
コンテンツマーケティングの実践:戦略の立て方と評価の方法(1/3)●特集「コンテンツマーケティング」
ゴール設定のポイント
コンテンツマーケティングを始める際に、最初に考えなければいけないのがゴール設定だ。だが、その前にコンテンツマーケティングが担う大きな二つのミッションを確認しておこう。

一つは「見込み顧客を集め、購買への説得をすること」。もう一つは「顧客との長期的なつながりを維持すること」。コンテンツマーケティングは潜在客、見込み客、顧客とのコミュニケーションを図り、信頼関係を築くことが主な目的のため、短期的な広告キャンペーンと同じような効果を求めてゴールを設定すると、大きく道を外すことになる。
そして、ゴール設定と同時に考えなければならないのが、「目標」「状況分析」「戦略」「戦術」「検証・最適化」の五つのタスクだ。
「目標」は、KGIを設定する際に、誰を顧客にし、どのようにして顧客獲得と維持をしていくのか、何をもって顧客満足度を測るか、提供できる付加価値は何か、予算はいくらか、費用対効果は適切か、といったタスクをあらかじめ明確にしておくこと。
「状況分析」は、KGIから導き出されるKPIの設定、顧客インサイト、業界のトレンド調査、競合分析、社内リソースの確保など。
「戦略」は、顧客分類、ペルソナ設定、ポジショニングマップ、ツールの選定など、「戦術」を考えるうえで必要な全体的な方針となる骨組みを決めていく。
「戦術」は、「戦略」に基づいて具体的に配信するコンテンツの企画立案および制作、また顧客との対話(ソーシャルメディア、問い合わせなど)、誰とどのようにしてコンタクトするかを計画すること。
検証・最適化」は、KPIの検証、Web解析、UXレビュー、対話の最適化、レポートなど、他の四つのタスクを振り返り、検証・最適化を図ることだ。
ゴールを見失わないためのSMARTゴール法
コンテンツマーケティングは短期的に結果を求められるキャンペーンやプロモーション施策に比べて、中長期の視点に立ってはじめて効果が発揮される施策だ。それゆえに途中で方向性がブレないように、できるだけ具体的にゴール設定をする必要がある。
そこで役に立つのが、「SMARTゴール」という考え方だ。

プロジェクトを進めるにあたって、関わる人が多ければ多いほど、プロジェクトの規模が大きくなるほど、ゴールに向かう過程でゴールを見失ったり、スタッフ間での齟齬が必ず起きるもの。そんなとき、誰もが共通認識を持って定量的評価ができるSMARTゴールを設定することが、プロジェクトを成功させるカギを握る。
コンテンツマーケティングにおけるゴール設定は、費用対効果との闘いでもある。できることはすべて達成したいと欲張るとかえって軸がブレて迷走し、無駄な出費を増やすだけだ。同じ数値目標でもその意図と狙いによって、「目標」「状況分析」「戦略」「戦術」「検証・最適化」の注力すべきことも変わってくる。

例えば、上の図のようにオウンドメディアを立ち上げるとしても、目標とゴールによって、作るべきコンテンツはかわってくる。
自分たちの予算・体力・狙いによって、そのプロセスで選ぶ手段が変わってくることを忘れないでほしい。