[IoT:DriveOn]1万円のデバイスとアプリで自動車産業に切り込む

SmartDrive専用アプリ「DriveOn」の画面。デバイスから取得した情報でドライバーの運転診断をしたり自動車のメンテナンス情報などを知らせる

 

人間の活動をサポートするようなIoTサービスが生まれつつあるが、そういうサービスを作る際、モノを「何と」繋げるかという視点がとても重要になる。ただインターネットにつながっていればいいのではなく、モノを他のサービスに繋げることにより、より大きな価値を生み出すことがIoTサービスの醍醐味であり、それを実現できたものこそが生き残るのである。

今回紹介するのは、(株)スマートドライブの「DriveOn」という自動車のIoTサービスだ。SmartDriveデバイスを車のOBD-IIコネクタ※に接続することにより、急加速や急ブレーキ、アイドリング時間、エンジン異常などのデータを取得し、それをスマートフォンのアプリ上で可視化し、さらには独自の運転診断アルゴリズムに基づいてスコア化していく。急ブレーキ、急加速、アイドリングが主な減点対象となっていて、とくに減点判定がなかった場合は優良ドライバーとして相応のポイントが付与される。

これによりDriveOnは運転者の安全かつ効率的な運転をサポートしてくれるのである。そしてそれだけでなく、DriveOnはインターネットを経由してさまざまなサービスとつながることを予定しているようなのだ。たとえば保険会社と連携し、運転手の資質に応じた保険の割引サービスの提供、いわゆるテレマティクス保険への適用を考えているように思われる。それだけでなく、ガソリンスタンドやディーラーなど、さまざまな周辺サービスとつながることにより、カーライフ全体をサポートする一大ソリューションになりうるのだ。

そんなどデカすぎる絵を、大手自動車メーカーでなく小さなスタートアップが描き、その中心を取ろうと勝負かけてきている(に違いない!)のは、見ていて本当にワクワクする。

 

※自動車に搭載された故障診断機能の標準規格。国土交通省は2008年10月より乗用車と小型トラックへのOBD-II(On Board Diagnosis)の搭載を義務化した。

 

【IoT】DriveOn

 

SmartDriveデバイス(予定価格9,800円)。自動車のOBD-IIコネクタに接続して、Bluetooth通信でスマートフォンに取得した情報を送信する。現在は「Makuake」で購入可能。一般販売は2016年2月を予定している

 

ナビゲーター:神谷憲司
Creative Director/Creative Technologist (株)WHITE 代表取締役。(株)スパイスボックスで「プロトタイピングラボWHITE」を立ち上げた後、今年4月にはIoT企画会社となる(株)WHITEを設立。文化庁メディア芸術祭グランプリ、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル銅賞など、国内外の広告賞受賞歴多数。 http://255255255.com/
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