継続的な運営ができるチームを作ろう

[組織構築・運営1]

影響範囲の事前確認で失敗を防ぐ!

・他部署から動画なんてと怒られた…

・足を引っ張られているような気がする…

規模の大きな企業は特に要注意

動画施策を成功させるためにはもう一つ、重要な側面があります。それは「人」です。というのも、動画でマーケティングを行う際には、実に多くの人が関わることになるからです。そうした人たちの理解・協力を得て初めて動画施策はうまくいくのです。

企業規模が大きくなればなるほどその範囲は広がっていきます。例えば広告担当、Webマーケティング担当、SNS担当、Google Analytics(GA)などの計測担当、EC担当(場合によってはAmazon担当、楽天担当と細分化していることも)、さらには営業や実店舗の担当者が施策に関わることもあり、そこに動画の制作を担当する制作会社やWebの制作会社が関わってきます。

 

目的やターゲットを共有できているか

問題の一つは、そうしたすべての人たちに、情報がきちんと行き渡っているのかという問題。例えば動画を活用して計測をしたいのに、GA担当者に話が伝わっていなかったとか、SNS広告に動画を投稿するのに、肝心のSNS担当がその意図を理解していなかったとか、さらには実店舗を巻き込んだ動画施策を行うのに実施の直前になっても店舗の担当者に話が通っていなかったなどといったことが実際にあります。

動画施策の計画を進める際には誰がこの計画に関わることになるのか、その影響範囲はどこまで及ぶことになるのか、まずはその点を明確にすることです。その上で動画を利用する目的や狙い、施策実施する期間などについてしっかりと意思疎通をはかっておく必要があります。

 

[組織構築・運営2]

影響範囲の事前確認で失敗を防ぐ!

・後から動画の細部にNGが出まくった…

・判断の基準がぶれ、評価が割れる…

意思決定に携わる人も増えていく

マーケティングに動画を活用する際の「人」の重要性について、事前によく理解しておかなければいけないポイントがもう一つあります。それは関わる人が多くなる分、「意思決定に携わる人も増える」という点です。

例えば、モデルさんを使ったバナー用動画を展開するケースで、広告担当、Web担当、EC担当などとしっかり意思疎通を取りながらプロジェクトを進めたにも関わらず、撮影の直前になって、無関係だと思っていたブランド担当からモデルの雰囲気にNGが出てしまう、といったことがありえます。細かく言えば、机の上に置く小物や登場するモデルの服装、さらにはセリフの言い回しなども動画には映り込みます。それゆえに、問題になることがあります。

左ページでは、動画の影響範囲を明確にするというお話をしましたが、それぞれのセクションにおける意思決定のプロセスも整理しておく必要が生じるケースもありうるのです。

 

組織が分断しているケースも…

なぜこんな話をするのかというと、日本の組織の多くは、マーケティング一つをとっても組織が細分化されていることが多いのが実情です。しかも、分かれているだけならまだしも、分断が生じているケースすらあります。背景にはそれぞれ事情があるかと思いますが、こうした分断は代理店などの外部の人間には触れられないケースがほとんどです。誰かがリーダーシップをとって、そうした課題を解決していく必要があるのです。事前に課題を把握して対処しておくのがいいでしょう。なお、分断が大きな損失につながることに気づいた企業は、すでにマーケティング部門の一元化や、意思決定プロセスの整理整頓に手をつけています。

 

判断基準がぶれたらアウト

特に動画の効果を検証する際の判断基準の一元化には気を配りましょう。動画施策は、PDCAを回しながら、一歩ずつ進めていくものです。何をもって成功とするかという点がブレてしまうと、大きな成果を得る前に施策そのものが潰れてしまうこともあり得ます。その点を頭に置いて「人」についての課題に目を向けてください。

 

[組織構築・運営3]

プロジェクトをスタートさせる前に要点の最終確認を

・予算がないんだけど動画には挑戦してみたい…

・効果測定をどうすればいいかわからない…

予算が少ない場合の考え方

動画の企画から制作、運営を行う場合、仮にスモールスタートを計画した場合でも、予算が膨らんでしまうものです。すぐに予算の確保が難しいという場合には、例えば将来的な動画への転換を念頭に置きつつも、手持ちの写真素材などを活用してアニメーションを作成し、予算規模をさらに小さくしてスタートするのも一つの選択肢でしょう。そうした施策で効果の度合いを見ながら、少しずつ社内の理解を得て、いずれ動画に移行しようというわけです。動画を使った施策も通常のマーケティングの延長線上にあります。考え方を誤らなければ、そうした工夫も十分に可能でしょう。

PDCAを回すタイミング

ではPDCAサイクルはどのくらいの期間で回していけばいいのでしょうか。これは動画のタイプにもよりますが、例えばバナー広告で動画を活用するようなケースでは、2カ月から3カ月くらいに設定し、計画を進めるのがオススメです。当初のプランの仮定に対してどの程度の成果を上げられたのか、目的やターゲットの設定に問題はなかったのか、そして数値の達成度はどうだったのかといった部分の評価をした上で次のサイクルに進みましょう。

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