あのファッションECの大躍進を支え続けるSaaS型プラットフォーム
自社でECサイトを運営する企業にとって、CMSの選択と運用は事業の成否を大きく左右する。アパレル業界で躍進を続ける「DoCLASSE」のCMO藤原尚也さんと、同社のサイト構築を10年間支援しているフューチャーショップ代表取締役星野裕子さんに大規模ECサイト運用のポイントを聞いた。
Photo:黒田彰
あのファッションECの大躍進を支え続けるSaaS型プラットフォーム
星野裕子(以下星野): 偶然なことに、ちょうど今日(2019年1月19日)が契約から10年目なんですよ。当初からECで成長されるという予感を持っていましたが、運用が実際に始まったらアクセスも受注数の伸びも私たちの予想を大きく超えるものでした。
藤原尚也(以下藤原): カタログ通販からのスタートですぐECに取り組んだケースは珍しいかもしれませんね。現在店舗と電話からの注文を含めた、DoCLASSEとfitfitのグループ2社全体の売り上げは270億円規模で、ECは70億円を占めています。
星野: すごいなと思うのは、この売り上げが独自ドメインのECサイトだけで生み出されていることです。
藤原: 通常この規模になるとECはパッケージを導入してゼロベースでの開発となることが多いのですが、機能追加のたびに契約して検証していたら今の成長スピードにはとても対応しきれなかったと思います。SaaSであってもニーズに確実に応え、数字で結果を出していけるプラットフォームはフューチャーショップさん以外には見当たりません。また、アパレル通販はカタログのクリエイティブ次第で売り上げが約4倍程度変わってしまう厳しい世界です。当然ECでもブランドの世界観を損ねてはいけませんが、フューチャーショップはデザインカスタマイズ性の高さでこの課題もクリアしてくれました。
星野: アクセス集中や受注データ数の急速な増加に対応できるようDB(データベース)や検索速度の改善を行ってきましたが、何より私たちのプラットフォームの強みをうまく引き出して使っていただいていることに感謝しています。今後もECの急成長に伴うリスクは私たちが責任を持って担います!
毎分1万アクセスの“LINE砲”にも耐える
藤原: この5年でWebやスマホからの流入が増え、商品ラインアップも新しいニーズに合わせたいという考えがありました。そこで秋・冬シーズンの新商品「マジカルサーモコート」の展開に合わせ、ECサイトも2018年9月にリニューアルすることになりました。
星野: ご相談を受けた際にfutureshopのCMS機能「commerce creator(コマースクリエイター)」のレスポンシブにもアダプティブ(デバイス最適化)にも対応できる機能や、サイトの要素を「パーツ」単位で組み合わせて更新できる機能をぜひ使いたいというご要望を頂きました。サービスインは9月を予定していたのですが、これまで10年培った信頼関係がありましたので急遽リリース前から順次機能を利用いただけるよう開発を進めました。
藤原: この新しいCMSがなければ、LINEプロモーションなども実現不可能だったかもしれません。
星野: テレビCMや経済番組で話題になったこともありますが、特にLINEからの流入が凄かったですね。現在「お友だち」は364万人いて、配信直後の15分で15万PVのアクセスがありました。正直なところリリース間もないcommerce creatorがこのアクセス集中に耐えられるかプレッシャーもありましたが、これは杞憂に終わりました。
藤原: キャンペーンの実施で直帰率に加え、ページの遷移率やCVR(コンバージョン率)も大きく改善して我々が目指している形に近づきました。短期間で要望を実現できたのはフューチャーショップのサポート体制とcommerce creatorがあってこそです。
星野: commerce creatorがブランドのさらなる成長戦略に貢献できて私たちも自分ごととして嬉しいです。
企画協力:株式会社フューチャーショップ https://www.future-shop.jp/
Text:栗原亮