好感度を高めながら、資料請求数を増やす!

 

 

STEP 1 事前の状況整理 2016.12/24

 

 

もう一度Facebookの動画広告に、チャレンジしたい

2016年12月、編集部がエンゲージメント特集に向けた制作を行い始めた矢先のこと。前回Facebook(以下Fb)で10秒の動画広告を行い、公開や結果について密着取材したTKネイルスクール(以下TK)より、再度違った試みをしたい意思があると、MFI村岡雄史さん(制作担当)のもとに連絡が。その旨、編集部も共有。編集部としては、エンゲージメントを意識した動画広告を行うなら、今回も取材したい意向。村岡氏も、前回の獲得目的とは異なる動画を作り、結果を還元したいと意欲的だ。

新たなトライが、クライアントとユーザーの距離を縮めるきっかけ(エンゲージメント強化)になるなら…。クリスマスイブの夜、Skype会議を経て、TKの新たな動画広告展開が決定した。

 

 

STEP 2 再びキックオフミーティング! 2017.01/08

 

 

運用コストを考えたら…苦渋の決断が!

とはいえ、年末年始を控えた時期。全関係者の総意で、スタートは1月上旬、予算は制作と運用費込みで10万円とした。年が変わり2017年1月8日、各社集結のミーティングで運用担当の津之地佳花さん(リスティングプラス、以下リスプラ)より、「予算以内なら動画1本5万円目安で運用」との見解が示される。

「!?」。迂闊にも編集部は、前回の動画もあわせて運用し、同時期の比較を、などと淡い期待を持っていたが、本案件はガチの現場、実験にあらず。制作費や1本あたりの運用費を考えれば、新動画1本の運用だけで限界だ。比較は前回の数値を引用することで意見統一。

かくして、エンゲージメントと獲得、両方を追求するスタンスが、最後まで思案の絶えない熱源となっていく…。

ちなみに、2016年11月(30日間)に行った動画広告とバナー広告の結果は?

■コンバージョン(資料請求)数はイーブン、CPAで見ると…

コンバージョン数(獲得数)は同じながら、CPA(1件あたりの獲得単価)は動画広告がやや安価に。インプレッションは表示回数を刺す

■再生時間別の回数比較

10秒という短尺が活きて、3人に1人が完全視聴(完全視聴率、約31.8%)

■LPへの流入数を改善したいところ!

前回は、LPへの誘導数が気になった。10秒の動画だったため、動画だけで納得したユーザーがあまり流入してこなかったか? 111件から3件のコンバージョンと考えると手応えも

 

 

STEP 3 撮影と編集 2017.01/09~11

 

撮影

前回同様、今回もTKのスタッフたちがスマホを使って撮影。 撮影費が削減できた分を広告運用費にまわしている

 

「ネイルで魅せる」動画でエンゲージメント強化!

今回、MFI村岡さんはネイルアートが完成できる工程を1分にまとめるシナリオを提案。特にネイル関心層は、できあがっていく過程に興味がかき立てられると判断した。前回、クライアントが懸念した画質をどう解消するつもりなのか?

「Fbのタイムライン上で“1分”とだけ聞くと、確かに長いですが、早回しで、リズミカルな動きで再生すれば、興味喚起につなげられると考えます」(村岡さん)

1月9日にはTK側で早速撮影を行い、10日に素材をMFIへ渡し、編集を開始。一連の撮影や素材の受け渡しは、前回経験済みのTKなので、やり取りも順調。

「想像以上に動きに目が行き、画質が気になりませんね。1分に感じず見通せたので、好印象です」(TK飛高さん)

そして配信開始を1月13日に定めた。

動画編集

親指、人差し指、中指、薬指、小指の順番でネイルアートができていく様子を早回しでつなげ、1分以内にまとめている。同じ動画はInstagramにも展開した https://goo.gl/h5jWAw

 

 

STEP 4 緊急ミーティング! 2017.01/16

 

途中経過(1)

配信から4日間で獲得数はゼロ。インプレッションに対する再生などのアクション(クリック)率は悪くないが、クリック課金のためインプレッション数が伸びず

途中経過(2)

10秒と1分の違いがある前提ながら、前回が約31.8%だった完全視聴率は約17.5%にダウン。ただし、「再生時間50%」の数値は半分以上をクリアし(30秒視聴されているので)、悪くはない。LPへの誘導に大きな変化がない

 

決断! もっとエンゲージメントを深める配信に

13日の広告配信から3日後、リスプラ津之地さんから「エンゲージメント観点だと低調」との連絡…。わかりやすい指標だとインプレッション。伸びていない!

