今だからこそ、「公開の信頼性」を取り戻そう

Point1 自己責任の所在は明確にしよう

場所を提供しているポータルサイト側は、もともとプロバイダ責任制限法という法律が適用されます。ポータルサイト側が違法コンテンツを提供していた場合、違法とわかっていなかった段階まではポータルサイト側に瑕疵は認められずとも、違法が判明した段階で該当コンテンツを削除したり閉鎖する必要があります。速やかな事後対応を行わず、初動を誤ると、大炎上につながります。また、お金を払って記事を書かせていたことも明るみになったら、単に場所だけを提供していたとは認められません。

発信する以上、発信側には当然責任が発生しますが、責任の捉え方を誤ると問題は広がるばかりです。コンテンツのチェック体制ができていないことも問題です。チェック体制がなければ、不正コンテンツを無条件で見逃すことになります。

外部にコンテンツ制作を委託するケースもありますが、非常に信頼すべき相手に依頼しないと、いくら契約書を交わすなどの策を講じても、未然には防ぎきれません。記事や写真の無断転載は確認しようがないだけに、常に慎重な取り扱いが求められます。

社内外問わず誠実な対応を行うかどうか。きちんと運営、運用すれば、そもそも問題が起きづらいです

 

Point2 問題発覚後は即非公開、迅速な対応を!

たとえ意図的でなくても、Question1~7で見てきたようなミス、NGと受け取られかねない状態で公開してしまった場合、どうすればいいのでしょうか?

「迷わず非公開にすること」を選んでください。

Webのいいところ、対応しやすいところが、公開と非公開が手軽にできることです。もしNG要素のある公開や投稿があった場合、速やかに該当箇所を非公開にしましょう。問題を拡大させず、誠実な態度で事態を収拾させていくのがベターです。

迅速な対応を心がけておけば、相手の怒りのトーンもやわらいでくることが考えられます。むしろ初動の判断を誤り、公開の状態を続けていると、さらに問題は悪化しかねません。相手は、あなたが示す行動で以降の対応をはかります。

著作権のような、解釈次第でやっていいという線引きが難しい法律があれば、制限や禁止事項が明確な決まりもあります。後者については、やっていけない内容がはっきりしているだけに、日頃から違反に踏み込まず、ルールを守るように努めましょう。

著作権がらみの前者は、日常的に問題意識を持ち、微妙なラインに差しかかった際は、「もしかすると」と覚悟ができているだけでも有事の初動が変わるはずです。非公開と初動における適切な判断、次に相手に対するフォローに目が向けられるといいでしょう。

もし不適切な公開や投稿をしたら、問題発覚後、ただちに非公開にすること! 対応が迅速であるほど、致命傷は避けられるでしょう

 

グレーゾーンとは積極的に対峙しよう!

前向きに「できること」を模索しよう。困った時の相談相手を見つけておこう

総括すると、グレーゾーンに関する諸問題に行き当たった時でも、どのような表現なら可能なのか、前向きに対処、対応できるようになることです。

法律を杓子定規に捉えて対応すると、Webサイト上の表現やSNSへの投稿が魅力の乏しい内容ばかりになります。ユーザーは、魅力を欠いたコンテンツを見てくれるでしょうか? それらを考慮すると、特に迷わせることが多い著作権に精通する弁護士や、相談しやすい詳しい人などが身近にいると理想的です。もっとも避けたいのは、無知に対して無自覚なまま、アウトの領域に踏み込んでしまうことです。

弁護士と聞くと身構える方が多いかもしれませんが、おおよその費用が月額数万円で、相談したい時に相談できる弁護士は見つけられます。もしくは、相談したいことについて個別で対応してくれる弁護士もいます。

最後に、ここまでの内容を踏まえたチェックリストを用意しました。自社での公開や投稿の際に、ご利用してみてください。

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