
[デジタルプロモーション:Dentapple]歯の健康をリンゴで診断
2016年一発目に紹介したい事例は、松本りんご協会の「Dentapple(デンタプル)」。昨年、そういえば最近リンゴを食べてないなー、ということに普通に気付かされた施策だ。この「普通に気が付かされる」というのはデジタルプロモーションにおいて超重要なことで、導線がうまく設計されている証拠である。
Dentappleの仕組みはこうだ。Webおよび店頭でDentappleのシールが貼られているリンゴを購入し、購入者は専用アプリのナビゲーションに沿ってリンゴをかじる。いくつかの質問に答えて、かじったリンゴの写真を送信すると、実際に歯医者がそれを元にテスト結果を1日以内に送り返してくる。この施策の素晴らしいところは、すべてが理にかなっているところだ。リンゴの消費が落ちているというリンゴ全体の課題を解決しつつ、松本のふじリンゴブランドと他のブランドを明確に差別化している。差別化にリンゴの味ではなく、購入者のメリットに繋がるサービスを提供したのだ(もちろん味は美味しいという前提だろう)。そして、この企画は「リンゴを食べる」という行為に落ちている。久しぶりにリンゴを食べたけど美味しいな、とユーザーに思ってもらえた時点で企画勝ちだ。
さらに歯医者側にもメリットがある。コンビニよりも数が多いと言われている歯医者。彼らの顧客獲得競争はハンパない。そんな彼らからすれば、新たな顧客獲得のチャンネルが増えることは大きなメリットだ。松本りんご協会、歯医者、消費者のすべてがWIN WINの関係になり、みんなが幸せになる、とても素晴らしい企画だと思う。さらに、「リンゴをかじる=歯周の健康を見る」というのは世界共通のインサイトなので、今年のカンヌライオンズでの受賞も期待できそうだ。自分にとってまた一つやられた感がハンパない施策が増えた。
【Digital Promotion】Dentapple


- ナビゲーター:築地ロイ良
- (株)BIRDMAN代表、クリエイティブディレクター。インタラクティブを中心に、あらゆるメディアを使って人を動かす提案ができる。国内外にて100以上の賞を受賞。あけおめことよろでございます。今年もBIRDMAN一同よろしくお願いいたします! @roy_birdman