
[UXプロセス STEP2]01 ユーザーに会いその声に耳を傾けよう
もっとも力を入れるべき工程
Web制作やサービス構築などのプロジェクトというと、「エンジニアがコーディングをして、デザイナーがインターフェイスのデザインをすればよい」…そんなイメージをもっている方がいるとしたら、今すぐにあらためなければなりません。数え切れないほど多くのWebサイトやサービスが乱立している今の時代は、それを利用するユーザーときちんと向かい合ってつくられたサービスでなければ生き残ることはできません。そのために絶対に欠かせないのが、徹底したユーザー調査です。
どんな人たちがどんな目的で自分たちのWebサイトやサービスを利用するのか、そして、その人たちがどんな属性なのかを明らかにしていこうというわけです。
では、どんな調査をすればユーザーの姿を明らかにできるのでしょうか。ユーザー調査というと一般的にはアンケートのような「定量調査」と、個別のユーザーを深く調査する「定性調査」の2つの方法をあげることができます。それぞれ役割が異なり、前者は広く傾向を掴むために、後者はユーザーを深く知るために行われます。
どちらも重要なのですが、ユーザーに本当に使ってもらえるようなサービスをつくるためには、定性調査がより重要になります。
ユーザーの声を可視化し共有する
定性調査というと、実際のユーザー(もしくは将来的に自分たちのユーザーになるであろう人)に会って話を聞く「ユーザーインタビュー」がその代表的な手法です。ユーザーの潜在的なニーズを明らかにし、提供側である自分たちの決めつけや思い込みを見つけ出すための必須の方法だと言うとこができるでしょう。
ただし、ユーザーインタビューを行うだけでは意味がありません。その結果をしっかりと整理し、プロジェクトのメンバー全員で共有できるように「可視化」することが必要です。そのための手法としては「ペルソナ」の作成や「カスタマージャーニーマップ」の作成があげられます。
ペルソナはユーザーの「属性」を整理し明らかにするためのもので、カスタマージャーニーマップは、「行為」の部分を理解するためのものです。
これらユーザー調査は、プロジェクトの骨格をつくる作業ですから、時間をかけてでも、しっかりと取り組む必要があります。