ニッチな製品でも、世界には需要がある!

サンフランシスコに本社を置く「Indiegogo」は、Kickstarterと並ぶ世界最大級のクラウドファンディングプラットフォームです。クラウドファンディングとは、プロダクトを製作・出荷する前の段階でユーザーからプリオーダー経由で資金調達をするためのサービスで、近年FINTECH(フィンテック)系サービスの一つとして大きな注目が集まっています。

2015年には、このIndiegogoを利用して、226カ国250万人のユーザーがテクノロジー、映画、エンターテインメントと幅広いカテゴリーに渡る17万5,479のアイデアに出資しました。また、海外からの参入に関してもオープンで、我々btraxも同社と共同で日本からの参入サポートを提供しています。

2008年にスタートしたIndiegogoの出資累計金額は、総額で約8億ドル(約1,000億円)にもなります。特にハードウェア系のプロダクトはIndiegogoとの相性がよく、家庭用アシスタントロボットの「Jibo」は220万ドル(約2億6,000万円、後にベンチャーキャピタルより約6,000万ドル(約72億円)の調達に成功)、Indiegogo史上最大のファンディング額となった「Flow Hive」はなんと150カ国の3万7,000人から約1,200万ドル(約15億円)以上もの大金を集めました。

ちなみに、このFlow Hiveは最近話題のIoTでもFINTECHでもありません。むしろプロダクトとしてはかなりニッチな養蜂者向けの“箱”です。これが実際に養蜂している人たちから見ると、喉から手が出るほど魅力的なプロダクトだったのです。

このように、一見マニアックそうなアイテムでも、世界中を見渡せば欲しいと思うユーザーは意外と多く、クラウドファンディングを活用することでグローバル規模での巨額の資金調達が可能になります。

ハードウェアスタートアップにおいて、クラウドファンディングはアイデアを検証し、初期に販売するチャネルとして一般的になっています。資金が集まるかどうかで製品にどれだけ需要があるかがわかり、多くの額を集めることでさまざまなメディアで紹介されるため、プロモーション効果が非常に高いのです。

Indiegogoのオフィスでは、定期的にハードウェアスタートアップのピッチイベントを実施しています。こういったイベントでは、デモを見るだけでなく、デモの後のパーティで直接プロダクトに触ったり、開発者から話を聞くこともできます。

日本国内だけでは十分な需要が得られなさそうな製品でも、世界の人々の目に触れる機会を増やすことで意外なニーズを掘り起こせるかもしれません。クラウドファンディングこそ、海外進出の第一歩としては最適なプラットフォームでしょう。

 

ハードウェアの出展に対して積極的なクラウドファンディングプラットフォーム「Indiegogo」。出前の注文やIoTデバイスのコントロールなどが可能な「Jibo」(右上)や、養蜂業者でなければただの箱にしか見えない「Flow Hive」(左下)など、全世界から多額の出資を受けています。同社では、定期的に「Hardware Happy Hour」と称したイベントを開催し、スタートアップの発表・交流の場を設けています(右下)

Indiegogo

 

Text:ブランドン・片山・ヒル
米国サンフランシスコに本社のある日・米市場向けブランディング/マーケティング会社Btrax社CEO。主要クライアントは、カルビー、TOTO、JETRO、伊藤忠商事、Expedia、TripAdvisor等。2010年よりほぼ毎週日本から米国進出を希望する企業からの相談を受け、地元投資関係者やメディアとのやりとりも頻繁。http://btrax.com/jp/
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