《連載:Webクリエイターの“偏愛”仕事道具 Vol.1》ワヴデザイン・松本龍彦|第4話 合理的な空間に「遊び」をつくるサイドテーブル

仕事で使う道具には、その人の思考や美意識、そして働き方が自然と表れます。本企画では、日々の仕事を支える「道具」を入り口に、Webクリエイターのスタイルをひもといていきます。
初回に登場するのは、ワヴデザインCEOでクリエイティブディレクターの松本龍彦さん。選び抜かれた道具の背景から、いまの仕事観に迫ります。
プロフィール

松本 龍彦 さん
Wab Design INC. CEO / Creative Director
ショップスタッフ、デザインプロダクション、アパレルのグラフィックデザイナーを経て2003年に独立。2006年ワヴデザイン株式会社を設立。衣食住の分野に豊富な知識と実績をもつ。ストラテジー、デジタル・アナログを問わないクリエイティブ、ビジネスとのバランスの取れたプランニングを得意とする。主な受賞にグッドデザイン賞など。
https://wab.cc
松本さんの仕事道具④|Jasper Morrison コルク ファミリー

コルク ファミリー モデル A
発売:Vitra
価格:72,600円(編集部調べ)
URL:https://store.vitra.co.jp/products/cork-family-model-a
合理的な空間に、あえて「遊び」を置く
松本さんの仕事場は、無印良品のシェルフや白い壁を基調とした、比較的シンプルな構成になっています。ただし、すべてを機能性や合理性だけで固めてしまうと、どこか息苦しさを感じてしまうといいます。
「合理的に整えすぎると、逆に余裕のない空間になってしまう気がするんです」(松本)
そこで取り入れたのが、このサイドテーブルでした。素材はコルク。柔らかな質感と、少しとぼけたようなフォルムに惹かれたといいます。
「部屋にひとつ置くだけで、空気が変わる感じがありました。いかにもデザイナーズ家具、という主張が強すぎないところも気に入っています」(松本)
多目的に使い倒せる、コルク素材の魅力
このサイドテーブルの使い方は、かなりラフです。仕事中はカバンや資料、飲み物を置く場所として使われています。
「テーブルとしては、正直“ちょっと物が置ける”程度。でも、それで十分だと思っています」(松本)
コルク素材のため、多少雑に物を置いても衝撃が気になりにくく、触れたときの感触もやさしい。ときには簡単な踏み台代わりに使うこともあるそうです。
「決まった用途を与えず、そのときどきで役割が変わる。その曖昧さこそが、一番の使いやすさかもしれません」(松本)
「自分なりの納得感」を育てる物選び
松本さんは、衝動的に物を買うことはほとんどないといいます。このテーブルも、購入前には部屋との相性や使い方をじっくりと考えたそう。
「あとから“別の選択のほうがよかったかも”と思うのが嫌なんです。だから、自分の価値観に照らして納得できるまで考えます」(松本)
誰かにとっての正解ではなく、自分にとって心地よいかどうか。その判断軸は一貫しています。
「最新のテクノロジーを使いながら、同時にこうした素朴で普遍的な素材にも惹かれる。その両方が同じ空間にあることで、自分らしい仕事のリズムが生まれている気がしますね」(松本)
《Vol.5》に続く
取材・文:小平淳一
