
UXデザイナーの理想と現実_プロデューサー西村真里子さんに聞きました
Question?? UXデザイナーを志す人に言いたいことは?
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「名は体をなす! どんどん名乗ってもいいのでは? その代わり、責任が伴うことも忘れずに」
「UX」はどこからどこまでを指すのか? その点は人それぞれにしても、「体験 をつくること」がUXデザイナーだとする なら、多岐にわたるユーザー体験に関 与する存在とも言えます。“こうあってほ しい”と思うUXデザイナー像を言うと、 精緻なマーケティング調査に基づいて、 十分な御膳立てができた段階から着手 するのではなくて、プロトタイプをバンバ ンつくり出せる人。検証を重ねながら、 何度も修正を試みてつくり直せる、柔軟 で機動力のある人。完成度の高い成果 物を一度つくりきって終わりではなく、 運用しながら状況の変化に応じて即座 に修正できる人が向いていると思います。
ビジネス的な裏づけはとても重要な ので、運用を通じて利益を生み出せる 人もですね。そのほうが時代にも合って います。ユーザーの声をちゃんと聞き入 れて反映できる、数字への意識もある 人でないと、UXを扱いきれないのでは?
そう考えると、WebデザイナーはUIに 限定されていたとしても、ユーザー体験 に寄り添う仕事を重ねてきた立場。UX デザイナーとはつながっていると思うし、 WebデザイナーからUXデザイナーへの キャリアチェンジは十分に適性がありま す。私の勝手な意見を言うと、もう「UX デザイナー」だと名乗ってしまえ(笑)。
対外的に名乗ることで責任が伴いま すよね。必然的にUXを考えたソリュー ションに立ち向かい結果を求められたり、 自らを飛躍させてくれるはずです。

Question?? UXデザイナーはどういう存在であってほしいですか?
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「手が動かせるWebデザイナー出身者はチャンス。ビジネスマインドを持った提案型人間に脱皮して!」
UXデザイナーは、求められることが 広範だからこそ、プロジェクトのキーを 握れる存在です。本当にそうした存在に なるためにも、技術力を持っていて、デ ザインセンスがあって、デジタルマーケティ ングをはじめビジネスマインドも兼ね備 えた存在(ハブ)にならなければなりませ ん。でも、出自がWebデザイナーだと、 すでに技術力とデザインセンスを備えて 社会と渡り合ってきた分、UXデザイナー への転身には大きなアドバンテージです。
Webデザイナーの強みは、何と言って も自ら手を動かして具体物を提示でき ること。これは圧倒的な武器で、ぜひそ うした人にこそどんどん出てきてUXを 巡る状況を変えてほしい! 自ら手を動 かせない人たちよりも、説得力のある成 果物やサービスを提供できると思います。
クライアントの立場(担当者)からする と、限りのある予算内での解決策を求 めがちです。UXデザイナーとして参画し ているならば、担当者と一緒になって「覚 悟を決めて」進めていけるような存在に もなってほしい。そこで、手が動かせる 強みが活きるはず! すぐにプロトタイ プやモックをつくれば、担当者サイドへ の説得材料になりますからね。
だからこそ、受託案件を数多くこなし ていたという方ほど、意識的に提案型の 人間へとマインドチェンジしてほしい。あ と、“ここからここまでならやる”みたい なセクショナリズムからも意識を解放し てほしい。何にでも首を突っ込む積極 果敢なスタンスくらいが、UXデザイナー としてはちょうどいい気がします。


- 西村真里子
- (株)HEART CATCH 代表取締役。IBM、Adobe Systems、Groupon、バスキュールを経て現職に。 SENSORS.jpの編集長やMistletoe(株)のフェローも務める。