
GIG岩上貴洋が語った、CMS選びの前に大切にしたい「クラフトマンシップ」とは?|CMS選定サミット2026

2026年8月28日、東京・銀座のマイナビPLACE 歌舞伎座タワーで、Web Designing主催のオフラインイベント「CMS選定サミット2026」が開催されました。当日は、「CMSというテーマで、これほど盛り上がりを見せるとは?」といった来場者から驚嘆の声が聞かれるほど、リアルイベントならではの熱気あふれる場となりました。
ここでは、基調講演ならびにトークセッションに登壇した株式会社GIG代表取締役の岩上貴洋さんへの、終演後インタビューをまとめています。来場者からの生の反応やネットワーキングでの交流を経て、岩上さんがつかんだ確かな手応えについて、話をうかがいました(本イベント全体をまとめたインベントレポートも公開中です)。
また、当日の来場者限定で配布した特別冊子「CMS選定ガイド2026」を、期間限定で電子版として無料公開中です。興味はあったけれど足を運べなかったという方は、CMSにまつわる最新トレンドやニーズ別のCMS選定のヒントをコンパクトにまとめた一冊を、いまなら以下のボタンもしくはバナーをクリックすると、無料でダウンロードいただけます!
※配布は予告なく終了する場合がございます。

目次
CMS選定は目的にあらず、「手段」でしかない!
──「CMS選定サミット2026」では、基調講演とトークセッションにご協力いただきました。ありがとうございます!
岩上 こちらこそ! 多くのみなさんにお会いできて、本当に嬉しかったです。
──改めて、サミットを通じてお伝えしたかったことについて、整理しておきたいです。
岩上 一番は「CMSとは、目的を達成するための、事業や情報発信を支える手段(仕組み)である」ということです。
CMS“選定”と言うと、機能や価格、セキュリティ、使いやすさといった製品比較の意識が強くなりがちです。気持ちはわかります、率直に気になりますから。
でも、私が約20年にわたって関わってきたWeb制作の現場で数多く見てきたのは、CMS導入後に待ち受けるプロジェクトの停滞、のほうです。いつのまにか、導入することが目的になってしまい、うまく進んでいかないケースですね。

──今のお話は、基調講演の前半で強調されていました。
岩上 CMSを選ぶ前に、「なぜCMSを導入する必要があるのか」という出発点(目的)があるはずです。そこを十分に考え抜いてほしい。そうすると、「誰が更新するのか」「誰が承認するのか」「担当者が異動・退職した後も運用できるのか」「障害や脆弱性の発生時に、誰が(自社? 制作会社? CMSベンダー?)対応するのか」「将来、別のCMSへ移行できるのか」といったことを、あらかじめ整理する必要性に気づくはずです。
──事前の整理ができてこそ、適切なCMSを選ぶ「次の段階」に移れるわけですね。
岩上 特に制作会社は、クライアントと伴走しながら「気づかせる」存在でありたいですよね。あと、もう1つ伝えたかったのが、制作会社の仕事を「構築して納品すること」だけで終わらせないこと、です。クライアントの状況にあわせて「何を選ぶか」「どう運用するか」「誰が責任を持つか」を的確に「判断」できることが、制作会社の価値だと思っています。
AI時代の「クラフトマンシップ」とは? 「つくる」だけで終わらないこと!
──基調講演では、制作会社に対するクラフトマンシップへの言及も、とても印象的でした。
岩上 制作会社にとって「いいものをつくる」というクラフトマンシップは、これからも重要だと考えています。AIやノーコードツールによって制作が効率化されると、「つくることの価値が下がっているのでは?」と悩んでいる制作者は、少なくないと思います。
現実は「つくる」技術が不要になるわけではありません。「何のためにつくるのか」「つくったものをどのように届け、どう育てるのか」までをきちんと考えることが求められています。
──「つくる」ことだけで満足していると通用しない、と?
岩上 はい。「いいものをつくる」とは、つくった後の運用や改善までも含めたあり方なのだと思います。
たとえ見た目がきれいで、技術的にも優れたWebサイトを制作しても、更新されず、必要な人に情報が届かず、事業成果にもつながらなければ、真の価値を提供したとはなりません。つまり、制作物そのものの品質だけでなく、CMSを選んだ理由を関係者が共有し、無理なく運用を続けられる体制を整え、公開後の改善にも継続的に関わっていくことが大事なのです。

「つくるが好き」を成果に。リアルな交流で確信したWeb業界の熱意
──後半のトークセッションでは、ミツエ―リンクスの藤田拓さんとご登壇いただきました。
岩上 業界の大先輩である藤田さんが、今も心から「つくること」を楽しんでいらっしゃる姿に接し、ご一緒できてとても嬉しかったです。長年にわたって業界の変化を見てこられた今もなお、技術にワクワクしながら試行錯誤を続けている姿勢に、私自身も大きな勇気をいただきました。

──その後に行われたネットワーキングにも、お付き合いいただきました。
岩上 交流した制作会社のみなさんからも、藤田さんに負けない熱量をヒシヒシと感じました。「いいものをつくりたい」「つくることが好き!」という思いが、表情や言葉、会場の空気から伝わってきました。こうした熱気を「直接」感じられるのが、リアルイベントならではですね。
──私たちも現場で体感できて、岩上さんをはじめ、みなさんに感謝です。
岩上 長年にわたり業界のトレンドを支えてきたWeb Designing主催のイベントだからこそ、業界のレジェンドのような方々と気軽に交流できたとも思っています。今回はシックス・アパートさんが別セッションで登壇されていましたが、代表取締役の平田大治さんもいらっしゃっていましたよね。私が学生だった頃から、ご活躍を目の当たりにしていた平田さんにも、期せずして(!)お会いできました。
──最後に、これからの制作会社やクリエイターがどうあってほしいか? メッセージをお願いします!
岩上 制作会社が培ってきた技術やクラフトマンシップを、業界内だけで評価される“技術的なこだわり”で終わらせたくはありません。クリエイターの仕事の価値を、より社会に伝わる形にしていきたいですよね。クライアントの課題解決や事業への価値提供が、その一歩になります。今回の交流を通じて、その思いを改めて強くしました。
──岩上さん、このたびは本当にありがとうございました!
終演後インタビューを終えて
岩上貴洋さんと言えば、LIG時代の、スーツ姿で砂浜に埋まっている“あの”写真の印象深さが、まだ私の中に色濃くあります。編集部内で、随分な衝撃(!)を感じながら見た記憶が残っています。あれから10年以上の年月を重ね、さまざまな現場(修羅場?!)を乗り越えてきた岩上さんをWeb Designingのイベントにお招きできて、改めて嬉しく思っています。
岩上さんをはじめ、長きにわたり業界の最前線で奮闘しているみなさんには、実務を通して得られた貴重な経験をお持ちです。直接ご来場いただけなかったみなさんも、全体をまとめたイベントレポートや上記の内容を通じて、日頃の業務への刺激やヒントにつながってくれれば、と願っています!
取材・文:Web Designing編集部 写真:黒田彰
※当日の来場者限定で配布した特別冊子「CMS選定ガイド2026」を、いまなら期間限定で電子版として無料公開中です(配布は予告なく終了する場合がございます)。
