
「Wix Studioなら、ビジネスの加速を後押ししてくれる」NTT DXパートナーが語る、新規事業開発におけるノーコードの価値

企業や自治体のDX推進を手がける株式会社NTT DXパートナーでは、新たな取り組みとして、金融機関が中小企業のDX推進を支援するためのプラットフォーム「DXSTAR for Bank」を立ち上げました。開発段階では、ノーコードツール「Wix Studio」を活用し、検証用サイトを作成。これにより、金融機関への提案やサービス内容のブラッシュアップを重ねてきました。今回は、同社の平塚信行さん、徳嶺あかりさん、佐川琢郎さん、そして検証用サイト制作を担当した株式会社ラジャの森永瞬次さんと菅野佑樹さんに、Wix Studioの活用法やプロジェクトの裏側について伺いました。
ビジネスの成長に最適な「Wix Studio」の機能群
–––––まずNTT DXパートナーさんとラジャさんそれぞれの事業について教えてください。
徳嶺あかり(以下、徳嶺) NTT DXパートナーは、NTT東日本の子会社として3年前に設立されました。DXに特化した会社で、企業や自治体のDX推進を支援しています。
森永瞬次(以下、森永) ラジャは、Wixに特化したWeb制作会社です。もともとはカフェや観光事業を手がける事業会社でしたが、自社でWebマーケティングやWeb制作を進めていく中で、制作会社としての側面が発展していきました。
私たちは、いかに速くPDCAを回して事業を成長させるかを第一に考えています。そのためにWebサイトをどう活用するかというスタンスを重視しており、これが当社の特徴です。WixにはメールキャンペーンやMA(マーケティングオートメーション)など、マーケティングに有用な機能が多く備わっていて、更新のしやすさから企業側の内製化にも適している点が魅力ですね。


–––––今回のケースでは、Wix Studioをどのように活用したのでしょうか
徳嶺 私たちが所属する地域企業支援事業部は、金融機関向けのDX推進プラットフォーム「DXSTAR for Bank」を立ち上げることを目的に発足しました。
地域の中小企業にとって、DXを進めることは喫緊の課題となっています。また、地域金融機関もDX人材を採用し体制を整備したり、DXセミナーを実施したりするなど、さまざまな取り組みを進めています。しかし、企業へ十分に認知されていなかったり、取り組み自体がどうしても短期的になってしまい、接点を長期的に維持できなかったりという課題があります。
DXSTAR for Bankでは、こうした課題を「コミュニティ」を起点に解決することを目指し、プラットフォームシステムとしての具体的な検討をスタートさせました。ただ、必要な機能のアイデアは多々あったものの、事業価値に繋がる機能がどれなのか見極めることが難しかったため、まずはWix Studioを活用してプロダクトとしての価値を検証するためのサイトを制作することにしたのです。


平塚信行(以下、平塚) 新規事業の立ち上げにあたっては、まずは小さな規模でお客様に使っていただき、反応を見ながらビジネスを成長させていく“リーンスタートアップ”の手法で進めることが重要でした。もし初期段階で大きな投資をして本格的な開発に踏み切り、結果としてうまくいかなければ、大きな損失につながってしまいます。
そのため、まずは検証サイトを使って、機能や見せ方をしっかり検討。金融機関からのフィードバックをもとに改善を重ねながら、サービスの完成度を高めていきました。

–––––なぜWix Studioを採用したのでしょうか。
徳嶺 検証サイトをスピーディに開発したかったため、外部の制作会社にノーコードツールでの制作を依頼する方針にしました。他のツールとも比較しましたが、Wix Studioはマーケティング機能が豊富で、検証段階でも成果が出しやすい点が魅力でした。特にメールキャンペーンなどの機能が充実していた点が決め手です。
佐川琢郎(以下、佐川) Wixについて調べていたとき、ラジャさんの自社サイトの記事が検索結果のトップに出てきたんです。掲載されていた実績の質も高く、すぐに問い合わせをしました。納期までのスケジュールがかなりタイトだったのですが、「スピーディに対応します」と力強く言っていただけたので、正式にご依頼することに決めました。

森永 Wix Studioでは共同編集ができるようになったため、エンジニア2人で並行して制作を進めることができ、開発スピードを大きく高めることができました。
菅野佑樹(以下、菅野) 検証サイトはクローズドでありながら、関係者である金融機関などには共有する必要がありました。Wix Studioは非公開のままでもテストリンクで簡単に共有できる機能があり、その点も高く評価していただきました。


クライアントや利用者の声を反映して、サイトをブラッシュアップ
–––––今回Wix Studioでつくった検証サイトとは、どのようなものなのでしょうか?
徳嶺 金融機関がDX推進に関する情報を発信できるよう、自社で更新可能なオウンドメディアをメインに構築しました。導入する金融機関ごとにデザインを大きく変えてしまうと、カスタマイズの手間が増えて事業としてスケールしづらくなるため、どの金融機関でも使いやすいよう、汎用的なページ構成にする点はかなり議論しました。
情報を整理し、内容を差し替えるだけで使えるよう、データベースを活用して柔軟に更新できる設計にしています。また、サイトは金融機関だけでなく、弊社が山梨で企業・団体とともに運営しているDX推進支援コミュニティに参加している企業の方々にもご覧いただき、さまざまな意見を集めました。
例えば、金融機関からは「取引先企業がどの記事を読んだか」「どのイベントに参加したか」「どの支援サービスに関心を示したか」「DX診断ツールの結果」といった、ユーザーの行動データを把握したいというニーズが挙がりました。
森永 Wix Studioは、コンバージョンまでの遷移率などをダッシュボードで可視化できるため、マーケティングにも活用しやすいのが特徴です。
検証サイトでは、プレスリリースなど多様な記事を分類するためにカテゴリ機能を実装し、金融機関の方が簡単に更新できるよう、ブログ機能も導入しました。さらに、企業の方々が必要な情報にアクセスしやすいよう、絞り込み検索機能も開発しています。
サービス紹介のコンテンツについては、静的ページでしっかりと内容を見せ、情報量が多い部分はCMSを用いて運用しやすく設計しました。また、Wix Studioはコードも書けるため、一部ではローコード開発も取り入れています。


