
Webサイトに必要なものを準備する(7)制作会社に伝えるべき情報
具体的なWebサイトの形を制作会社と相談するにあたって、発注者はどのような要望を伝えればいいのでしょうか。制作会社が知りたいのは、「このWebサイトでどんなビジネスがしたいか」です。
制作会社は、クライアントがどんなWebサイトをつくりたいのか要望を聞いて、それを実現させるためにどんな機能が必要か、技術的な仕様を考えます。「どんなWebサイトをつくりたいのか」というのは、具体的なWebサイトのデザインや機能を聞きたいのではなく、そのWebサイトをクライアントがどういう形でビジネスに利用するのか、クライアントはどんなビジネスがしたいのか、事業計画のイメージをつかみたいのです。
事業計画が把握できれば、それを効率的かつ効果を最大化するためのWebサイトとはどんなものがいいか、そのWebサイトをつくるためにはどんな仕様で、どんな機能が必要かを考えてくれます。それができて初めてより正確な見積もりも取れるとも言えます。
なので、Webサイト制作に直接関係ないことを話しても困るかな…といった忖度は一切不要で、自社が目指したいビジネスの全体像をできるだけ包み隠さず伝えましょう。もちろん、社外秘の情報など会社として伝えていい話を選んで伝えるべきですが、制作会社はビジネスの全体像や詳細な情報を得られれば、それだけ需要に適ったWebサイトを提案してくれるはずです。

例えば、ECサイトをつくりたい場合に「ECサイトをつくりたい」ではなく、「法人取引を増やしたい」など、そのECサイトを設けたいと思った背景にある自社の計画を伝えましょう。
話を聞いている制作会社にとっては、「そのECサイトは誰に向けたもの?」「何を売るためのもの?」「それによって先方にとって何がメリットになればいい? 販路拡大? 業務効率化?」など、いろいろと疑問が生じます。そのあたりは打ち合わせで必要な情報を引き出してくれますが、伝える側の発注者としては「彼らはまず何を聞きたいのか」を知っているだけでコミュニケーションの質とスピードが格段に違ってきます。「法人取引が目的ならこんな機能」と自社の課題に寄せた検討ができますし、「ECサイトの他にこういったプロモーションを打ち出すと効果的」など、ECサイト以外、はたまたECサイトよりも効果的な施策も提案してくれるかもしれません。
Webサイトをつくる=機能をつけるに拘りがちですが、まずは自社の課題や目的、戦略を共有して、制作会社と一緒に作戦を練るような場をつくり出せるとWebサイト制作だけに止まらない恩恵を得られることでしょう。
