《連載:Webクリエイターの“偏愛”仕事道具 Vol.1》ワヴデザイン・松本龍彦|第5話 手頃な価格で手に入るデザイナーズメガネ

仕事で使う道具には、その人の思考や美意識、そして働き方が自然と表れます。本企画では、日々の仕事を支える「道具」を入り口に、Webクリエイターのスタイルをひもといていきます。

初回に登場するのは、ワヴデザインCEOでクリエイティブディレクターの松本龍彦さん。選び抜かれた道具の背景から、いまの仕事観に迫ります。

目次

プロフィール

松本 龍彦 さん
Wab Design INC. CEO / Creative Director

ショップスタッフ、デザインプロダクション、アパレルのグラフィックデザイナーを経て2003年に独立。2006年ワヴデザイン株式会社を設立。衣食住の分野に豊富な知識と実績をもつ。ストラテジー、デジタル・アナログを問わないクリエイティブ、ビジネスとのバランスの取れたプランニングを得意とする。主な受賞にグッドデザイン賞など。
https://wab.cc

松本さんの仕事道具⑤|JINS Design Project #02 Konstantin Grcic

JINS Design Project #02 Konstantin Grcic
発売:JINS
価格:6,600円〜(編集部調べ)
URL:https://www.jins.com/jp/designproject/

デザイナーの思考を、日常の価格で手に入れる

松本さんがJINS Design Projectを初めて知ったとき、そのコンセプトに強い衝撃を受けたといいます。ジャスパー・モリソンやコンスタンティン・グルチッチといった、世界的なプロダクトデザイナーが手がけたメガネを、数千円という価格帯で手に取れる。その事実に驚かされたそうです。

「彼らが普段デザインしている家具は、とても高価なものが多いですよね。それが大量生産の仕組みに乗ることで、ここまで身近になるのかと感じました」(松本)

このプロジェクトの魅力は、デザインの知識がなくても「なんとなくいい」と直感的に選べる点にあります。特定の愛好家だけに向けたものではなく、日常の中に自然とデザインを溶け込ませる。その姿勢に、クリエイティブに携わる一人として共感を覚えたといいます。

「使う人の生活の質を、さりげなく底上げしてくれる。その距離感がすごくいいと思いました」(松本)

「一生物」に縛られない、自由な付き合い方

以前は、メガネといえば「良いものを長く使う」という意識が強かったと松本さんは振り返ります。しかし、このシリーズに出会ってから、その考え方は大きく変わりました。

「1本6,000円前後という価格だからこそ、Tシャツを選ぶような感覚で、その日の服装や気分に合わせて掛け替えられるようになりました」(松本)

真面目な打ち合わせの日には黒縁の丸メガネを、週末のリラックスした時間には少し遊びのあるサングラスを。JINS Design Projectは、メガネを「視力矯正の道具」から、「その日の自分を演出するファッションアイテム」へと位置づけ直してくれた存在でもあります。

肩の力を抜いて、自分らしく選ぶ

若い頃は、「人とかぶらないもの」や「希少価値のあるもの」に惹かれていた時期もあったという松本さん。しかし、年齢を重ねるにつれ、自然体でいられる選択肢のほうが心地よく感じられるようになったといいます。

「『これ、実はJINSで買ったんですよ』と、さらっと言える感じがいいんです」(松本)

ユニクロや無印良品と同じように、誰もが手に取れる選択肢の中から、自分なりの基準で選ぶ。そのプロセス自体に、その人らしさが表れると松本さんは考えています。

「デザインの良さと買いやすさが両立している。このメガネは、肩の力を抜いて仕事に向き合いたい、今の自分のスタンスを象徴している気がしますね」(松本)

《Vol.6》に続く

取材・文:小平淳一

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