[デジタルプロモーション:LOVERS研究所]コンドーム vs. 現代日本

最近、BIRDMANでの打ち合わせで飛び交う会話がおかしい。大人たちが真剣に初体験、セックス、ペニスなどのここには書けない卑猥極まりない言葉でブレストをしている。そこには女性スタッフも混じっている。そして社内には、そこら中にコンドームのパッケージが転がっているという始末。

しかし安心してください、仕事ですよ。今回は弊社で企画制作をしている「オカモトゼロワン」のデジタルプロモーションを取り上げたい。コンドームのプロモーションは商材的にいろいろとセンシティブなだけに、広告の表現が抽象的だったりしがちだ。しかし、このプロモーションでは、ある事実に着目した。それは「日本のコンドームの着用率は世界でも最低レベルである」こと。技術的にもっとも優れているコンドームをつくっている日本が、コンドームの着用率が低いという事実に真っ向から挑んだ。すなわち「日本人のコンドームの着用率を上げる」という大義を掲げたプロモーションだ。

やってみてわかったが、日本のマスメディアはコンドームに対して本当に厳しい。「これだから着用率が低いのか」と改めて再認識をしてしまった。つまり、日本ではコンドームに対する考査が厳しすぎて、日本の若者の目に触れる機会を摘みとっているのだ。その結果、コンドームへの理解が薄い。

このプロモーションは、現代の日本社会との戦いだったりする。LOVERS研究所という表現のもと、男女400名のコンドームに対するアンケート結果から仮説をつくり、それに基づいてさまざまなプロジェクトを立ち上げている。第一弾は恐竜の交尾映像を制作。第二弾はウェアラブルコンドームデバイスだ。日本でコンドームの情報にもっと接触できるようになることを目指し、それが日本のコンドーム着用率アップになることを目指してデジタルプロモーションを仕掛けていく。

 

【DigitalPromotion】LOVERS研究所 powered by オカモトゼロワン

大手のコンドームメーカーのオカモト(株)が、日本の性感染症や望まない妊娠を予防するべく、コンドーム着用率上昇のために立ち上げられたキャンペーンサイト。恐竜の交尾映像やウェアラブルデバイスのほかにも、400人のモニターアンケートデータから導き出した着用率低下の原因に関する4つの仮説など、さまざまなコンテンツでコンドーム着用率向上を図る

 

ナビゲーター:築地ロイ良
Creative Director @roy_birdman(株)BIRDMAN代表、クリエイティブディレクター。インタラクティブを中心に、あらゆるメディアを使って人が動かす提案ができる。国内外にて100以上の賞を受賞。連載10回を記念して? 弊社の事例を取り上げました。
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