すべての業種にスマホファーストのサイト運営が求められる3つの理由●特集「スマホ最適化」

スマホ利用者の増加に伴い、スマホサイト対応が求められているということは、ここ何年も言われているのでご存じの方も多いだろう。近年のスマホシフトの流れには、さらに3つの重要な特徴がある。当社(ニールセン)保有のデータからそれらを裏付けつつ、これからのスマホ対応について考えてみよう。

 

①さまざまなサービスでスマホシフトが加速

スマホからのインターネット利用者数は継続して増加していて、2015年6月に4,934万人に達し、PCからの利用者数4,986万人にほぼ並んだ。サービスごとに比較すると、当社分類による14種類のサービスカテゴリーのうち、13種のカテゴリーでスマホからの利用者数がPCを上回っていることがわかる(01)。2014年2月時点の同様の調査では、スマホからの利用者がPCを上回っていたのは8カテゴリーであった。それを考えると、1年数カ月の間にスマホシフトが加速したことがわかる。

 

②ほぼ毎日スマホを利用する人はPCの2倍

ほぼ毎日インターネットを利用するデバイスに注目すると、家庭のPCからの利用は2,165万人であるのに対し、スマホからの利用はPCの約2倍である3,996万人となっている(02)。私たちの生活の中にスマホは深く浸透していて、何か情報を調べようとしたときに、まず最初に利用される可能性が高いといえる。

 

 

③10代のインターネット利用者の約半数は、スマホのみで利用

インターネット利用者全体のうち、スマホのみでインターネットを利用している人は24%(約1,700万人)であり、インターネット利用者の4人に1人は、スマホしか利用していない。年代別のデータを見ると、特に10代はインターネット利用者の45%がスマホのみで利用している(03)。20~40代でも、30%以上の人がスマホのみでインターネットを利用しているというわけだ。

検索やSNS、メールなど、Webサイトへの流入元となるサービスもスマホシフトしているため、初めてそのサイトにアクセスするのがスマホからという人も多くなっている。もしそのとき、サイトがスマホ対応していなかったら、「スマホでは利用しにくいので、PCから利用しなおそう」と思ってくれる人がどれだけいるだろうか。そもそも、PCは利用せずに、スマホだけでネットを利用しているという人が4人に1人いるため、これらの人が競合に流れていく可能性は非常に高い。すでに「自社サイトはまだPCからの利用者数がスマホよりも多いから対応しなくても良い」とはいえない状況である。スマホを入り口としてネットが利用される現在は、すべての企業が、スマホファーストの意識で対応していく必要があるのだ。

Text:高木史朗
二ールセン(株)

セールス&アナリティクス シニアアナリスト

Database Marketing/CRM支援ベンチャー企業を経て、2011年ネットレイティングス(現ニールセン)入社。アナリストとしてECサイトやブランドサイト、動画などのエンターテインメントコンテンツの利用動向を中心に、インターネットの視聴者行動分析業務に従事。https://www.netratings.co.jp/

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