グッドパッチがAIデザインツール開発・Layermateを子会社化。デザイン×AI領域の事業基盤を強化

顧客体験を起点に企業変革を支援するデザインカンパニー・株式会社グッドパッチは、株式会社Reraが開発したAIデザインツール「Layermate(レイヤーメイト)」事業を継承する新会社・株式会社Layermateを子会社化することを発表しました。

あわせて、AI専門組織「Gp-AX Studio(Goodpatch AI Experience Studio)」を新設し、グッドパッチグループとして「デザイン×AI」領域の事業基盤を強化します。AIを活用したデザインによる課題解決や新たな価値創造を推進していく考えです。本稿では、グッドパッチが公開したプレスリリースをもとに、子会社化の背景や狙いを紹介します。

目次

背景

昨今、生成AIの急速な普及・進化により、デザインを取り巻く環境は大きく変化しています。デザイナーでなくともクリエイティブ制作を手軽に行えるようになり、デザイナーはこれまで以上の質とスピードが求められるほか、創造性を最大化させるためのAI活用が必須になっています。

Layermateは、生成AIとの対話でUIデザインを自動生成することができる国産のAIデザインツールです。2025年5月に公開されて以降、デジタルプロダクトの開発に携わるデザイナー、エンジニアなどから注目されています。

これまでグッドパッチは、UI/UXデザインの強みを生かし、さまざまな企業のデザインパートナーとして、ビジネスモデルデザイン、組織デザイン、ブランド体験デザイン、サービスデザイン、デジタルプロダクト開発などに伴走してきました。こうした実績により培った知見を、最先端のAIデザインツールと掛け合わせ、さらなる進化をもたらすことで、顧客体験を起点にした企業変革をより力強く後押しできると考え、Layermateの子会社化に至りました。

また、グッドパッチではAI専門組織「Gp-AX Studio」を設立し、「デザイン×AI」の取り組みを強化。これらを通じ、AIを活用した課題解決と新たな価値創造を推進することで「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」ビジョンを実現させていきます。

Layermateについて

Layermateは、デザインの現場における生産性向上や創造性の限界を押し広げるAIデザインツールです。世界中で活用されているクラウド型デザインプラットフォーム「Figma」のプラグインツールとして、2025年5月に公開されました。

直感的な操作性や再現性の高さ、開発効率の向上などから、デジタルプロダクト開発に携わるデザイナーやエンジニアを中心に注目され、公開後4カ月にして、国内外8,000人以上のユーザーがインストール。現在個人向けのSaaSプロダクトとして展開されています。

今後、2025年6月にグッドパッチが無償提供を開始したデザインシステム「Sparkle Design(※1)」との機能連携など、グッドパッチが培った実践知を掛け合わせ、法人向けの機能開発やセキュリティを強化。国産AIデザインツールのさらなる進化と発展を牽引します。

ユーザーミートアップイベント

Layermateユーザーの声をプロダクトに反映し、最新情報や今後の展望をお伝えする、ユーザーミートアップイベントが開催されます。当日は、Layermate開発者の池上氏とグッドパッチCEOの土屋氏の特別対談、ユーザー事例のシェア、参加者同士の意見交換などを予定しています。

  • 開催日時:2025年10月17日(金)19:00〜21:00
  • 開催形式:オフライン
  • 会場:グッドパッチ本社(東京都渋谷区鶯谷町3-3 VORT渋谷South 2階)
  • 詳細・参加方法:イベント詳細ページより、お申し込みください

(※1)グッドパッチ、デザインシステム「Sparkle Design」を提供開始〜実践知を結集し、「速く、いいデザイン」を誰もが実現できる環境を提供〜(2025年6月12日)

AI専門組織「Gp-AX Studio(Goodpatch AI Experience Studio)」について

グッドパッチでは、昨今の生成AI技術の発展やAI活用ニーズの高まりを受け、さまざまな企業のAIプロダクト開発に伴走しています。

またグッドパッチ社内では、AI関連の知見を共有する勉強会の開催や、職種を超えた相談会、バイブコーディングなどAI活用を推進する取り組みが自発的に行われており、多くの社員が日常的にAIツールを活用しています。

このたびさらなる事業成長を見据え、Gp-AX Studioを設立。2025年6月に執行役員に就任した石井氏を筆頭に、デザイナーやエンジニア、PdM(プロダクトマネージャー)など多様な職種のメンバーがGp-AX Studioに所属し、企業のデザインパートナーとしてAIプロダクト開発支援などを行うAIソリューションの開発、AIを活用した新たなデザインプロセスの構築、グッドパッチ全社員のAI活用レベル向上に向けた仕組み作りや施策などを行います。

