
インバウンド観光客へのPRには、進化を続ける「Googleマップ」を活用せよ!
単なる地図ではなくマーケティングツール? Googleマップの本当の顔とは
日々の生活に欠かせぬツールとして、多くの人が利用するGoogleマップ。そのメインの機能は、住所や名称から場所を見つけ出し、そこへの行き方を調べるといった地図としての使い方であることに変わりはありませんが、その一方で「地図を活用したマーケティングツール」としての色合いが強まっており、リアル店舗や観光スポットの運営や管理に携わる人にとっては、けっして見逃すことのできないツールへと変化してきているのです。
そのことは、Googleマップで店舗を検索すればひと目でわかるでしょう。そこには、店舗の住所や電話番号、URL、営業時間といった基礎的な情報のみならず、店舗や商品の写真や動画、さらには星印を使った評価やクチコミ情報にいたる多様な情報が表示されます。また、検索したのがホテルであれば、価格の確認や予約が、劇場や映画館の場合も予約ができたりします(地域によってできることは異なります)。
そして、Googleマップの最大の特徴は、「経路」のボタンをタップすればそのまま、電車の乗り換え方や道順、車での行き方などの、その場所に向かうための情報が表示されることです。「いいな」と思ったら、別のアプリを開くことなく案内をしてくれる…リアル店舗や観光スポットを運営する側からみれば、「顧客を連れてきてくれる」強力なソリューションとみなすことができるわけです。

だからこそ重要なのは、Googleマップのページに正確で、かつ、ユーザーを惹きつけるような情報を表示させることです。まず確認すべきは、住所や電話番号、営業時間、店休日、地図上の表示位置といった重要な情報が正しく入力されているかという点です。もしもそれらの情報が誤っていると、店に向かっているお客様を逃すことになってしまうかもしれませんし、「もうお店がなくなっていた」と勘違いされることすらあり得るのです。
また、クオリティの高い写真を用意することや、口コミへの対応をすることも大切です。これらの重要性がいかに高いかは、Webマーケティングに携わっている方にはあえて説明するまでもないでしょう。
しかし問題は、Googleマップの店舗や観光スポットの紹介ページには、そもそもユーザーが投稿した情報や写真が掲載されるという点です。そのため、時折、誤った情報や意図に反する内容が掲載されてしまうことがあるのです。そこで必ずやっておきたいのが、「Googleマイビジネス」に登録し、ビジネスオーナーになることです。登録すると情報や内容を運営者として書き込んだり、口コミに対して返信をすることもできるようになります。投稿サイトであるというその性格上、自分で投稿した写真を任意の位置に(たとえばトップに)表示させることができないなど、すべてをコントロールすることはできませんが、内容の正確性を保つことはできます。まずはGoogleマップの重要性を意識して、その中身に注目するといったところから始めるといいでしょう。
インバウンド観光客を意識したGoogleマップ運用術とは?
さて、ここからは記事の本題であるインバウンドの話に入っていきたいのですが、その前に、Googleマップの検索機能についてもう少し説明をしておきましょう。
Googleマップでは「渋谷 台湾ラーメン」といった地名+キーワードによる検索機能のみならず、「心地よいカフェ」「人気のランチ」といったイメージにのっとった検索もできるようになっています。こうなると、そうした検索が行われた際に、Googleマップがどんな店を検索上位として表示するのか、自分の店をそこで表示させるのにはどうしたらいいか、気になるところでしょう。
そこでまず意識すべきはSEO的な視点です。Googleマップ上のページを充実させ、適切な情報を掲載することはもちろんのこと、Googleマップ以外のホームページやブログに掲載されている情報も検索結果に反映していると考えられますので、それらの中でしっかりと特色をうたうことも必要になるでしょう。
ただし、“ならでは”の特徴も忘れてはいけません。たとえばGoogleマップはスマホのGPSの情報を集積して、訪問者数を計算し、人気店を判断していると考えられます。また、その情報と、ユーザーの出身国のような情報とを組み合わせ「アメリカ人がよく訪れるカフェ」「ベトナム人に人気のラーメン」といった情報を掴んでいると考えられます。ネット上のSEO的な対策に加え、リアル分野における努力も地道に行っていきましょう。
ではインバウンド観光客に向けては、どんな工夫をすればいいのでしょうか。実は、言語に関しては特に気にすることはありません。Googleマップは、利用者の言語にあわせて記載内容を自動的に翻訳して表示する機能を備えているからです(上図参照)。「海外からの観光客も読んでいる」ことを念頭に置きつつ、自動翻訳でも問題なく伝わるような、簡潔な内容を記載するようにしましょう。
その上で、写真や動画をうまく活用して、メッセージとして発信しましょう。たとえば外国語を使用したメニューを用意しているのなら、それを写真に撮って掲載するのがいいでしょうし、観光客向けに用意しているサービスがあれば、それを動画に撮影して公開するといった工夫も効果的です。「導入部分は自動翻訳で、本当に言いたいことは写真や動画で」。こうした取り組みが手軽でありながら、効果を上げる方法だと言えるでしょう。
繰り返しになりますが、Googleマップは、気に入ったら来店という、次のアクションに直接つながるツールです。特に、観光客はスマホ上の情報を非常に重視しますから、地味でも丁寧な取り組みが大事になります。そうした積み重ねがいつか、口コミとして書き込まれるようになればしめたもの。じわじわと観光客に広がっていくはずです。Googleマップの特徴を理解して、取り組みを始めましょう。