FacebookとInstagram動画の考え方●特集「動画マーケティング」

プラットフォームの特性を知る

Facebook(以下FB)とInstagram(以下IG)それぞれのプラットフォームにおいて、動画の特性をどう捉えておくべきだろうか。

「FBは実名制ですので、ニュースフィードにはパーソナルな投稿が並ぶ状態になじんだ動画を用意できるかどうか。その上でFBの高いターゲティング機能と連携させつつ、届けたい相手に動画広告を活用できると有効的でしょう」

さらに1点意識したいのがモバイル対応だ。FBの調査では、国内の月間アクティブ利用者数が今年6月時点で約2,400万人、うち2,300万人はモバイルからも利用しているという。ここに、国民の約95%がモバイルを所有し、スマートフォンの保有率も6割を超すという総務省「情報通信白書」(平成26年版)のデータをかけあわせれば、スマホで観て最適な動画こそ、FBでリーチしやすい動画だと理解できる。

上記を踏まえた事例に、広報チームは自動車メーカーアウディジャパンのFBページを挙げる。

「新車発表の際に、FBページにテレビ放映より約1週間早く新CMを公開していました。また、2014年秋にはFBページで20万いいね!達成を記念して、東京都内の銭湯に“Audi R8 Spyder”の絵を出現させるというイメージムービーを作成し(01)、FB以外の場での話題化にもつなげていました」

 

01 Audi Japan(Facebookページ)

 

一方、IGはどうだろう? そこでIGが大事にしている3つの要素を挙げてもらった。

「1つ目は、世界中の老若男女誰もが操作できるシンプルさを追求した“シンプリシティ”。2つ目はインスパイアリングな世界観を表現する“クリエイティビティ”。3つ目が利用者同士で形成する“コミュニティ”です。動画広告の場合は30秒以内という仕様とともに、これら3つを意識すると、IGと相性のいいコンテンツが生み出しやすいと思います」

IGの事例の代表には、アパレルブランド「Banana Republic」を挙げてくれた。

「タイムラプス動画を使った新コレクションのプロモーションが行われました。クリエイティブな世界観を通して、広告認知を拡げた好例です(02)」

 

02 Banana Republic(Instagram)

 

最後に、双方の今後の展望についても、どのような見解を持っているのか話を聞いた。

「双方とも新機能をリリースしながら、よりニーズの拡大に努める予定です。FBは10月に簡単な操作で複数毎の写真を使って動画広告が制作できるスライドショーという新機能を公開し、IGは、写真を連続撮影すると、その模様を順送り、逆送りの流れで再生する“ブーメラン(Boomerang from Instagram)”という最新の動画アプリを発表しました(03)。新機能が表現の幅、利用の選択肢を拡げることにつなげがってほしいです」

 

03 ブーメラン(Boomerang from Instagram)に関するリリース
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