CMSの認識そのままでいいの?

ネットを活用した多種多様なマーケティング技術が登場した今も、もっとも重要なチャネルの一つであり続けている「Webサイト」。そのWebサイトを効率よく運用するために欠かせないのが、そう、「CMS」です。今、そのCMSの世界に大きな“地殻変動”が起きているのです。

CMSはWebサイトの「核心」と理解すべし

CMSが欠かすことができない存在であることは、上の調査の結果からも明らかです。しかし、そうした事実とは裏腹に、CMSについて真剣に考えている人はけっして多くありません。サイトの更新だけでなく、収益のアップや業務の改善にも活用されるCMS。それはもうWebサイトの核心といっていい、重要な存在なのです。

すでに世界の半分以上のWebサイトでCMSが使われています。
世界におけるWebサイトのCMS導入比率推移(2011年~2019年) オーストリアの調査会社、Q-Success社が運営するWeb調査サービス「W3Techs」が2019年1月に公開したデータ 「Historical trends in the usage of content management systems for websites」

CMSは矛と盾の2つの視点で決めるべし!

マーケティングのトレンドやWebの最新技術に敏感な人でも、なぜかCMSには関心がないという人が多いようです。「どれも同じ」と考えているからでしょうか。確かに、そんな時代もありました。Webの構造が今よりずっとシンプルで、その役割も単純だった昔のことです。

現代のWebサイトには、他のマーケティングチャネルとの関係性の中で多くの、そして重要な役割が与えられるようになっていますから、CMSもそれと歩みを合わせるようにして、驚くような進化と革新を遂げています。

では、そんなCMSの世界を、どう見ていけば理解できるのでしょうか。そこで本誌では、サイト運営者の視点に立ち、「矛」と「盾」の2つの面からCMSを考えてみることをお勧めしたいと思います。「矛盾」じゃないですよ! 「攻めの矛」と「守りの盾」。その点を頭に置くだけで、CMSの今がはっきりと見えてくるんです!

 

マーケティングの「扇の要」となるCMS

CMSを単なる“サイト更新ツール”と捉えていると、「CMSで攻める」などと言われても、おそらくピンとこないでしょう。しかし、新世代のCMSの中には、マーケティング分野に特化した機能を備えた、強力なCMSが登場しています。例えば、社内の基幹システムと連携し、データの収集から活用までのプロセスをスムーズにする機能を用意したCMS。MA(マーケティングオートメーション)ツールと組み合わせて利用することを念頭に置いて開発されたCMS。さらにはサイトマップの作成やタグの設定、さらにはWeb標準への準拠といったSEO対策に特徴のあるCMSも存在します。あなたの会社が強化したい分野を得意とするCMSを導入すれば、それだけで戦略の幅が広がり、効果の最大化を狙うことができるというわけなのです。

さらにもう一つ、コンテンツの有効活用という点もまた、CMSを選択する際の大きなポイントとなります。一つの素材・コンテンツをWebサイトのみならず、SNSや動画サイトなど複数のメディアで活用する「ワンソース・マルチユース」。そうした手のかかる方策を実践するためには、やはりCMSの活用がポイントとなります。最近注目されている「ヘッドレスCMS」を含め、どう選べば有効活用が進むのかを理解しておきたいものです。

このように、企業がマーケティング戦略を考える際の「攻め」のポイントで、それぞれCMSが重要な役割を果たすことがおわかりかと思います。自社の課題や強化ポイントを念頭に置けば、CMSをどう選べばいいのかが見えてくるのです!

CMSは身を守る「盾」でもある

「攻め」があるならば、当然ながら「守り」を得意としたCMSも存在します。守りという視点で考えれば、なんといっても重要なのが「セキュリティ対策」です。サイトの改ざんやウイルスの埋め込みなど、悪意ある第三者による攻撃は時に国境を越えて襲いかかってきます。そうした攻撃から身を守るためには、管理する側の理解や体制づくりも重要ですが、セキュリティ対策をしっかりと念頭に置いたタイプのCMSを選ぶ必要があります。「無料だけどサポートはなし」といったようなCMSではなく、あなたの会社の盾となるようなCMSをしっかり選んでおきたいものです。

そしてもう一つ、守りの視点で重要なのが、「運用しやすいCMSを選ぶ」という点です。利用者のレベルにマッチし、運用体制にあったCMSでなければ、結果的にCMSの性能が発揮されないばかりか、水漏れが生じてしまうのです。

「ログインの仕方がわからないからパスワードの設定はやめてくれ」

…これは決して笑い話ではなく、人が原因となったセキュリティ崩壊です。こうしたトラブルにどう対処するか。「守り」に優れたCMSであれば、そうした難問を解決する手立てを用意しているものです。守りの視点がいかに重要か、もうわかっていただけたと思います。

さて、ここまで「攻め」と「守り」の観点からCMSの選び方を考えてきましたが、ここからはさらに詳しく説明をしていきます。じっくりと読んで、あなたの会社にマッチしたCMSを選んでください。

Text:編集部

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