
SNS広告の特徴と使いこなしのヒント
SNS広告はタイムラインに表示される
SNS広告の一番の特徴は、基本的にユーザーのタイムラインに表示される「インフィード型」であることだ(Facebookでは右カラムに表示されるものも選べる)。ディスプレイ(バナー)広告などの一般的なインターネット広告と違い、タイムライン上にあることでユーザーの目に触れやすく、クリック率も高くなりやすい。その強みは、なんといってもターゲティング精度が高いこと。性別や年齢など、ユーザーが登録した属性データや、日々の投稿内容やフォロー先から趣味嗜好を判断し、マッチした広告を表示する。また、主要SNSは多くのユーザーに利用され、1日に何度もアクセスされることが多いので、ユーザーにリーチしやすいメディアと言える。
出稿料は低価格から利用することができるため、自社で運用するケースも考えられるが、実施した変化を多少なりとも感じられるようにするならば、少なくとも月間10万~20万程度の投資は必要になるだろう。出稿前に、あらかじめ接触できるターゲットユーザー数の予測値を知ることができるので、予算に見合うかの判断もしやすい。
基本的にそのSNSの中だけで表示されるため、アドネットワークと比較するとターゲットは絞りやすくなるというメリットもある。反面、ユーザーからのリアクションをダイレクトに受けやすいのも特徴だ。広告にも一般の投稿と同じようにコメントをつけたりリツイートやシェアができるので、ユーザーに嫌われてしまうと悪口を書かれるというリスクにも注意していく必要がある。
効果の高いSNS広告にするコツ
SNS広告のほとんどは、先述のように タイムライン上に表示されるため、他の投稿と馴染むようなクリエイティブにするのが良い。そのうえで目にとめてもらうために、ビジュアルやコピー、テキスト の工夫が必要となる。
ビジュアルに関しては、動画が推奨されている。移動中などにスマホで見られることが多いので、音声がなくても内容を理解できるよう字幕を入れておくと良い。静止画でも、FacebookとInstagramで使える、複数の写真をスライドさせられるカルーセルやパラパラ漫画のように見せる機能を利用すると効果が上がりやすい。また、写真の上にコピーを載せることも有効だ。その際、文字が占める面積は写真の面積の20%以下にすることがFacebookやInstagram、LINEでは推奨されている。
コピーの内容やテキストも、ユーザーの気持ちを惹きつけるものにしたい。たとえばTwitterでは口語調など少しくだけたトーンで、ネタっぽい情報が好まれ、Facebookでは情報価値の高さを感じさせる内容が好まれるなど、各SNSに合った内容にしていくことが大切だ。「# 拡散希望」というハッシュタグをつけたり、自撮りやゲーム実況動画風の映像にすることで、一般投稿のパロディのような遊び心を演出するというのも一つの手だ。良い意味でリツイートやシェアをされれば、広告を見られる機会は増大する。 SNSは頻繁にアクセスされるのがメリットである反面、広告クリエイティブが消耗されやすい。そのため、複数パターンのクリエイティブを用意し、数日~数週間で変えていくようにするといい。また、評価の悪い広告は表示頻 度が下がってしまうため、最初から数種類の広告デザインを出稿し、評価の低いものを新しいものに差し替えていき、 効果を上げるとともに効果の上がりや すいパターンを分析していくようにしよう。
(2)特徴を理解してSNS広告を使い分ける
どのSNS広告を利用するかは、そこを利用するユーザーの属性と広告する商材のとの相性から判断していく。広告は、普段どのようなモチベーションで使用されている場かということを考慮し制作しよう。ターゲティング精度や画像の表示方法など、機能面での差異も把握しておこう

持続的な成長を志す企業に対してマーケティング×テクノロジーのパートナーを目指す「eマーケティングカンパニー」。左からソーシャルAD戦略部部長の佐野瑞生氏、ソーシャルAD戦略部チームマネージャーの大島直希氏、クリエティブ戦略部チームマネージャーの伊藤岳志氏。