
サイトリニューアル前に、「サーバ情報」を制作会社に共有しよう

ホームページを公開するには、「サーバ」という、インターネット上の「土地」が必要です。どこの土地をどのような契約で借りているのか。土地の権利書とも言える「サーバ情報」を自社で把握しないままでいると……最悪、ホームページが消えてしまうかもしれませんよ!
『Web制作・運用バイブル2024』監修・執筆

原 明日香さん
アルテバレーノ株式会社 代表取締役/ディレクター。キジが闊歩する自然豊かな伊豆の国で、中小企業のコーポレートサイトやECサイト制作に従事するほか、ネット施策を通じた経営支援で伊豆半島を西へ東へたまに南へ。日々奔走しながらディレクター道を追究中。
https://artebaleno.co.jp
「サーバー情報」とは何か
ホームぺージについて、最近は新規制作のご依頼は少なく、リニューアルのご相談がほとんどです。そこで、制作会社として最初にお伺いしたいことが…「サーバ情報」、わかりますか?
「サーバ情報」とは、いわば、ホームぺージが建っている土地の権利書です。これがないと改修工事ができない。
レンタルサーバを使っているケースが多いと思いますので、その場合は、FTP情報と呼ばれる3点セット、または、コントロールパネルのログインID/パスワードが必要です。
知らない、見たことない、という場合は、(連絡しにくい、という事情もあると思いますが……)既存のホームページを担当した制作会社に確認をしましょう。それでもわからない、教えてもらえなかったという場合は、リニューアルを相談している制作会社に、必ず相談してください。

サーバ情報を把握しないまま、リニューアルするのは絶対ダメ!
サーバ情報を「教えてもらえない」場合、そもそも「リニューアルが許可されていない」可能性があります。
パターンは2つあって、1つは「家具付き賃貸」型のホームぺージ作成サービスの場合です。近年、あらかじめ用意されたデザインを使って、制作知識がなくても簡単な操作でホームページを使えるサービスも増えています。しかし、こうしたサービスでは、デザインテンプレートや作成機能という「家具付き」で提供されている分、その範囲外での自由な改修は制約されている場合があります。
もう1つが、制作会社が所有しているサーバに、御社のホームページが建てられているパターン。この場合、実質的に制作会社の乗り換えが許されていません。また、既存ホームページのデータやデザインを譲渡してもらえるかは、契約や仕様によります。
こうした場合、安易に解約するとホームぺージがなくなってしまう危険性もあるので、サーバ情報が不明な時はまず、現在の契約内容と解約時にどうなるかを確認しましょう。

『バイブル』の中身をチラ見せ:ホームページ制作前のチェックポイント

サーバやドメインと聞くと、「難しい」と感じるかもしれません。しかしホームページにとっては「土地の権利書」と同じ重要なものです。『Web制作・運用バイブル 2024』でも、73〜83ページにおいて、イラストを用いて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
リニューアルの場合、現況によっては、サーバやドメインの移管が必要になるケースもあります。その場合、条件によっては移管作業が大掛かりになるケースが多いので、リニューアルの話を具体的に進める前に、まずサーバやドメインの契約・利用状況を確認しましょう。
Point
・サーバ情報は、ホームページがある土地の権利書!
・利用中のサービスや契約内容を把握しておこう