[UXプロセス STEP1]01 プロジェクトを成功に導くチームをつくる

制作に入る前の工程にこそ力を入れるべき

サイト制作やリニューアル、さらにはサービスの立ち上げといったプロジェクトでは、まず何から始めればいいのでしょうか。「何はともあれ、いちはやく制作に取りかかるべきだ」といった意見もあるかもしれませんが、優れたUXを実現するためのデザインプロセスにおいては、制作に取りかかる前の段階を非常に大事なものと考えて時間とエネルギーを割きます。

今回の特集では、その制作にかかるまでのプロセスを5つのステップに分け、それぞれ詳しく紹介をしていきますが、最初のステップの、さらに前段として取り組むべき工程としてここでは、「チームビルディング」のノウハウを紹介していきます。

 

プロジェクトの成否を左右するチームの質

一般的にプロジェクトには、社内のWeb担当者だけでなく、営業など関連部門の担当者や、Web制作会社などのパートナー企業のスタッフも加わります。普段顔を合わせることのない人たちが集まってチームをつくるわけです。

そこで大事になるのが、それぞれが、どんな役割をもち、どんなパーソナリティをもった人なのか、メンバー同士でよく理解し合うこと。それがなければ、新規サービス立ち上げやサイトのフルリニューアルといった、難易度の高いプロジェクトを成功に導くことはできません。特に、ここから紹介するUXデザインのプロセスでは、メンバーが意見をぶつけ合いながら、ベストな解決策を見出す工程が続きます。できる限り早い段階で、お互いの理解を促し、心理的な壁を取り払う必要があります。

 

お互いを理解するための「アイスブレイク」

そこでぜひ試してみてほしいのは、メンバー間の緊張を解きほぐし、楽しみながらお互いがどんな人なのかを理解するための「アイスブレイク」と呼ばれる手法です。工夫を施した自己紹介のようなものだと捉えればいいでしょう。次ページでその具体例をいくつか紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。

なお、こういったアイスブレイクの場には、関係者全員が参加することが大切です。パートナー企業のスタッフはもちろん、プロジェクトの決済権者にも参加してもらいましょう。チームの絆が強くなるはずです。

 

 

 

アイスブレイクは楽しみながらお互いを理解するプロセス

アイスブレイクにはメンバーの互いの理解を図ると同時に、チームの課題解決力を養う役割を持ったものもあります。メンバーが本気で楽しみながら取り組むことで効果はより高まります。この他にもさまざまなアイスブレイクがあります。ネットで調べるなどして試してみてください。

 

PROCESS 01/3つのうち1つが「ウソ」の自己紹介

普通の自己紹介をアレンジした方法。自己紹介をする際に、自分の特長や好きなものをホワイトボードなどに書いてから行うのですが、そのうちのひとつに「ウソ」を混ぜておくのがミソ。どれがウソなのかを他のメンバーに当ててもらいながら自己紹介することで印象も深まりますし、場も盛り上がります。

 

PROCESS 02/共通項をあぶりだす「ひも」を使ったアクティビティ

まず、玉巻きしたひもを持った人が、自分の好きなことを発表します(例えば映画やスポーツなど)。それと同じ趣味を持った人は「Me, too」と言ってから玉を受け取ります。これを繰り返していくのですが、玉を渡す際にひもを持ったまま玉だけを渡すのがポイント。だんだんと、ひもが蜘蛛の巣のように広がり、チームのつながりが視覚化されていきます。

 

PROCESS 03/ブロックを使ったワークショップでチームの輪をつくる

4分の制限時間で、ブロックをいちばん高く積んだチームが勝ちというゲーム。ただし「手を離しても維持できる」、「頂上に人形のパーツを付ける」といった条件を付けます。チーム内のメンバーがお互いを理解すると同時に自分の役割を知ることが狙いとなります。

 
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