【コラム】あの雰囲気を、どうにかする方法

コロナ禍でオンラインイベントやウェビナーが劇的に増えました。私も最近では学生向けのオンラインワークショップや、「UX MILK」のオンラインイベントなどを主催しており、その難しさに日々悩んでおります。

なかでも大きな課題となっているのは、「なんとも言えない気まずい雰囲気」です。オンラインの場づくりはリアルとは全く別物で、いろいろと試行錯誤しています。そこで今回は、オンラインイベントの雰囲気づくりにおいて「これだけはやっておくべき!」と思われる3つのことについて、ご紹介します。

まず、1つ目は「イベントはきちんと段取る」こと。段取りの悪さ、だらしなさはリアルイベント以上に目立ちます。参加者の多くはそれぞれの環境でリラックスして臨んでいる分、運営の様子を冷静な目で見ています。そのため、私が心がけているのは、最低限のファシリテーションとタイムキープです。

今は何の時間で、参加者はどうすべきかを案内して、提示した時間通りに進行すること。時間が読めない場合は十分にバッファを設け、特に終わりの時間はきっちりと守るようにしましょう。その後の予定がある人もいますし、終わりがグダグダだと嫌な空気が生まれてしまうので注意が必要です。

2つ目は「お作法・ルールを明示する」こと。オンラインイベントで最も気まずいのは、参加者が集合するタイミングです。たとえばZoomで行われるウェビナーなど、参加者が入ってきた時の「何すればいいかわからない感」ってすごいですよね。

この戸惑いの正体の一つに、コミュニティごとの雰囲気やローカルルールの存在があると思っています。それ自体が悪いのではなく、その雰囲気やルールが明かされないまま進むと、必ずや身内ノリになってしまい、結果として参加者は戸惑いを覚えるものです。

私の場合、まずは入ってきてくれた人に挨拶をし、今はまだ準備中で何時から始まるよ、だとか、本編ではこういうことが起こるからそのための準備をしておいてね、などと参加者が置いていかれないような声がけを心掛けています。もしイベントでやってほしいこと、やってほしくないこと等があれば、始まるまでに繰り返しアナウンスするといいでしょう。

3つ目は、イベント開始前の案内がてら「軽いアイスブレイクを織り交ぜる」ことです。アイスブレイクというと、会が始まってから改めて時間を取ることも多いですが、人が集まり始めた時間を活用して、場を温めるようにしています。たとえばチャット機能を使ってほしければ、その説明がてら参加者に試し書きをしてもらうだけでもアイスブレイクになります。

「皆さん今日はどこからつないでますか? チャットしてみてください」と尋ねてみたり、飲み物を用意してくださいねといった流れで「皆さんの持っているドリンクを書いてください」と促してチャットが盛り上がったこともあります。最初は絵文字のみでも、「8888」と拍手させるだけでも違います。大事なのは、参加者がなんらかのアクションを取るタイミングを用意してあげる、ということかと思います。

オンラインの雰囲気づくりというのは、必ずしも参加者全員のカメラとマイクがONでないとつくりだせないわけではありません。テキストチャットが活発になり、それを参加者が確認できる状態でも、十分に和んでいくものです。

逆に、全員が同じタイミングで声を上げて笑うことが、必ずしもオンラインの盛り上がりを意味するとも限らないあたり、まだまだ、方法や考え方がありそうです。

オンラインでのイベント開催も増えてきて、自宅のデスクが着々と配信スタジオ化しています。機材やイベントの配信方法については、先日はじめて投稿したnoteにまとめてあるので、興味のある方はぜひご覧ください!
ナビゲーター:三瓶亮
株式会社フライング・ペンギンズにて新規事業開発とブランド/コンテンツ戦略を担当。
また、北欧のデザインカンファレンス「Design Matters Tokyo」も主宰。前職の株式会社メンバーズでは
「UX MILK」を立ち上げ、国内最大のUXデザインコミュニティへと育てる。ゲームとパンクロックが好き。

個人サイト: https://brainmosh.com Twitter @3mp

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