
Webサイト老朽化に向けて考えておくべきこと

コンピュータやインターネットの技術は日進月歩、どんどん技術は変化していきます。そしてそれは、WebサイトやWebサーバも無関係ではありません。Webサイトをつくる際には、その後の保守管理についても、あらかじめておく必要があります。
『Web制作・運用バイブル2024』監修・執筆

原 明日香さん
アルテバレーノ株式会社 代表取締役/ディレクター。キジが闊歩する自然豊かな伊豆の国で、中小企業のコーポレートサイトやECサイト制作に従事するほか、ネット施策を通じた経営支援で伊豆半島を西へ東へたまに南へ。日々奔走しながらディレクター道を追究中。
https://artebaleno.co.jp
Webサイトに保守管理が必要な理由
例えば、マイホームを買うとしたら、資金計画をどう考えますか? 頭金や家そのものの購入費だけに考えが行きがちですが、もう少し長期的に考えると、固定資産税や、老朽化したときの修繕費なんかも必要になってきますよね。Webサイト制作も同じことで、最初の制作費だけでなく、固定費(ドメイン・サーバ利用料)も必要ですし、なにより、家以上にすぐに老朽化します。
特に注意してほしいのが、WordPress等の「システム」を使うときです。システムは性質上、セキュリティ対策を怠ると、情報を盗まれたり、サイトが改ざんされたり、容易に危険な事態に陥ります。また、攻撃手法は常に進化しているので、対策側も日々アップデートが必要です。
Web制作では、初期の制作費だけでなく、その後のメンテナンス費も考えておきましょう。

サイトの管理不足が「廃墟化」を招く
サイトの「廃墟化」という言葉もたまに聞きます。確かに、最新のお知らせが2014年とかで止まっていると、そもそも営業しているのか不安になりますよね。
こうした廃墟化の原因は、ずばり「自社サイトを見ていないから」です。正確には、何か変更があったら「サイトも更新する」という、意識づけができていないからです。
例えば、商品の値上げをしたとき。飲食店や美容室のサイトでは、店舗の紙のメニュー表は書き換えたのに、サイトの更新は忘れていたことで、サイトを見て来店したお客様とトラブルになるという事例はよくあります。
事業を続ける中で、サイトの更新が不要ということは、まずありません。価格や取扱商品、連絡先は、情報が古いと問い合わせに影響が出ますし、大型連休時は営業日程も掲出してもらえると助かりますよね。
サイトの廃墟化を避けるには、こうしたちょっとしたことを、しっかり更新することが必要です。そして更新が必要になったときのため、ある程度の保守管理費は準備しておきましょう。

『バイブル』の中身をチラ見せ:サイト公開後のアフターフォロー

Webサイト制作時に「更新する予定はないから、保守管理はいらない」と仰るお客様もいらっしゃいます。しかし、Webサイトは何年も使うものですから、その年月の中で、サイト上の情報がまったく変わらないということは、ほとんどあり得ないでしょう。 『Web制作・運用バイブル2024』では、110~111ページで、サイト公開後に発生し得るメンテナンスの種類や、制作会社が対応する際の料金体系の違いなどを解説。更新が必要になったときに「お金がない…」とならないよう、サイトをつくるだけでなく、先々のことを見据えた予算計画が必要です。
Point
・Webサイトも老朽化はするもの
・制作だけでなく、メンテナンスのことも考えよう