「海外での勝算」と導入シナリオを考える

決済問題で悩まなくて済む! 決済代行業 or 決済自力運用?

GMOペイメントゲートウェイ(以下GMO-PG)は、1995年に設立。金融関連事業も含む総合的な決済代行事業を行う会社で、EC事業者の決済システムを提供する。加盟店は8万8,000店を超える。越境ECで「何かしら決済方法を確立したい」と思った時に相談する会社の一社である。

今回は、「もしアリペイ(支付宝)を開設したい場合」と、具体的な状況を提示し、決済代行サービスを使うメリットをうかがうと、同社の小川康秀氏は最大のメリットに「効率化」をあげる。

「GMO-PG(当社)と契約できれば、例えばアリペイに加えてネット銀聯の決済も同時に導入できたりもします。加盟店となるクライアントの求めるビジネスモデル、対象商材や中国に限らず周辺地域の状況も勘案し、もっとも得策だと判断できる決済手段をお勧めします。決済手段は他にもさまざま存在しますが、それら含めて当社が窓口となって一本化できます(01)」

“一本化”はお金まわりも同様だという。

「当社が一度受け取ってから加盟店にお支払いします。初めてのお客様でアリペイだけを入れるケースは少なく、総合的な判断に基づいて複数の決済手段の導入となることが多いです。それらすべてを自力で行うのはハードルが高い。決済代行サービスの利用は、安心して効率的に対応できるメリットを感じられるはずです」

01 越境ECにおける決済代行業経由の購買フロー

購入サイトがアリペイを導入できていると、あらかじめエンドユーザーが用意しているアリペイの口座に残高が確認できれば、商品の購入から購入サイト(加盟店)に入金されるまでのフローが確立できる

 

様子を見たい中小企業も安心3ステップの運用提案も

実際の決済導入準備から運用開始までについて、GMO-PGでは、審査から申請許可、加盟店登録までの期間については、1~2カ月が目安とのことだった。ちなみに、個々のケースによるため、代行サービスにかかる金額はまちまちだという。

「当社は、導入前のビジネスプランニング期間から対応できる体制ですので、早い段階のご相談も可能です(02)。例えば、ビジネスプランニングに1カ月を使って決済手段を吟味するなら、あわせて約2~3カ月後に運用開始ができます。スケジュールを逆算しながら最適なコンサルティングが可能なことも当社の長所です」

決済導入準備から運用開始に至るまでの1~2カ月の期間は、今後の運用のあり方を詰める最終期間。他社の決済代行サービスと違いGMO-PGならではの強みは、運用開始後の方向性を3パターン提案し、それぞれに対応できることである。

「従来は導入後、自社運用してもらいますが((03)の6)、加盟店の意向やビジネスステージにあった提案が可能です。ある程度の成功を見込めそう、初期から大きく投資したい場合、現地法人の開設もお勧めします。当社では、海外現地での電子決済サービスを提供しています((03)の7)」

越境ECに踏み切りながらも、もう少し様子を見てから運用のあり方を決めていきたいという層におすすめなのが、輸出代行サービスの活用だ((03)の5)。

「2種類あって、1つが商品ページに所定のバナーを貼るだけで済む購入代行サービスです。ユーザーがそのバナーをクリックすると、当社お取引先である(株)FROM JAPANのお買い物ページへと遷移し、その後のやりとりを担います。もう1つが、豌豆(ワンドウ)プラットフォームに自社商品を卸す販売代行サービスの活用です。こちらもお取引先のInagora(株)が運営する豌豆プラットフォーム上で、豌豆の販売ノウハウを活かして越境ECができるサービスです」

(03)の5は、越境ECに関する物流/集客ノウハウ、顧客情報が蓄積しないデメリットはあるが、輸出代行サービス経由で売れ行きの見通しや売れ方の傾向を見定められるため、最初の一歩として有効だ。

どの決済サービスを利用するかなどを検討後(1)、決済サービス側との契約に関する諸手続きを行う(2、3)。代行業経由だとこれらの過程が迷わず着実に進められる(4)。様子を見たいのか(5)、現地のノウハウを蓄積したいのか(6)、さらに大きな展開も視野に入れているのか(7)。各社のマーケティングステージにあわせた支援をGMO-PGが強力にバックアップする
教えてくれたのは… 小川 康秀
GMOペイメントゲートウェイ(株)イノベーション・パートナーズ本部 戦略事業統括部 イノベーション戦略室 室長 中小企業診断士 https://www.gmo-pg.com/
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