
[UXプロセス STEP2]02 ユーザーインタビューで何をどう聞くか
なぜ、実際に会って話をしなければならないのか
ユーザーインタビューの目的は、これから取り組むプロジェクトのユーザーがどんな人なのか(属性)、どんなことをしようとしているのか(行為)を明らかにすることにあります。
ではなぜ、実際にユーザーに会って話をしなければいけないのでしょうか。それはアンケートなどの定量調査のデータからはユーザーの心の奥にある本音、さらには判断や行動の背景にある価値観を探ることができないからです。
ユーザーの本音は、かんたんには顔を出してくれません。人は世間体を気にしたり、謙遜をしたりして本心とは反対のことを言ったりします。また、心の底にある要望に、本人ですら気が付いておらず言葉にならないということもあります。ただし、そういった本音は言葉遣いの変化やニュアンス、さらには表情や目の動き、手の仕草などに現れ、時に言葉以上に明確に伝わってきます。それを見出すことができるという点にこそ、会って話をする意味があるのです。
ユーザーから本音をどう引き出せばいいのか
では、ユーザーインタビューでは、どんなふうに話を進めていけばいいのでしょうか。もっとも大事なのは、相手にできるだけたくさん話をしてもらうことです。自由に、好きなように話を進めてもらうことで、ユーザー本人ですら想定していなかった本音が現れます。
ですから、質問項目もユーザーが話をしやすいように、シンプルに組み立てるのがいいでしょう。おすすめは「どんな課題を抱えていたか」「なぜこの解決方法を選んだのか」「自社のサイトをどう使ったか」といった項目について、時間軸に沿って聞いていくこと。時間軸に沿うのはユーザーが順を追って考えることができるからです。
「はい・いいえ」で終わってしまう質問はできるだけ避けましょう。簡単に答えが終わってしまう質問ではなく、「どうしてそう思ったのか」を話してもらえるような工夫をしてください。
なお、先ほども触れたように、インタビュー中は回答者の仕草や目線の動きにも注目しましょう。ユーザーの言葉をそのまま鵜呑みにするのではなく、無理をしていないか、本音を話しているか、といった点に注意します。場合によっては同じ人に繰り返しインタビューをしてみるのもいいでしょう。慣れてくるうちに自由な発言ができるようになるからです。
こうして複数の人に対してインタビュー実施していくと、自分たちのユーザー像が明確になっていきます。