–––––検証サイトは、NTT DXパートナーさん側でコンテンツの更新も行っていたのでしょうか?
徳嶺 はい。金融機関の方に検証サイトを見ていただく際には、それぞれの会社のロゴに差し替えたり、コーポレートカラーを反映したりといった対応をしています。
Wix Studioは操作が直感的でわかりやすいため、Web制作の経験がない新入社員のメンバーでも支障なく対応できました。
–––––Wix Studioはデザインの自由度が高い点も特徴ですが、実際に使ってみての印象はいかがでしたか?
徳嶺 正直、最初は「ノーコード=デザインに制限がある」という先入観がありました。でも、Wix Studioではアイコンやスタイルがとてもきれいで、いい意味で予想を裏切られましたね。スピーディに仕上げてほしいとお願いしていたのに、ついこちらからデザイン面のリクエストも増えてしまいました(笑)。
森永 実際、今でも「ノーコードだとデザインの自由度や完成度が劣る」というイメージを持っている方は多いと思います。でもWix Studioは、意図したデザインを忠実に実装できるので、フルレスポンシブでどのデバイスでも美しく表示できますし、高度なアニメーションも実装可能です。

佐川 私はエンジニアなのですが、以前に他のノーコードツールを使ったときには、どうしても物足りなさを感じていました。でもWix Studioは、細かい部分までカスタマイズできるので、「かゆいところに手が届く」印象がありますね。
–––––検証サイトを経たことで、ローンチ版システムでは手戻りも少なく、スムーズに進められましたか?
徳嶺 はい。ローンチ版システムでは、検証サイトで行った情報整理やコンテンツの定義を、ほぼそのまま反映することができました。そのおかげで、大きな手戻りもなく、スムーズに進行できたと思います。
デモサイトの活用で、ローンチ前に契約を獲得
–––––検証サイトから、どのような成果を得られましたか。
徳嶺 金融機関に「DXSTAR for Bank」の導入を提案する際、検証サイトをデモサイトとして活用しました。新規事業ということもあり、企画書やモックだけではなかなか具体的なイメージを持ってもらいにくい部分があると思います。
その点、実際のWebサイトで具体的な利用イメージを提示できたことで、企画書だけでは表現できない価値を、明確に伝えることができました。その結果、ローンチ前に導入が決まった金融機関もありました。
平塚 ローンチ前に契約に至ったのは、やはりこのデモサイトを見ていただけたことが信頼につながったからだと思います。
–––––改めて、Wix Studioを選んでよかったと感じるのは、どのような点でしょうか?
平塚 「事業をどうつくっていくか」という観点で言えば、何より重要なのは、事業の成功にいかに早く辿り着けるかということです。ノーコードであれば、すぐにお客様に見せてフィードバックをもらい、それをもとに次の展開へと進めることができます。
今後も、新しいコンテンツや機能の検証、あるいはローンチ版システムの一部機能としての活用など、Wix Studioを使う機会はまた出てくるのではないかと思っています。
徳嶺 私も、スピーディにデモサイトを作れるという点は、事業開発において大きな価値だと感じました。現時点では構想段階ですが、今後、DXコンサルタントのAIチャットボット化も検討しています。もしプロダクト化することが決まれば、その際もWix Studioで検証してみたいですね。
佐川 Wixは外資系の企業なので、セキュリティ面の情報が英語中心で、サポート対応が少し不安だったのですが、実際には細かい質問にもすぐに日本語で丁寧に対応していただけました。その点も非常に助かりました。

–––––今回のように、事業検証に活用するという観点では、Wix Studioはどのような企業に向いていると思いますか?
菅野 Wix StudioのCMS機能は、Webサイトの専門知識がない方でも直感的に使えるため、サイト運用の内製化に非常に向いています。実際、以前あった事例では、年間150万円かかっていたWordPressサイトの運用をWix Studioに移行し、内製化できるようにした結果、年間の運用コストを3万円にまで削減できました。移行にかかった制作費も、2年で回収しています。
森永 フルスクラッチやCMSでサイトを構築した結果、更新作業を外部に依頼しなければならず、結果として更新が滞ってしまっている企業には特に向いていると思います。事業成長において、タイムリーな情報発信は非常に重要です。Wix Studioであれば、ノーコードでスピーディに開発でき、自社運用もしやすいため、そうした課題を解決しながらビジネスの加速を後押ししてくれるはずです。

Text:平田順子、Photo:秋山枝穂、企画協力:Wix.com Japan
※本記事はWix.com Japanとのタイアップ企画です。