静的CMSの老舗ベンダーが教える真の顧客ニーズ 高いUXを実現し、長く選ばれ続ける理由とは

世界のWebサイトの2分の1がCMSを利用してつくられ、各CMSともトレンドや新しさを謳って、激しいシェア争いが続いています。そんな中、リリースから17年間ほぼユーザインターフェイスを変えることなく、12年間ほぼ解約されたことがないというCMSがあります。なぜそれまでに顧客に信頼され、安定したサービスを提供することができるのでしょう?その秘密に迫ります。
Photo:黒田彰

サイトで実現したい目的の大部分は静的CMSで十分

株式会社サイズの提供するCMS「Web Meister」 。W3Cのホスト機関である慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスに導入するために2004年に開発されました。その特徴はW3Cの理想とするWeb標準技術を採用し、同時に誰にでも使いやすいインターフェイスを備えていること。いわば老舗がつくる王道中の王道CMSです。しかし、Web Meisterを使いさえすればいい、というものではないと同社代表の糟谷博陸さんは言います。

Web Meister
https://www.web-meister.jp/

CMSに求められる機能を備えたWeb Meister

 

「極端に言えば、CMSがなくてもWebサイトは成立します。でもプロがきちんとサポートした上でCMSを導入し、クオリティを保ったまま自社で更新ができたら言うことないですよね」

(株)サイズでは「クライアントが本当に必要としているものを一番に考える」ことをモットーに、Webサイトの戦略立案から設計・制作・デザインなどすべての業務範囲をカバーし、100件以上のWebサイト構築の実績があります。

「お客さまの依頼に対して、弊社の製品が向いていないと思ったら、他のサービスを薦めることもあります」(同社クリエイティブディレクター・山本聰さん)

特に企業では、一度選ぶと3~7年はリプレイスできないのが一般的。その間にいかに安定したWeb配信とコンテンツのクオリティ向上が可能かを考えることが、もっとも基本かつ重要な課題だと同社は考えます。

「結果的にほとんどの課題は、静的CMSで解決できます」(糟谷さん)

動的CMSが今の潮流のように言われますが、個人情報を紐付ける「マイページ」が本当に必要なWebサイトはEC以外ほぼありません。ログインが必要なら、ログイン部分だけを別につくれば静的CMSで十分なのです。

 

そもそも“穴がない”静的CMSのセキュリティ

静的CMSの最大のメリットは、スピードとセキュリティにおける安定感です。特にページの多いサイトでは表示スピードが低下してユーザー評価が下がったり、アクセスが集中することでサーバダウンしたりする可能性もあります。

セキュリティ面でも、サーバにプログラムを置く動的CMSは攻撃の対象となりがちなのに対し、静的CMSではそもそも根本的に攻撃するための「穴」がありません。さらにWeb Meisterでは、社内の人的ミス対策としてページ単位やファイル単位での細やかな権限設定ができるようになっています。

「ファイルがサーバに上がるタイミングも重要です。Web Meisterでは公開される時に初めて画像やドキュメントがサーバに上がる仕組みで情報漏洩を防ぐことができます。特にIRなどの重要な情報を扱うのに欠かせない機能です」(山本さん)

Web Meisterが評価されるもうひとつの理由は、シングルページアプリケーションによるわかりやすいUIです。

「ログインさえしてもらえれば、あとは説明や研修をしなくても使っていただけています」(糟谷さん)

編集画面でページの状態を見ることができ、保存するとすぐに反映される使いやすさは、あらゆるリテラシーのユーザーが使う可能性のあるCMSでは大きな安心感につながります。

(株)サイズでは2年前からページ数の少ないユーザーのための廉価なプランも用意し、さらに2020年4月からは商用データベースがいらない、オープンソース・データベース版が販売されます。これによりSaaS型だけではなく、インストール型でも新規導入・リプレイスの相談がしやすくなり、企業それぞれの多様な課題・要望にさらに柔軟に応えられるようになるそうです。

Web Meisterが信頼される理由

 

Powered by Web Meister

 

公益財団法人 JKA
https://www.keirin-autorace.or.jp/
デジタルハリウッド
https://school.dhw.co.jp/
赤坂松葉屋
http://www.matsubaya.co.jp/
糟谷博陸さん(写真左)
株式会社サイズ 代表取締役/プロデューサー
山本聰さん(写真右)
株式会社サイズ 取締役/クリエイティブディレクター

企画協力:株式会社サイズ

Text:伊達千代

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