるようになることを目指します。

–––第9〜10回がLPの制作時間で、第11回が発表会になります。

第9〜第10回では、Wix.com Japan株式会社のプロダクトソリューションスペシャリスト・城田剛さんを迎えて、ここまでの8回分を通じて整理した要素に基づき、Wix Studioを使ってLP制作を進めてもらいます。Wix Studioの使い方や機能の説明も行い、不明点があればその場でビットエーの現役制作者が対応します。

最終回の発表会では、自分がつくってきたLPを披露しながら、完成までに至る制作の背景や狙いなどを伝えていただきます。ちなみに、優秀作品に選ばれた方には、Wix.com Japanさんから賞品が贈られる予定です。ぜひ楽しみながら取り組んでいただければと思います。

株式会社ビットエーのプロジェクトマネージャー伊藤武史氏。30年弱にわたり、制作・開発の現場の前線に身をおき活躍。多くの実制作の経験・知識を元にした、柔軟なPM、ディレクションを規模問わず多数経験。
株式会社ビットエーのエンジニア永田佳世氏。フロントエンドエンジニアとして大手HR企業の現場に参画し、技術面とプロダクト進行の支援をしている。4月からはエンジニアチームのマネジメントを担当する。
株式会社ビットエーのアートディレクター吉田英治氏。20年近くにわたり様々な業態・規模のサイト制作に携わり、サイト全体のデザイン方針やUIデザイン、デザインガイドライン策定などデザイナーとして幅広く担当する。

対面型の講座ならではのメリット

–––世の中ではオンライン講座も多数展開されているなか、ルーキーズキャンプの特長の1つが、“対面型”であることです。

はい。今回の講座も、各回のテーマにあわせて、実務の現場で活躍する各分野のエキスパートが講師となって対応します。

本講座のカリキュラムは、ビットエーが実務を通じて培ってきた実践的なノウハウに加え、新卒・中途社員向けに毎年実施している社内研修で得た知見も取り入れて構成されています。未経験で不安を感じている方にも、安心して受講いただける内容となっています。

–––毎回手を動かす時間もこまめに用意されていますね。

本講座では、Web制作に関する内容を単に網羅的に説明するスタイルは取っていません。実務を意識し、Web制作の要所に絞って丁寧に解説するとともに、毎回の講座内でしっかりと手を動かす時間を設けています。

また受講生には、本講座オリジナルのWeb制作ツールキットを無料でプレゼント。講座内で活用できるのはもちろん、実務にも役立つ6種類のフォーマットを収録したバインダーセットをご用意しています。

–––今回、未経験の人たちがWeb制作を学ぶ意味について、講師の立場からはどのようにお考えでしょうか?

受講生の皆さんは、大きく「Webサイトを制作する側」と「依頼(発注)する側」の2つに分けられると思います。

まず制作側の方に向けては、特にプロジェクトマネージャーや営業担当の方が受講することで、同じチームのデザイナーやエンジニアといった制作業務のメンバーが、どのような視点や意識で仕事に取り組んでいるのかを理解できるようになります。これにより、社内で制作チームに依頼をする際も、相手の立場を踏まえた配慮のあるコミュニケーションが取りやすくなるはずです。

–––日頃から制作業務に携わっていない人ほど、こうした講座の機会が学ぶきっかけになりますね。

はい。実務で携わる前に、この講座で「経験」してほしいと思っています。

–––一方の依頼・発注する側から考えても、この講座の経験が活きてきます。

たとえば、見積もりを受け取った際に、制作側から見当違いの内容が提示されていたとしても、ある程度の知識があれば的確に指摘できます。しかし未経験の状態では、Webサイトの制作にどれほどの期間や予算がかかるのか、どんな内容が実現できるのかといった判断がつきません。

本講座を通じて、そうした“勘所”をつかんでいただければ、制作現場で発生する交渉においても認識のズレや齟齬が減るはずです。

–––外部に制作を委託する際、相手に丸投げしてしまうようなことも防げますね。

実際にWebサイトをつくった経験は、さまざまな場面で活かすことができます。本講座ではWix Studioを使用しますが、近年は多様なノーコードツールが登場しており、自分自身でWebサイトを構築できる状態にあることは、大きな強みと言えるでしょう。

たとえば、急遽キャンペーンページが必要になった場合でも、自社内で、あるいは自分自身でスピーディに対応できる選択肢を持っているかどうかは、大きなアドバンテージになります。

Web制作の現場で「判断できる」人材になってほしい

–––本講座を受講した後、どのような人材になっていただきたいですか?

Webサイトには必ず、何らかの目的が存在します。その目的を達成するために、最適な形でWebサイトを用意するにはどうすればよいか。本講座を通じて身につけた「Web制作の勘所」を活かし、現場で最善の選択ができる人材になっていただきたいと考えています。

最適な手法を選びながら、ビジネス上の目的にかなったWebサイトを構築できているか? 目的達成に必要な要件が正しく定義されているか? 定義された要件をきちんと満たしているか? そうした点を自ら判断し、適切に実行できる力を備えてほしいと思います。

–––受講中は現役のプロフェッショナルに直接質問できる環境ですからね。ぜひ活用してほしいです。

はい、講師への質問は大歓迎です! 一部の方は、オンライン動画だけでも自力で学び、実践できるかもしれませんが、そうでない方も多いと思います。通常業務をこなしながら、ひとりで学習を進めるのはなかなか大変です。

その点、対面型の講座や研修には、自分と似た立場の受講生と切磋琢磨できる環境があり、集中して取り組めるという大きなメリットがあります。

私たちも、皆さんが集中しやすく、学んだことがその場で身につくようなカリキュラムを用意し、「ルーキーズキャンプならではの成果」をしっかり届けたいと考えています。

|お問い合わせ・お申し込み受付中|

未経験者でもWebサイトがつくれるようになる!
ビットエーの現役クリエイターに学ぶ実践を交えた体験型カリキュラム

ルーキーズキャンプ × ビットエー「ゼロから始めるWeb制作実践講座」について
https://rookiescamp.bita.jp

Text:遠藤義浩、写真提供:株式会社ビットエー

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