これらにより、グッドパッチは「デザイン×AI」で企業や社会における課題解決と新たな価値創造を推進し、さまざまなステークホルダーと共にデザインの力を発揮させていきます。

主なメンバー

石井 克尚(いしい かつひさ)/グッドパッチ 執行役員

事業会社のエンジニアを経て、2014年グッドパッチに入社。iOSデベロッパー、UIデザイナー、PdMとして、多様な企業の開発プロジェクトなどを担当。 自社新規事業担当を務めた後、2024年、デザインパートナー事業のゼネラルマネージャーに就任。マネジメントやメンバー育成を行う傍ら、さまざまなプロジェクトのクオリティマネジメントやアドバイザーとして多数のクライアントを支援。2025年6月、執行役員に就任。Design Division・Goodpatch Anywhere Division(デザインパートナー事業 デザイン領域)を管掌。

大竹 智史(おおたけ さとし)/グッドパッチ Product Div. 事業責任者

2017年、グッドパッチにUXデザイナーとして新卒入社。デザインパートナー事業にて、BtoB SaaSのグロース、BtoCマーケットプレイスのプロダクトの立ち上げ、大手製造業の商品企画(エスノグラフィ調査/コンセプト立案)を担当。その後オンラインホワイトボード「Strap」のPdMを担当し、2023年より事業責任者を務める。事業開発を中心に、AIコラボレーションに特化した「Strap AI」の機能開発を牽引しているほか、知見を生かして全社のAI活用を推進している。

川端 和樹(かわばた かずき)/グッドパッチ エンジニア 兼 Layermate 事業責任者

ゲーム、マッチングアプリ、金融、広告と幅広い領域を手がける事業会社でエンジニアとしてプロダクト開発を担当した後、エンジニアリングマネージャーを6年間務める。その後、マーケティングプラットフォームを展開するノバセル株式会社にてPdM、データ分析を起点にCXプラットフォームなどを展開する株式会社プレイドにて事業開発を経験。2025年、グッドパッチに入社し、AIを活用した新規事業のプロダクト開発や、全社におけるAIのイネーブリングを推進。Layermateの事業責任者を兼務する。

Bei Le (ビル)/グッドパッチ PdM

医学部を卒業後、機械学習・NLP・ディープラーニングを強みとしたスタートアップで、AI PdMとして4年間で十数件のAIプロダクト開発をリードした後、アリババグループ傘下のヘルステック企業Alibaba Health(阿里健康)でAI×スマートEHRプロジェクトを推進。その後ユニコーン企業DXY(丁香园)でプロダクトディレクターを担う。2025年、グッドパッチに入社し、PdMとして新規事業に参画。社内のAI活用推進にも精力的に取り組み、デザイナーやリサーチャーなどさまざまな職種の業務効率化や創造性を発揮するためのAIプロダクトを独自に開発している。

「デザイン×AI」のキャリアを考える、オンラインイベント

デザイナーやPdMのキャリアにAIが与える影響を学びたい方、グッドパッチのAI導入事例や経験談を知りたい方向けに、オンラインイベントを開催します。当日は、グッドパッチのデザイナーとPdMが自身のキャリアの葛藤や試行錯誤を語りながら、どのようにAIを活用しているのか、具体的なプロセスや工夫をお話しします。

また、カジュアル面談も実施しています。イベントへのご参加が難しい方、Gp-AX Studioメンバーと直接話したい方は、カジュアル面談をお申し込みください。

イベント情報

  • テーマ:AI時代をどう切り拓く?デザイナー・PdMのリアルと実践
  • 開催日時:2025年10月29日(水)12:30〜13:45
  • 開催形式:オンライン
  • 詳細・参加方法:イベント参加申し込みフォームより、お申し込みください

カジュアル面談

申し込み方法:カジュアル面談申し込みフォームより、お申し込みください

グッドパッチ 代表取締役 兼 Layermate 代表取締役 土屋尚史氏より

「世界ではAI活用が急速に進み、デザイン領域でも数多くのツールが生まれています。そんな中で、純国産のAIデザインツールであるLayermateが仲間になることを心から嬉しく思います。グッドパッチは『AI Driven Design Company』を掲げ、全社で昨年からデザイン×AIに挑戦してきました。今回のシナジーを通じ、日本のデザイン市場を前進させ、AI時代にふさわしい新しいデザインの当たり前を築いていきます。」

本件の背景ならびに今後の展望を、noteに綴っています。ぜひご覧ください。

Naofumi Tsuchiya / Goodpatch「デザインとAIの未来を共に描く──Layermate子会社化に込めた想い」 (2025年10月1日)

※本記事は、グッドパッチのプレスリリースを一部修正・再構成して作成しています。

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