【イベントレポート】MTDDC Meetup TOHOKU 2025|CMSは誰のためにあるのか? 東北で考えた選定と運用のリアル

こんにちは! CMS「Movable Type」シリーズを開発・提供しているシックス・アパートの筒井楓です。

私は2025年6月に入社し、現在はマーケティングを担当しています。IT業界は未経験ですが、前職で「Movable Type クラウド版」を使ってWebサイトを運用していた経験があり、それがシックス・アパートへの入社のきっかけになりました。

さて、2025年7月26日(土)、宮城県仙台市のTKPガーデンシティ仙台にて、開発者・デザイナー向けのカンファレンス「MTDDC Meetup TOHOKU 2025」が開催されました。シックス・アパートもスポンサーとしてブースを出展し、私自身も初めてスタッフとして参加してきました。

シックス・アパートのブースでは『トフでもできる!?テーマ開発BOOK』やアクキーなどのノベルティを配布

ここでは、シックス・アパートが登壇したセッションの様子をはじめ、当日行われたさまざまなCMS関連セッションを通して、私自身が新人マーケターとして感じたこと・考えたことをまとめてみたいと思います。

目次

「MTDDC Meetup」とは?

「MTDDC(Movable Type Developers & Designers Conference) Meetup」は、Movable Typeのユーザーコミュニティが主催する、開発者やデザイナー向けのカンファレンスです。2010年の福島開催を皮切りに、これまで北海道から九州まで、全国各地で開催されてきました。

今回の「MTDDC Meetup TOHOKU 2025」では、「CMSが集まる場所」をテーマに、各CMSの最新動向に精通した有識者によるトークセッションが多数行われました。

本イベントはMovable Typeを中心としたコミュニティイベントではありますが、今回はWordPress、Movable Type、a-blog cms、Kuroco、Drupal、Concrete CMS、Wix、ジンドゥー、baserCMSの計9種のCMSが集結。それぞれの特長や活用例を一度に学べる、非常に貴重な機会となりました。

CMSのはじまりと現在地、そして未来

イベントは、シックス・アパート代表・平田大治による基調講演「WebCMS 概観」からスタートしました。「そもそもCMSとは何なのか?」という根本的な問いを入り口に、CMSの役割をあらためて見つめ直し、その普及の背景や今後の展望について解説しました。

シックス・アパート代表・平田大治による基調講演の様子

講演の終盤では、AI技術のWeb制作への浸透がもたらす課題にも言及。「誰のためのWeb制作なのか?」という問いを投げかけながら、AIによる省力化・自動化が進む今だからこそ、コンテンツの質の重要性が一層高まることを強調していました。

Movable Typeシリーズを一挙ご紹介!

Movable Typeのセッションでは、プロダクトマネージャーの早瀬将一が「多様なニーズに応えるMovable Typeラインナップ 全紹介」と題し、各製品を駆け足で紹介しました。

SaaS型CMSの「MovableType.net」をはじめ、「Movable Type ソフトウェア版」「クラウド版」「AMI版」、さらには「MovableType.net フォーム」や「MovableType.net サイトサーチ」まで、豊富なラインナップを事例とともに紹介。限られた時間の中で、それぞれの概要をわかりやすく解説しました。

なかでも多く寄せられる「Movable TypeとMovableType.netの違いは?」「どちらを選べばよいのか?」といった疑問に対しては、それぞれの特長を踏まえた使い分けのポイントも丁寧に紹介され、来場者の関心を集めていました。

「CMS選定に唯一の正解はない」

そのほかのトークセッションでも、各CMSベンダーとWeb制作会社が登壇し、それぞれのCMSの強みや事例を紹介しました。

私はすべてのセッションに参加したのですが、登壇者全員に共通していたのが、「CMS選定において、すべての用途に当てはまる唯一の正解はない」という認識でした。サイトの目的や規模、要件によって、最適なCMSは異なります。構築時の効率だけでなく、その後のクライアントによる運用コストや保守体制まで含めて選定する重要性を、あらためて実感しました。

中でも印象に残ったのは、北海道札幌市のWeb制作会社・株式会社HAMWORKSの代表、長谷川広武さんによるセッション「制作会社こそ知るべき今のWordPress構築方法」です。

長谷川さんは、従来のWordPress開発フローがクライアントの運用面に十分配慮できていないという課題を指摘。静的HTMLからテーマを作成するのではなく、theme.jsonを活用してスタイルなどを定義し、ブロックエディターを使った「クライアント専用のノーコードツール」を構築するという提案が、とても印象的でした。

Studio、Wix、ジンドゥーなど、ノーコードCMSの選択肢が増えている中で、WordPressというオープンなプラットフォームをベースに、クライアントごとに最適化されたノーコード環境を構築するという発想に共感しました。というのも、シックス・アパートが提供するCMSにも、同様にノーコード編集環境を構築できる機能が備わっているからです。

MovableType.net にもこんな便利な機能が……

実は、シックス・アパートのSaaS型CMS「MovableType.net」にも、HTMLなどで作成されたデザインテンプレートの一部を、ノーコードで編集できる「かんたんデザイン編集」という機能が搭載されています。

この機能は、Web制作者があらかじめテンプレート内に専用のタグを実装しておくことで、運用担当者がプログラミングの知識なしでも直感的に編集できるようにするものです。運用のしやすさと開発効率の両立が可能で、制作会社とエンドユーザーの双方から高く評価いただいています。

さらに、「かんたんデザイン編集」機能を活用すれば、クライアントごとにノーコード編集環境をオーダーメイドで設計できるだけでなく、業界・業種別や用途別に最適化したテンプレートをあらかじめ用意し、他の案件へ応用することも可能です。これにより、Webサイト制作の工数削減や効率化が期待できます。

「かんたんデザイン編集」を活用して、クライアントも制作会社もハッピーになれるWebサイト制作を目指してみませんか? 「かんたんデザイン編集」の詳細は、こちらのページをご覧ください。

目指しているものは、実は、みんな同じ

CMS選定は、単なる技術的な選択にとどまりません。重要なのは、「Webサイトを通じてどのようなビジネス目標を達成するのか」というお客様の課題に対して、CMSの選定や構築の面から最適なアプローチで貢献することです。

根底にある「お客様のビジネス成長を支援する」という目的はどのCMSでも共通しており、異なるのはそのアプローチや設計思想にすぎない––––––今回の「MTDDC Meetup TOHOKU 2025」への参加を通して、あらためてそう実感しました。

Web制作の奥深さと、クライアントのビジネスに寄り添う姿勢の大切さを学ぶ、非常に貴重な機会となりました。すべてのセッションをご紹介することはできませんでしたが、本記事が皆さまのCMS選定やWebサイト運営のヒントとなれば幸いです。

なお、2025年11月には、東京でMovable Typeコミュニティによる「MTDDC Meetup TOKYO 2025」の開催も予定されています。この記事を読んでCMSにご興味を持っていただけた方は、ぜひ足を運んでみてください。

文/写真・筒井楓(シックス・アパート)

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