
紹介プログラムによりクチコミを加速させた「Uber」●特集「成長戦略 グロースハック」
Uberは、運転手として登録した一般人が運転する車をスマホから呼び出すことができ、タクシーよりも安く快適に移動する手段を提供するサービスだ。

降車時には、登録したクレジットカードで手軽に支払いを済ませることができる。実は、グロースハックを行う前からすでに、利用するユーザーはクチコミで増えていた。なぜなら、アメリカの都市部でタクシーを捕まえるのはとても時間がかかり、なおかつ到着後の支払いが面倒であるという大きな「課題」を解決するサービスだったからだ。
しかし、既存勢力であるタクシー業界や競合サービスである「Lyft」が登場したことから、ユーザー獲得をさらに加速させる必要に迫られた。そうした流れで出てきた施策が、「紹介プログラム」だった。これは、ユーザーが知人にUberを紹介し、その知人がUberを使うと、両者に10~40ドル相当の乗車ポイントを付与するというものだった。これにより、紹介者になるべく、SNSなどでのクチコミが加速していった。


この施策が効果的だったのには、2つの理由がある。1つは、時期によって付与する紹介ポイントを変化させたことだ。そうすることで、紹介ポイントが通常よりも高い時期に既存ユーザーが我先にと紹介を行い、爆発的にユーザー数を増やすことに成功した。2つ目は、Uberを一度使うとその利便性の高さから、普通のタクシーには戻れなくなり、ユーザーの継続率が高いこと。すなわちユーザーのライフタイムバリュー(一人のユーザーが特定サービスに生涯支払う総額)が高いため、紹介インセンティブとしてポイントを付与しても、長期的には元が取れる構造になっていたのだった。
