嗚呼、今日も仕事が進まない

社内で抱える課題編

プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトを円滑に進めるために必要な管理方法のこと。裏を返せば、プロジェクトマネジメントがしっかり運用できていないと、物事が円滑に進まずトラブル続きになってしまいます。

企業の中では、常に複数のプロジェクトが並行して動いているのが当たり前。スケジュールも関わるスタッフもそれぞれの案件で異なります。そうした状況でプロジェクトマネジメントが行われていないと、ちょっとしたトラブルで現場が混乱し、納期がずれ込んでいき、見通しがどんどん不透明になっていきます。

ここでは、Web制作会社を例に、プロジェクトマネジメント未導入によるトラブル例を掲載しました。思い当たる節がある人は、ぜひ本特集を読み進めてみてください。

 

[CASE1]気がつくとスケジュールが遅れている

「何日までにワイヤーフレームを決めて、何日までにデザインを校了、何日にテストアップ…」と、案件が走り出すときには毎回スケジュールを立てています。それなのに、気がつくといつも予定が遅れてしまいます…。ギリギリで慌ててデザインを仕上げても、そのあとの修正が山盛りで後工程に影響が出てしまって結局間に合わなかったり…。実はどの案件も似たような状況で、社内はいつもバタバタ、スタッフはアップアップです。なんでこんな状況になってしまうんでしょう…。

 

[CASE2]やるべきタスクが多すぎて覚えきれない

ディレクターも営業もタスクがいっぱいありすぎて、プロジェクトの進行管理がままなりません。A社には見積もりを提出しなきゃいけないし、B社にはWeb広告のシミュレーションを提出。C社には新商品のヒアリングが必要だし、気がつくとD社の初稿デザイン提出日が過ぎていたり…。一方、デザイナーもバタバタで、細かな修正やパーツの作成が突然舞い込んできます。言われるがままに対応していると、本来やるべきタスクが進まないまま時間だけが過ぎ去っていってしまいます。

 

[CASE3]大忙しのはずなのに手が空いてる

ディレクターもデザイナーも大忙しで鬼気迫る表情で働いているのに、コーディング部署は暇を持て余して、日中はおしゃべりばかりしています。デザインが校了していないためコーディングを着手できない状況なのですが、この事態、事前に回避することは不可能だったのでしょうか…。コーディングのスタッフは定時になったらいつもサッと退社してしまうので、デザイナーのストレスも溜まっています。社内に不公平感が溢れかえって、最近は人間関係もギスギスしてきました。

 

 

社外も含めた課題編

プロジェクトマネジメントというと、主に会社内だけの管理だと考えがちです。しかし、プロジェクトを着実にゴールへと導くためには、自社内の調整・管理だけでは足りないケースもあります。クライアントや協力会社も含めて、1つのチームとして考えられるようになるのが理想的です。

そのためには、関わるスタッフ全員でスケジュールを共有し、そのスケジュール通りに進めていこうという意識が大切。確認のタイミングをクライアント任せにして伸ばし伸ばしになっていくのではなく、しっかりスケジュール感を伝えて確認してもらうことが必要です。また、そのためには、最初から余裕を持った確認日程の確保も重要。社内のオペレーションばかりを重視したタイトなスケジュールにしないよう注意しましょう。

クライアントだけでなく、外部の協力会社にも同じことがいえます。外部の会社には情報を断片的に伝えてしまいがちですが、1つのプロジェクトを成し遂げるチームと考え、しっかり全体像を伝えるよう心がけましょう。

 

[CASE1]取引先の担当者の立場がわからない

新規のお客様からWebサイトのリニューアル依頼が。広報担当者や役員など、たくさんのスタッフと打ち合わせをし、その数日後に見積書と一緒にリニューアル案を提出しました。ところが、いつまで経っても返事がきません。窓口の広報担当者に電話で確認したところ、「部長か副社長か、どこかで止まってしまったと思うんですけど…」とよくわからない返事。内容や決済の決定権が誰にあるのかが見えてこないのですが、これから無事に進めて行けるか不安になってきました。

 

[CASE2]会うたびに話が変わる

Webサイトの初稿デザインを確認してもらったところ、最初のヒアリングのときとまったく違う意見が出てきました。後日、その意見を反映した修正デザインを持っていくと「やっぱりそのページは必要ありません」と言われる始末。結局、いつまで経ってもデザインが校了にならず、Webサイトのオープン予定は伸びる一方です。お客様は「じっくりいいものをつくりたい」と言っているけれど、こっちは公開しないと売り上げになりません。一体、いつになったら公開にこぎつけられるのやら…。

 

[CASE3]協力会社が約束を守らない

外部の開発会社と連携してWebアプリケーションを制作する案件。10日にテストアップと伝えたはずなのに、開発会社がまったく約束を守ってくれません。事前の断りがなく遅れるし、上がってきたプログラムはボロボロ。仕様どおりになっていない部分の修正を依頼すると「すでに他の案件で忙しいので手が付けられない」との返事…。もう二度と頼まないぞ!と心に誓いましたが、とりあえずこの案件をどう処理すべきでしょうか。遅延は確定なのですが、リカバーするための見通しがつきません…。

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