
【現地レポート】Studioの新プロダクト「Studio.Drop」、「Studio.Assistant」を発表! AI時代のクリエイティブ支援を加速

ノーコードでWebサイトを制作・運用できるプラットフォーム「Studio」を開発・提供するStudio株式会社は、2026年9月11日(金)、東京都目黒区のStudioオフィスで「Studio.Night 2026」を開催。新たな制作支援ツール群と今後の事業構想についての発表がありました。
会場では「Studio.Assistant」の正式リリースのほか「Studio.Stock」や、クローズドベータ版を公開したばかりの「Studio.Drop」について、それぞれデモンストレーションを披露しながら、Web制作における業務効率化やAI活用の方向性について紹介。会場からは歓声が上がる場面もあり、参加者の関心の高さがうかがえました。
目次
「Studio.Assistant」が実現する「Web制作の効率化」
冒頭では、StudioでCOO(最高執行責任者)を務める吉岡泰之さんが登壇。最初にStudio.Assistantの開発背景について、吉岡さん自身が制作会社所属時代、Webサイトの品質を維持しながら「制作工程の効率化を進める必要性」を感じてきたことに触れました。Studio.Assistantは、Studioを用いたノーコード制作を数多く手がけるなかで出てきた「この作業を自動化したい」という課題を集約し、制作現場におけるリソースの最大化につながる機能として開発されたのです。
たとえば、実装担当者の手を借りずにディレクターがデザイン作業まで進められたり、短期間しか確保できない案件での制作を可能にしたりと、これまで難しかった働き方の実現を目指したいと補足しました。実際に、派手な機能を前面に押し出すのではなく、実務的に「かゆいところに手が届く」特徴を重視する内容でした。

Studio.Assistantのデモでは、ヒアリングシートを活用したサイト制作フローが紹介されました。スプレッドシート形式のヒアリングシートをインポートすると、内容が自動的に読み込まれ、Webサイト構成のベースを生成。検索キーワードやコンテンツのボリューム設定、ロゴデータからのブランドカラー抽出にも対応しています。
特に印象的だったのが生成速度の速さです。5ページ規模のサイトが10〜20秒程度で生成。生成後はワイヤーフレーム形式で確認でき、そのままクライアントレビューにも活用できる内容となっていると説明。また、サイトマップ編集機能も備え、ページ構成の変更や追加内容はExcel形式で出力可能です。
デザイン面では、用意されたプリセットに加え、独自のカラールールやフォント設定を組み合わせたカスタムプリセットにも対応。作成したプリセットはチーム内で共有できるほか、角丸の調整やフォントサイズの変更、画像のスタイル変更も一括で適用できます。
さらに、セクション単位でデザインを再生成する機能や、リストコンテンツの項目数変更、コントラストを維持したカラー調整なども解説されました。初期提案やドラフト制作の効率化に役立つ機能として、期待が集まります。
「Studio.Stock」で広がるAI活用
続いて紹介されたのが、AI生成素材サービスのStudio.Stock。サービス開始以来、画像だけでなくイラスト素材も拡充されており、商用利用可能でサイト制作やグラフィックデザインでの活用を想定しています。

最近のアップデートとして、素材をテーマ別に管理できる「コレクション機能」の強化やプラグイン対応についても説明がありました。デモでは、チャットで画像を検索し、その素材を使ってポスターやギャラリーサイトを生成する様子も披露。
当日、記者の印象に残ったのが新機能「Layerize」。これは、AIが画像内の人物や背景などを識別し個別編集できる機能で、商品画像の差し替えやモックアップ制作など、幅広い活用が期待されるものでした。
注目を集めた新サービス「Studio.Drop」
イベント後半では、新サービス「Studio.Drop」が紹介されました。9月1日にクローズドベータ版の事前登録受付を開始したところ、「約1週間で2,000人以上のウェイトリスト登録があった」とのことで、本イベントでとりわけ大きな注目を集めました。

Studio.Dropの特徴は、既存サイトのURLを入力するだけで、対象サイトを解析して取り込める点です。デザインやレスポンシブ設定、アニメーションの挙動まで再現し、さらに記事一覧などの構造を認識してCMSコンテンツ化する仕組みで、デモでは実際のWebサイトを取り込み、編集可能な状態へと再構築する様子が披露されました。
HTMLファイルのインポートにも対応し、AI生成されたサイトデータやローカルファイルをドラッグ&ドロップするだけでも利用できます。公開機能や共同編集機能も備わっているため、作成コンテンツをそのまま運用へと移行することも可能。また、自然言語で編集できる「AI Edit」機能も搭載し、テキストによる指示でセクションの追加やデザイン変更を実行しつつ、必要に応じてGUIからの微調整にも対応可能です。
なお現在、Studio.DropはClosed Betaとして提供中で、限定枠を順次案内予定となっています。
Studioが描く、AI時代のクリエイティブ戦略
イベントの終盤では、今後の取り組みとして「Slackベースのコミュニティ再始動」や、クリエイターとクライアントをつなぐ新サービス「Studio Works」の展開も発表。プロダクト提供だけでなく、制作を行う人と依頼する人を結びつけるエコシステム全体を育てていきたい方針を説明しました。

最後に、吉岡さんは「AI時代のクリエイティブに対する考え」に言及しました。AIによって、制作そのものが効率化する一方で、「何をつくり、何を選び、世の中に出すのか」を判断する重要性が高まると強調。制作能力が民主化される時代だからこそ、人間の着眼点やディレクション能力、意思決定の価値がさらに大きくなる、と語ります。
「良いプロダクトをつくるだけではなく、人間の意思や審美眼を重視する姿勢を伝えながら、AI活用できるクリエイティブ環境を目指したい」との抱負を語り、イベントを締めくくりました。
現場取材を終えて
Studioはすでに、業界内でも主要制作ツールの1つとして、実務で活かしている人も少なくありません。当日は、人数の限られたオフラインイベントでしたが、デモを通じて盛り上がりの場面も多々あるなど、Studioへの関心の高さを改めて肌身に感じました。

Text & Photo:Web Designing編集部