「獲得の観点、プラス前回も意識して、クリック課金ベースの設定を踏襲していましたが、今回用に再設定したほうがいいかもしれません」(リスプラ津之地さん)

前回は1カ月かけて獲得数が3。一方たった4日間だが、獲得数はゼロ。この時点で、方針を切り替えるべきかの岐路に立つこととなった。結論は、全員一致でインプレッション課金に変更へ。獲得よりも関係性重視のターゲット層へと配信先を変えることにした。

「1分という長さが、以前の配信設定ではなじまず、ですね…」(MFI村岡さん)

さて、ここから挽回できるか!?

配信変更? コンバージョンからエンゲージメントに寄せる決断!

16日まではコンバージョン目的のクリック課金設定だった。

17日以降は、エンゲージメントの深化を意識した配信の組み合わせ、ならびにインプレッション課金に変更した

 

 

 

STEP 5 再び配信設定を変更へ 2017.01/20~23

 

途中経過その②

インプレッション課金に切り替えて、インプレッション数が増大するも、再生ボタンを押すなどのクリック数の伸びが悪い。 動画広告への「いいね!」などのアクション数を示す「投稿のリアクション」も、インプレッション数に比べて低調

 

インプレッション増大もLP(ランディングページ)流入は…

1月17日からはインプレッション課金、コンバージョン(CV)よりもエンゲージメント重視の配信設定へと切り替えて、再始動。これで一段落と思いきや?!

「じつは、LPへの流入数があまりよくありません。もう少しLPに誘導したいです…」

と、20日時点で津之地さんから関係者全員に連絡! 途中経過の結果には、万単位まで伸びたインプレッション数ほどLPへの誘導数が伸びていない現実が。

一方で、Fb動画広告をきっかけに、検索経由でリスティング広告への流入に変化ありという一報も入り、インプレッション増は追い風と捉えていたが…。

LPの流入が鈍いままでは厳しい。1週間(23日)で区切りをつけて、再びクリック課金への切り替えを決断。クリック重視の配信体制へと変えることに。

望ましい循環

Facebook広告(動画)

ランディングページ

エンゲージメントを意識した動画は、すぐユーザーが動かず、時間が経過してから思い出してくれる場合も。リスティング広告などへの貢献となるか?!

 

 

STEP 6 はたして、結果は…? 2017.01/31

 

■本案件では、インプレッション課金よりクリック課金が優勢

インプレッション課金からクリック課金に再変更(B→C)し、クリック数/率、投稿のリアクションが大幅に改善

■LPへの誘導は、「数」「率」ともに改善

A、B、Cそれぞれで配信設定が異なるので、厳密には比較しがたいとはいえ、B→Cで、特にLPへの誘導数/率が大幅に改善

■同期間のリスティング広告にも追い風が吹いた?

CV数/率改善が収穫。補足情報として、新規セッション率は全期間で65%超え。ただし、流入数が増えた分、通常より平均滞在時間が減り、直帰率も上がっている

総括! リスティング広告へのアシスト効果が収穫

今回は適宜、配信設定を変えながら、60秒動画広告を運用してきた。残念だったのは、期間内で獲得件数がゼロだったこと。前回はCV目的優先で3件(1カ月)だったのが、今回はエンゲージメント強化に軸足を置き、合計18日間と短期間だったことがもろに逆風となった。

一方で収穫は、同時期に行っていたリスティング広告が好調だったこと。特に期間を経るごとにCPAが改善。Fb広告経由で認知を得たユーザーが、追って指名検索などの動きにつながった可能性は高い。ユーザーとの距離を縮めた点は、間接的にエンゲージメント効果があったと言ってもいいのでは?

現実は厳しい。だが、短期間でさまざまな配信別データを取得できた点も大きい。次の施策に必ず活きてくるはずだ。

 
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