[Webサービス:Meduim]上質な表現の「場」

「Medium」というサービスをご存じだろうか?高級な上質紙にずっしりとした万年筆をスルスルと滑らせているような、そんな感覚をWeb上で体験できるブログの進化版サービスだ。

そもそもMediumをつくったEvan Williamsが「ブログ」という言葉を産んだ張本人で、彼はシリアルアントレプレナーのキャリアを通じて、ずっと「人間の表現の自由を強化する」ことに注力している。Blogger(後にGoogleに買収された)からはじまり、Twitter、 Mediumと、人類の個々人が大資本メディアに頼らずとも個々の思想を発信できるようにして、世の中のパワーバランスを大きく塗り替えてきた。ある意味、AirbnbやUber、AIやロボットなんかよりも遥かに人類の「ソフト」面の進化に寄与しているのではないかと思う。

人の表現の場はどんどん増えて、画像、動画、その先はもしかしたら3D動画‥‥と発展していくことだろう。けれども、ていねいな考察を含んだ、人に長期的に影響を与える上質なストーリーを生成して拡大再生産し続けられるメディアという意味で、Mediumは稀有な存在だ。

そしてEvan Williamsがスゴいのは、彼がキャリアを通じて生み出したサービスが、乱暴にいうと基本的にはすべて一緒ということだ。BloggerもTwitterもMediumも、テキスト中心に自分のアイデアをパブリッシュする、それだけだ。それを、時代の変化や使われるデバイスに合わせて、キレイにUIやUXを進化させている。そのUIがことごとくその後のトレンドをセッティングしていっているのは偶然ではない。BloggerもTwitterもMediumも、おそらく世界で数千を越えるクローンサイトを生み出し、Mediumに至ってはその編集UIが至るところで採用されつつある。彼が手がけるMedium以降のプロダクトも、目が離せない。

 

【Web Service】Medium

 

Mediumは、独自の視点を持った読み手や書き手のための「上質な」ブログサービスだ。メインページには、スタッフが選んだ記事や人気の投稿が上位に表示される。ブログ内の文章をハイライトしてコメントを残したり(記事の横に表示される)、Twitterでシェアしたりできるなど、「記事の内容」が主役である。公式な日本語専用パブリケーション(投稿ページ)も提供されている。10月に2回目の資金調達に成功したところだ
ナビゲーター:仲暁子
Chief Executive Officer/Founder 1984年生まれ。京都大学経済学部卒業後、ゴールドマン・サックス証券に入社。退職後、Facebook Japanに初期メンバーとして参画。2010年9月、現ウォンテッドリーを設立し、企業と個人をビジョンでマッチングするビジネスSNS「Wantedly」を開発。2012年2月にサービスを公式リリース。https://www.wantedly.com/
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