トリセツはいかにして共感を生むメディアになりうるか?!

取扱説明書や製品のマニュアル制作にかかわる業界団体、一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会が主催する「テクニカルコミュニケーションシンポジウム 2015」が、8月末、東京・新宿の工学院大学で2日間に渡って開催された。

本年度のTCシンポジウムのテーマは「共感のテクニカルコミュニケーション」。基調講演には「さとなお」こと、コミュニケーションディレクターの佐藤尚之氏を迎えた。佐藤氏は、二極化した情報化社会の現状を踏まえた「ファンベース」(=対象となるモノ・コトに対してすでに興味・関心の高い層)によるコミュニケーションの価値と、そこにおける「使用説明書」の重要性について講演。共感を得るための方法として「人となにが違うかではなく、なにが同じかを大切に考えること」「一般論ではなく自分語りをすること」などが重要になるとした。Web化が進むトリセツにおいて、非常に示唆に富む内容だったといえよう。

なお同シンポジウムは、10月7日から3日間の日程で京都でも開催される。東京開催とはプログラムは異なるため、詳細はWebサイトで確認してほしい。

●テクニカルコミュニケーションシンポジウム 2015

情報の「砂の一粒」時代におけるコミュニケーションについて語る佐藤尚之氏。今年5月発売の著書『明日のプランニング ー伝わらない時代の「伝わる」方法ー』は情報の発信者にとって非常に興味深い http://www.satonao.com/
会場では「日本マニュアルコンテスト2015」の結果も発表。写真右は電子マニュアル部門優良賞および最終審査委員特別賞、デザイン賞に選ばれた「MAZDA ROADSTER 電子取扱説明書」
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