
SNS運用では数の「内訳」に注意しよう

SNSの運用で、効果検証=振り返りは行っていますか? 「いいね数」に振り回されてばかりなのは問題ですが、SNS投稿後の「数字」に敏感になることは大切です。今回は、SNSの効果検証について考えてみます。
『Web制作・運用バイブル2024』監修・執筆

原 明日香さん
アルテバレーノ株式会社 代表取締役/ディレクター。キジが闊歩する自然豊かな伊豆の国で、中小企業のコーポレートサイトやECサイト制作に従事するほか、ネット施策を通じた経営支援で伊豆半島を西へ東へたまに南へ。日々奔走しながらディレクター道を追究中。
https://artebaleno.co.jp
SNS運用の正解は、実際のお客様の声=数字に訊く!
SNS運用について、「どんな写真や情報を載せればよいか」というご質問は多くあります。しかし、そこで「今までで一番反響があった投稿はどれか?」と訊くと、答えられないこともしばしば……。要は投稿後の振り返りをしていないのですね。
バズりやすい(拡散されやすい)投稿の型について、経験則的な法則や流行はありますが、それが必ずしも「御社のお客様」が求めているものかはわかりません。だからこそ、投稿後の数字を振り返り、数字の中に自社の顧客層の声を聴くことが、必要であり、有益なのです。
また、投稿には「問い」を持って挑みましょう。料理の美味しさと店内の雰囲気と、どちらが数字が取れる(=顧客の求めている)情報なのか? こうした試行錯誤から勝ちパターンを見つけることが、Web施策成功の近道です。

「いいね」の裏側にある「真意」に注意する
SNSをビジネスに活用する場合、一定の「数」は確かに必要です。しかし、「数」にとらわれすぎるのも考えものです。
例えば、動物写真。仕事情報の発信用にSNSを始めてみたけど、反応がなく、寂しくて愛犬の写真を掲載してみたら、フォロワー数が激増! 以来、お仕事情報そっちのけで、愛犬写真に熱中してしまう本末転倒なケースも……。
動物写真はSNSの鉄板で、確かに数は取れます。でも結局、その数の「内訳」がどうか、なんですよね。動物写真には平均1万以上のいいねがあるのに、仕事の宣伝には数十いいねなんて、「あからさまな」反応差があるアカウントもありました。
フォロワーやいいねの「数」には、さまざまな意図が混在しています。自分のアカウントを見てほしいだけ、雑談相手が欲しいだけ、顔見知りだから社交辞令的に…。見かけの数字の中に、お仕事情報を待ち望んでくれている「真のお客様」は何割いるのか。発信内容を振り返るときは、数の内訳も少し気にしてみましょう。

『バイブル』の中身をチラ見せ:「仮説-検証-改善」のサイクルの回し方

「仮説-検証-改善」(PDCAと言ったりもします)を繰り返すことは、今号全体で繰り返し述べられているとおり、Web施策の根本でもあり、基本的な所作でもあります。『Web制作・運用マニュアル 2024』では、サイト制作後の効果検証について、フローチャートによる検証の進め方や、改善施策の注意点などを紹介。 ユーザー(顧客)の反応をダイレクトに測定できることは、Web施策の最大の利点です。サイトもSNSも「やりっぱなし」でなく、施策実施後の数字を確認し、結果を次につなげましょう。
Point
・Web施策は「振り返り」こそが重要!
・見かけの数ではなく、「内訳」も気にしよう