
インバウンド対策に使えるマーケティングツール
訪日外国人の実態をビッグデータで把握「inbound insight」
外国人観光客が増えている実感はあっても、ビジネスにおけるインバウンド対策を何からはじめればいいのかわからないという会社も少なくありません。あるいは、施策は考えていても、それを実行に移す裏付けとなるデータがほしいという場合もあるでしょう。もちろん、新聞や雑誌、各種Webメディアでもインバウンドに関するさまざまな情報が発信されていますが、分析データを調べる際に便利なのが、「inbound insight」です。
同サービスはSNS解析データ、GPSデータ、携帯ローミングデータなどのビッグデータから、訪日外国人の動向を把握できる「観光ビッグデータ分析ソリューション」、国や地方自治体の発行する観光統計を検索・ダウンロード・グラフ化する「統計データ分析ソリューション」を提供しています。特にビッグデータ分析ソリューションのなかでも、Twitterを解析しての訪日外国人のクチコミ、周遊動向、人気施設などの把握できる「SNS解析プラン」や、GPSデータを元にした訪日外国人の周遊ルートを把握できる「周遊データプラン」は、“今”の訪日外国人の動向を把握することができる情報として非常に役立ちそうです。インバウンド対策の計画を練る際や、仮説を立てる際に使えるサービスといえそうです。

訪日外国人のスマホは情報の宝「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」「handy」
海外旅行中に最も頼りになるのがスマホ。言い換えれば、スマホと、スマホを接続するWi-Fiは、そうした観光客のデータが集約される場所と言っていいでしょう。
「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」は、訪日外国人向けのWi-Fi接続アプリ。アプリを使用することで、同社が提供する20万カ所以上のWi-Fiスポットが無料で使えるようになるサービスです。一方で、「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」は、そのWi-Fi利用者に向けて位置情報と連動したプッシュ配信や広告コンテンツ表示サービスを法人向けに提供しています。広告メニューは、主に広告コンテンツが受信された回数を保証する着信保証型や、クリック数を保証するクリック保証型などがあり、プランは50万円から用意されています。
Wi-Fiではなく、スマホそのものを提供しているサービスもあります。「handy」はホリデイ・インや、インターコンチネンタル、ハイアットなどでも導入実績のある、ホテル宿泊者が無料で使えるスマートフォンのレンタルサービス。ホテルや旅館などが導入することで、レストランなど周辺施設への送客、ユーザー満足度の向上につなげられるだけでなく、専用のダッシュボードから、宿泊客の行動履歴を匿名化した形で把握できるため、さまざまなプロモーションに活用することができます。
訪日外国人がどのような動きをしているのかがわかれば、周囲と連携したり、送迎を用意したりと、提供できるサービスは格段に増えるはずです。


写真と地図で訪日外国人にアピール「ZEKKEI Japan」「Stroly」
地方自治体や、風光明媚な景観といった観光資源を持つ都市、商店街など、関係各所が一体となってインバウンド対策をとろうと考えているエリアも少なくないでしょう。そうした際に使えそうなのが、場所の魅力を訴求するサービスです。
「ZEKKEI Japan」は訪日旅行に特化した旅行会社TASが運営するインバウンドメディアで、プロカメラマンが撮影した写真を通して、日本の地方の素晴らしさを世界へ届けるサービス。さらに自分がいる場所の絶景スポットと、スマホで撮った写真やテキストのメッセージを組み合わせて、ポストカードを送ることができる「ZEKKEI Posto」なども展開。こうして取得したデータを、自治体の観光施策や企業のインバウンドマーケティング向けのサービスとして提供しています。
歴史建造物の多いエリアや、狭い範囲に見どころがたっぷり詰まっている商店街などで使えそうなのが「Stroly」です。これはアナログ地図をオンラインマップに変換し、見た目はアナログな地図上でGPSと連動させたり、ランドマークに文字や画像、動画などの詳細情報を加えることができるサービス。観光地などで配布しているオリジナルの地図を活かすことで、Google マップなどでは訴求できない地域の魅力を伝えることができ、さらに利用者の行動に基づいたログデータを取得することができます。浅草や神田、京都など、導入事例も用意されているので、活用してみてはいかがでしょうか。


「モノ」から「コト」消費に対応する「日本美食」「Voyagin」
「爆買い」という言葉が生まれたように、訪日外国人の楽しみの1つはショッピング。しかし、一方で「モノ」(買い物)から「コト」(体験)へのシフトも進んでいると言われています。
そうした「コト」の代表が「食」です。
「日本美食」は飲食店向けに特化したインバウンドソリューション。ユーザーは予約から支払いまで1つのアプリで行えるのが魅力な一方、導入店舗は店舗を多言語で紹介できる上、事前決済も行えるため、ドタキャンの心配も不要。専属のコンシェルジュが訪日外国人からの問い合わせやリクエストに対応してくれるサービスも用意するなど、飲食店に特化したきめ細かなサービスが提供されています。
そして「食」とあわせて「コト」のもうひとつの代表といえるのが、アクティビティ。楽天グループの「Voyagin」は、日本をはじめシンガポールやバンコクなど、アジア圏のアクティビティ予約に強いWebサイト。ツアー提供者(ホスト)となるためのプランも年間4,800円からと非常に手頃なのも魅力です。インバウンド向けの体験というと、茶道や着物体験などの伝統文化体験がまっさきに思い浮かびますが、「ロボットレストランの予約」なども用意されており、アイデア次第でどんなことも「アクティビティ」になることがわかります。またVoyaginはホストに向けたサービスが充実しているのも特徴。外国人モニターに体験してもらい、受け入れ体制を調査してもらうなど、外国人目線でのブラッシュアップを行うことも可能です。

