
Microsoft Teamsでリモートワークの質が上がったって本当ですか?
「働き方改革」が進み、「リモートワーク」を実践する企業も増えてきました。来年以降、その波は中小の企業にも及んでくるのは間違いのないところ。日本でも、いよいよリモートワークが本格化するのです。
そうした中で心配されるのが「コミュニケーションの質」です。これまで顔と顔とを付き合わせた「会議」を重視してきた企業の中には、どう解決すればいいかと頭を悩ませているところも少なくないでしょう。だからと言って、変わりゆく時代に背を向けるわけにはいきません。
そこで注目すべきがMicrosoft Teams。チャットを基本としたアプリですが、単なるチャットツールではなく、コミュニケーションに付随して必要となる機能を広く備えた総合的なソリューションでもあります。手元にあるPCやスマホ、タブレットがあれば誰でも無料※で利用できる手軽さをもちながら、組織の課題を解決し、新たな可能性を引き出すポテンシャルを備えています。
そうしたカタログスペックからは見えにくいTeamsの良さとは何か。そんな疑問の声に応えて今回は、Teamsに関しては誰よりも詳しいマイクロソフトのプロダクトマネージャー・春日井良隆さんにお話を聞いてみることにしました。マイクロソフトが、“ユーザーとして”体験した感じたことをいろいろと教えていただきました。さあ、「Teamsでマイクロソフトはどう変わった?」の回、始めましょう!
※ 有償版のTeamsは、無料版より多くの機能を利用することができます。
TIPS1 Teams 導入の第一のメリットは?
デバイスも場所も選ばず誰もが同じレベルで情報共有できる
マイクロソフトではオフィスへの出勤という形にとらわれず、どこでも自由に働けるリモートワークの体制を整えています。そうした環境でコミュニケーションを支えているのが「Teams」です。
「Teamsのプレゼンス情報から、いま連絡が取れるのか、取り込んでいるのか、会議中なのかが色で分かります。カレンダーと連動しているので、スケジュールが入っていなければ自動的に緑色の『連絡可能』になります」(春日井さん談。以下同)
PCやスマホでTeamsを立ち上げておけば、メンバーの在席情報をいつでも確認できるだけでなく、その流れの まま、連絡がとれるというわけです
「相手の居場所に合わせて、チャット、電話、ビデオ会議と、その時々の最適な手段を選べるので、コミュニケーションは以前よりスムーズになったと感じています」
気になるのはコミュニケーションの「質」が落ちないか、という点ですが、手軽なチャットと、本格的なコミュニケーションができる電話・ビデオ会議をうまく使い分けることで、また、Teamsの機能を活用して資料の共有が容易になったことで、「質はかえって高まった」と感じているといいます。
「Teamsを利用することで、職場にいるのと同じレベルのコミュニケーションができるようになったわけです。使う側の意識が整えば、今すぐにでもリモートワークを実践できるのではないかと思います」
TIPS2 社内の雰囲気は変わりましたか?
Teamsの流儀に抵抗のある人に便利さを実感してもらうには
マイクロソフトは世界中に14万人ものスタッフがいるといいますが、今ではそのメンバーすべてがTeamsに紐づけられているそうです。
その結果として生まれたのが、勤務場所や部署の壁を超えたコミュニケーション。春日井さんの元にも面識のない同僚からメッセージが届くことも多いといいます。
「突然、海外のスタッフから『Hello』と呼びかけられる機会が増えました。コミュニケーションの主軸がメールだとこういう気軽なコミュニケーションはなかなかできませんし、電話だとなおさらです。Teamsのチャットは気軽で、ちょうどいい距離感だと思います」
また、Teamsでは「チーム」や「チャネル」を作成して、それぞれ自由に参加メンバーを設定できるので、こうした機能を活用していくうちに、部署の枠を超えた「横軸」のつながりが育ちはじめているといいます。
「その結果として生まれやすくなったのが、プロジェクトの実現を目指すような、目的志向のコミュニケーションです。しかもチャットの気軽な雰囲気からスタートしますから、自由な発言や新しいアイデアが生まれやすい。社内の雰囲気にもいい影響を及ぼしてくれていると思います」
アイデアはTeamsに自動的に蓄積されていきます。
「たとえその時に必要でなくとも、後から見返すことで、新しい発見があったりします。そうした意味でもコミニュケーションの質が上がっていると感じます」

どうすればスムーズに導入できますか?
Teamsの流儀に抵抗のある人に便利さを実感してもらうには
社内の大多数がTeamsの便利さを感じていたとしても、新しいツールの使用に抵抗を持つ人がいる場合、どうすればいいでしょうか。春日井さんは経験上、成功体験と軽い強制力の2つを組み合わせることが必要と話します。
「小さなことで構わないので『これいいじゃないか』と、成功体験をしてもらうことが近道。効果的なのは、懇親会や歓迎会などの社内行事のプロジェクトのプランから実行までをTeams上で行うこと。便利さを実感してもらう中で、納得感が生まれる思います。『今日から社内メール禁止!』という手もありますが、その“手”がなじまない会社もありますので、よく考えて使ってください」
