リアル店舗3社の事例から学ぶ「エンゲージメントづくり」の王道パターン●特集「リピーター&ファンを生む新法則」

 

「エンゲージメント」の構築に欠かせないものとは? もし皆さんがこう質問されたら、何と答えるでしょうか? 実はお客様と従業員が企業に深い愛着を持ち、業績良好な企業にはある共通項があります。それは、下の4つの法則のいずれかをしっかりと押さえていることがあげられます。

 

エンゲージメント力の高い3つの店舗を例にしながら、解説していきましょう。

 

 

①に該当するのが、直営洋菓子店「シャトレーゼ」。小売の卸の現場にある値下げ要請やコンペなど利益優先のやり方では、「良い商品をつくりたい」という志の実現が難しいと考え、創業者が自社生産・直営販売に方向を転換。「売りに行く」のではなく「買いに来てもらえる」店を実践しています。そして②に該当するのが、北関東で60店舗以上を展開する和食レストランチェーン「ばんどう太郎」。同チェーンでは「お客様が喜べば非効率でも構わない」という社長の考えから、精米を店内で行い、そのぬかを使って漬物をつくる手作業をオープンキッチンで公開するなど、家族に寄り添い、3世代が満足できる居心地のいい店づくりを追求しています。

 

 

③のコスト削減の例もシャトレーゼがあてはまり、同社では宣伝広告を行わず、商品の質を高めることに注力して、お客様の支持を得ています。④に当てはまるのが東京・JR大森駅すぐにある「ダイシン百貨店」。地域密着型百貨店の同社では主力顧客であるシニア層のために、弁当の配達が安否確認を兼ねていたり、無料送迎バスを運行しています。

 

 

注目したいのは、いずれも投資する施策とコストダウンする施策を選択する背景には、社長の志と説得力があり、それが現場で発揮される文化が醸成されていることです。顧客エンゲージメントを作るために役立つ基本の型として、ぜひこの4つの法則を参考にしてください。

池田順一

株式会社トータル・エンゲージメント・グループ代表取締役

http://total-engagement.jp/

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