
【最新Facebook投稿術】運用体制・5つのチェックポイント
権限委譲、できている? されている?
Facebookの望ましい運用体制を考えるにあたって、前提となる大きなポイントが2つあります。ひとつ目は、権限委譲です。最終的に上長の承認は必要ですが、投稿の切り口や内容、文体などは、ある程度担当者に任せること/任せてもらうこと。これはSNSの運用を長く続ける上で、とても大事です。
その理由は「投稿本数」を維持し、「タイムリーな投稿」を実現するため。Facebookをはじめ、SNSではそのときどきの社会的な話題にうまく乗じることで、大きく話題化することがあります。上長が細かく口を出したり、「上長の上長の上長のハンコが必要…」といったワークフローだったりすると、機を逃します。社内調整にかける労力は、少なめに!
ただし、権限委譲と責任の所在はまた別です。後述しますが、炎上など有事の際には担当者の責任にならないよう、あらかじめ上長と担当者とで合意しておきましょう。

複数人体制、とれている?
もうひとつのポイントは、複数人体制です。多くの企業の場合、SNS運用担当者は本業と兼任されていると思いますが、自分がメイン担当だとして、一緒に運用に携わるサブ担当者はいますか? もし現在そういった人がおらず、一人ですべてを抱えている状態だったら、ぜひサブ担当を置いてもらいましょう。
一人きりで担当していると、風邪など体調を崩したときも「自分が投稿しなければ」と思いがちで、そのプレッシャーがじわじわとのしかかり、結局運用が滞ってしまう…。残念ながら、そんなケースをたくさん見てきました。継続的な運用には、少なくとも「1.5人体制」を整えることをお勧めします。
そうすると、今この瞬間に何が流行っているのか、こんな切り口ならすぐに投稿できるのではないか、といったちょっとしたことを話せるようにもなり、一人で担当するより投稿内容に広がりも生まれます。

炎上時のフロー、整備できている?
最初に「権限委譲が大事です」とお話しましたが、これは責任を担当者一人に負わせるのとは違います。投稿には制限を設けすぎず自由度を与え、クレームや炎上など有事の際の責任は上長が持つ。そこをはっきり線引きして、担当者がファンとコミュニケーションを取りやすい環境をつくることが大切です。
そのためにも、トラブル発生時の確認と対応フローを整備しておくことが不可欠です。我々がSNSアカウントの運営代行をさせていただく際は、各種ガイドラインや運営マニュアル、想定問答集を用意しています。アカウントの運営方針や投稿ルール、運用体制などに加えて、前述した有事の際のエスカレーションフローをマニュアル化しています。もちろん、炎上に発展しないかどうか日頃からコメント監視を行い、Facebookページを数日にわたって放置するようなことはないようにしましょう。

社内の協力体制は整っている?
実際の運用に携わる人は少数でも、社内の協力者は多ければ多いほど投稿にバリエーションが出ます。リリース情報をそのままコピー&ペーストしただけの投稿では、高い反応は得られないでしょう。
どんなメディアでもそうですが、“ここでしか見られない情報”に人は引きつけられるので、広報部などと連携して情報を集めたり、ネタ出し協力者のネットワークを築いたりして「Facebook用の投稿」をしっかり作成するのがポイントです。

KPIは適切に設定できている?
運用担当者が適切に評価されれば、社内の理解も進み、体制づくりもしやすくなります。その点でKPIの話をすると、「いいね!」数はやはり最も分かりやすい指標になります。当社の行った調査では、やはり「いいね!」数はブランドへの好意度と相関があります。定期的なアンケートなどで意識調査を行うのも、指標になると思います。
ただし、Facebookページに対するものと各投稿に対するものは意味合いが違います。ページに一度「いいね!」をしてくれても、そのファンのタイムラインに必ず投稿が表示されるわけではありません。ですが、各投稿に対する「いいね!」はその投稿を読み、好感を持った証拠です。いわば“活きた「いいね!」”といえるので、こちらを意識してはどうでしょうか。


- 長谷川直紀
- 株式会社コムニコ 取締役COO ソーシャルメディアの活用+αの提案を得意とし、企業のマーケティング活動全体の戦略立案に従事。コムニコのセールス、マーケティング全般を管轄。