[IOT:Nima]日常系センシング

普段生活している中では表面上見えてないけれど、実はすごく重要だということがある。たとえば人の目には見えないウイルスや数値化してみないとわからない自分の血圧や心拍などは、普段はまったく意識しないけれど、測ってビジュアライズすることで、その存在に気づかされる。食べ物もそうだ。とくに加工食品になると、どんな成分が入っているのかは謎だったり、成分が表示されていたとしても食品偽装などのニュースも多い昨今では一概に信じがたかったりする。そこで今回紹介するのは、ポータブルな食品成分分析デバイス「Nima」だ。

Nimaは手のひら大ほどのデバイスで、食品のかけらをカプセル状の薬品と一緒に入れるだけ、わずか2分程度で食品の中に「グルテン」が入っているかどうかをチェックしてくれる。なぜグルテンかというと、アメリカではグルテンフリーがダイエットやセリアック病対策の観点から急速に求められてきている。Nimaはデバイスとスマホアプリのセットになっていて、検査結果はインターネット上で共有ができる。つまり、特定の食品にグルテンが含まれているかどうかをインターネット上にアーカイブしていけるし、そのデータが溜まっていくことで生活者主導の食品安全データベースができていくということもおもしろい。

Nimaを提供する6sencerlabのメンバーは、グルテン以外にもさまざまなアレルギー成分などを分析できるようにしていきたいと語っていた。この次は、アレルギー患者の多いピーナッツの成分分析を目指すそうだ。

食品成分のような日常に潜む見えない何かを、センサーを使って感知・分析・可視化していくことで、ほかにも日常生活に欠かせないプロダクトとサービスを構築することができそうだ。

 

【Internet of Things】Nima

Nima本体。食品のグルテンが含まれていなければ、スマイルが表示される
食品のかけらと薬品をNimaに入れると、2分で検査結果が出る。チェックした食品の記録はアプリで管理できる

 

ナビゲーター:神谷憲司
Creative Director/Creative Technologist (株)WHITE 代表取締役。(株)スパイスボックスで「プロトタイピングラボWHITE」を立ち上げた後、今年4月にはIoT企画会社となる(株)WHITEを設立。文化庁メディア芸術祭グランプリ、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル銅賞など、国内外の広告賞受賞歴多数。 http://255255255.com/
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