ライブ動画で技術を伝え、ファンとの交流を深める

[動画への集客は?]→ 毎週の定期的な放送で、固定ファンを獲得する

花創人ガーデニング教室を主宰する尾関純子さんは、2013年からYouTubeチャンネルで配信を始め、2015年春からは、毎週水曜夜に「花ズバっ!」というコーナーで、季節の花と活かし方を紹介してきた。

「テレビの園芸番組や園芸雑誌に書いてあることがすべてではなく、こんな新しいガーデニングの方法があるということを伝えたいと考え、動画配信を始めました。『花ズバっ!』を水曜日に決めて行うようになったのは、月曜に花の市場で買い付け、火曜日に動画の編集、水曜に動画を公開し、週末にレッスンを行うガーデンセンターで紹介したお花が買えるようにとのことからです」

動画をストックしていくことで、閲覧数は増えていった。

「開始1年後くらいからじわじわとファンが増え、いまではアップすると1日で500回くらい再生されます」

YouTubeチャンネルで、毎週水曜夜に「花ズバっ!」を更新している。チャンネル登録者数は1月末時点で約4,500人。86歳のファンの方がハマり、パケ死してしまったことも(その後プラン変更してパケット通信料を増やした)

 

[ライブ配信のメリットは?]→ 4サービス同時配信でファンと交流

YouTubeでファンを増やしてきた尾関さんは、2016年より寄せ植えレッスンをライブ配信するようになった。

「iPhoneで撮影するので、FacebookやYouTubeのアプリでライブ配信できるようになったことをきっかけに始めました。土日に勤務するガーデンセンターで手が空いたときに配信することが多いです。ライブでは、質問や応援メッセージ、スタンプなどお客様の反応がすぐにいただけるのが嬉しいです。作品をつくっているそばから、購入したいというオーダーが入ることもあります」

配信中にも、コメントに返事をするなどファンとコミュニケーションを取りながら進めていく。現在は、4つのサービスで同時にライブ配信を行なっている。

「あとはLINE LIVEとBASEライブかInstagramを使っていて、それぞれにお客様がついています。YouTubeでは手元を映しているので、スマホとタブレットで2つ見ている方もいます」

上はFacebook、左下がLINE LIVE、右下がBASEライブで、ページ冒頭がYouTubeのライブ配信画面。カメラの向こうのユーザーとマンツーマンで話す気持ちで語りかけるという

 

[撮影機材は?]→ スマホ・タブレットに100円グッズを駆使したアイデア

4つの同時撮影・配信はすべて一人で行い、こんな工夫によってシンプルかつ安価な機材で実現していた。

「iPhoneの買い替えに伴い配信サービスが増えました。現在使用中のiPhoneと一代前、二代前のiPhone、iPadを使っています。三脚に100円均一で購入した自撮り棒2本を結束バンドで留め、3台のiPhoneを固定し、音声も100円均一で購入したイヤホンマイク4本を束ねて、延長コードでそれぞれのデバイスに差しています」

動画を通して、尾関さんのファンは日本各地に広がった。

「生徒さんは3~4倍に増えました。園芸イベントへ行くと『いつも見ています』『人柄に惹かれました』などと声をかけられたり、福島や栃木、岡山など遠方から岐阜まで来てくれる生徒さんもいます。いまは40~60代のお客様が中心ですが、ライブ配信を続けていくことで、若い方にもお花の楽しさを伝えていけたらと思っています」

3台のiPhoneとiPadを用いた、4サービス同時ライブ配信の様子。束ねたイヤホンマイクは、風防のためボンボンで飾り胸に留めている
尾関純子
岐阜県各務原市で「花創人ガーデニング教室」として、自宅やガーデンセンターでのレッスンを開催している。プランツギャザリングと呼ばれる、つくった瞬間から美しく咲き3カ月楽しめる寄せ植えを行うことが特徴。20年以上のキャリアに基づく技術と、親しみやすいキャラクターで生徒の支持を集めている。
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