
手間のかかるSNSマーケティング。本気で取り組むならツールが役立つ●特集「ECサイト、次に打つべき6つの施策」
SNSはCPAの低い優良集客施策
現在ECショップの数は増加の一途をたどっているが、その一方で「うまく集客ができない」「売れない」「広告費ばかりかかる」などといった事業者の声を聞く機会も増えた。ECサイトの集客には大きく分けて「オーガニック検索からの流入」と「リスティングなどの広告による流入」があるが、SEO対策やPPC(Pay Per Click)広告などの施策に多くのマーケティング予算がかかり、現場ではそれらに伴う雑多な業務が増えているというのが現実だ。
そんな中で、ここにきて成果を出しはじめているのがFacebook、Twitter、InstagramといったSNSを使ったマーケティングだ。ただし、このSNSマーケティングは、いつまでたっても成果が出ず、途中でやめてしまう事業者の多い取り組みでもある。本当に効果があるのか、そう感じている人も少なくないだろう。しかし、私が知る、あるアパレルショップの1年間のGoogle Analyticsの解析による計測結果(右上表参照)を見てみると、Adwords(google/cpc)の次がFacebookだということがわかるだろう。セッションについて見てみると、上位10件のマーケティング施策のうちの約12%にのぼる。さらに言うと、Facebook広告はセグメント分けがしっかりできるため、PPC広告と比較してCPA(顧客獲得一人あたりの支払額)が半分以下で済んでいるといった結果もある。ソーシャルメディアをうまく活用すれば、実際に「収益」という成果を上げることは可能なのである。

Adwords(google/cpc)の次、5位につけているのがFacebookだ。特に、セッションについて見てみると、上位10件のマーケティング施策のうちの約12%にのぼることがわかる
成功しているSNS集客の共通点
では、ファンの数が増え、投稿にも「いいね!」がつくようになり、コメントも増えてきたにもかかわらず、売り上げにつながっていないようなケースはどう考えればいいのだろうか。毎日、投稿して反応を見ているが、今後どうしていけばいいかわからないと感じている事業者も多いのではないかと思う。そこでここでは集客に成功しているSNSの共通点を3つ紹介しておきたい。現状と比較してみてほしい。
①ターゲットとファンが合致している
ターゲット、すなわち「ファンにしたい層」と「実際にファンになってくれている人(ページに反応してくれている人)」がずれていると、どんなに運営や投稿に工夫を凝らしても成功にはつながらない。また目的についても、ただ「いいね!」や「フォロワー」の数を目標にするだけではダメ。SNSをファンとの交流の場と認識し、ファンが望むような投稿を継続していくこと、さらにはそのファンに対応したサイト(売り場)づくりもポイントになる。
②画像に力を入れている
画像はSNSにとって最も重要なものと言っても過言ではない。成功しているSNSは、画像一つでどれだけのことが伝わるのかをよく理解している。最近スマホのカメラの画質は良くなってきたが、一眼レフカメラで撮ったものとは違う。そんな点にも力を注ぐべきだ。
③複数のSNSが連動している
ユーザーは情報取得、拡散を常に同じSNSで行うとは限らない。Facebookで行なわれているキャンペーンの内容をTwitterでつぶやき、その結果を全SNSにアップする、といった使い分けも増えている。また、最近人気のInstagramのように、情報拡散の仕組みがないSNSは他のSNSとの組み合わせが必須となる。
ところで、SNSの運営には大きな手間がかかるが、その手間を大幅に削減してくれるツールを使えばある程度効率的に運営することができる。複数のアカウントを一画面で管理でき、同時投稿や予約投稿が可能になるほか、ユーザーの動向を分析できたりもする。右に代表的なものを紹介しているので参考にしてほしい。ツールで余裕が生まれたら、ファンが集まるような投稿を継続していくことに力を注いでほしい。
- Text:松本順士
- Web・ECのコンサルティング、運営代行、サイト制作、広告事業を行う。ジャパンEコマースコンサルティング協会JECCICA理事。17歳からWeb業界一筋。大学在学中より数々のECサイトを運営し、レディースアパレルECサイトを4年で30億に成長させた実績がある。コンサルティング実績は現在1,000社を超え、さまざまな業種に対応