《Figma Config 2025現地レポ》「Figma Sites」でWebサイト制作が大きく変わる!? Figmaが発表した4つの新プロダクトをチェック!

米国時間2025年5月7日、Figmaは年次カンファレンス「Figma Config 2025」にて、AIを活用した4つの新プロダクト「Figma Sites」「Figma Make」「Figma Draw」「Figma Buzz」を発表しました。これらの新ツールは、デザインからプロトタイプ作成、Webサイトの公開、マーケティング素材の制作まで、プロダクト開発のすべてをFigma内で完結させることを目指しています。本記事では、それぞれのプロダクトが持つ機能や特徴を解説します。

目次

「Config」とは?

「Config」は、Figmaが主催する年次カンファレンスで、デザイナーや開発者、プロダクトマネージャーが一堂に会し、最新のプロダクトやワークフロー、業界のトレンドを共有するイベントです。2025年は5月6日から8日まで、米サンフランシスコの「モスコーン・センター」で開催され、今年も世界中から多くの参加者が集まりました。

イベントのオープニングを飾ったキーノートには、Figmaの共同創業者兼CEOであるディラン・フィールド氏が登壇。スピーチの中で、AIを活用した4つの新プロダクト「Figma Sites」「Figma Make」「Figma Draw」「Figma Buzz」が発表されました。

ガラス張りの外観を持つコンベンションセンターの前に、大勢の人々が集まっている。コンベンションセンターの外壁のガラスには「Config」と書かれた青文字のイベントロゴが描かれ、周囲にはテントやブース、さまざまなサインが設置されている。イベントまたはカンファレンスが開催されている様子で、晴天の中、多くの参加者がネームタグを首から下げ、バッグを持っている。
5月6日〜8日に米サンフランシスコにあるモスコーン・センターで開催されたFigmaの年次カンファレンス「ConFig 2025」(写真提供:Figma)
ステージ上に立つ人物は、Figmaの共同創業者/CEOのディラン・フィールド氏。氏の隣には大きなスクリーンがあり「Design is obsessing over the details(デザインとは細部にこだわること)」というテキストが表示されている。スクリーンの背景には抽象的な形やパターンが描かれており、デザインに関するプレゼンテーションの一場面であることがうかがえる。
Figmaの共同創業者/CEOのディラン・フィールド氏(写真提供:Figma)

Figma Config 2025で発表された新ツール

「Figma Sites」でデザインから即Webサイト化!

Figma Sites」は、Figma Designで作成したデザインを、そのままレスポンシブなWebサイトとして公開できるツールです。既存のデザインを活用し、オートレイアウトやプリセットのインタラクションを追加することで、迅速にWebサイトを構築できます。また、AIを活用してカスタムインタラクションの生成やコードの編集も可能で、CMS機能の追加も予定されているとのこと。

『新たな開花のかたち』というタイトルのデザインが表示された、デザインソフトウェア「Figma Sites」のインターフェースのスクリーンショット。画面にはピンク色の花の画像が複数配置されており、左側にプロジェクトファイルやレイヤー、右側にプロパティや設定オプションが表示されている。
「Rhythm Ballet」というタイトルのウェブページのスクリーンショット。日本語のテキストとバレエダンサーの画像が含まれており、上部には「ホーム」「クラス」「カリキュラム」などのメニューが表示されている。メイン画像には衣装を着たバレエダンサーたちが後ろ姿で写っている。

「Figma Make」でプロトタイプやアプリを素早く生成

Figma Make」は、Anthropic(アンソロピック)社の「Claude 3.7」モデルを活用したAIツールで、デザインやテキストプロンプトから機能的なプロトタイプやアプリを生成します。既存のデザインをコピー&ペーストし、AIに指示を出すことで、インタラクティブなプロトタイプを迅速に作成可能。また、生成されたデザインは手動で編集や微調整が可能で、今後は他のFigmaプロダクトとの統合も予定されています。

「Figma Make」のインターフェースのスクリーンショット。編集中のビデオの再生中のタイムスタンプ「0:02:32」が青い枠で囲まれ、「h2」とラベル付けされている。背景には赤・緑・黄色を基調とした抽象的な画像が表示されており、左下には「再生中のタイムスタンプにアニメーションを追加」という日本語のテキストが入力されたボックスがある。
「Figma Design」に関する設定画面のスクリーンショット。左側には「プレイバック設定モーダルを作ってください」という指示と「オーディオ設定」ボタンが表示されており、右側には「設定」セクションがあり、クロスフェード、ストリーミング品質、ダウンロード品質、イコライザーの各種スライダーが並んでいる。

「Figma Draw」で高度なベクターイラストを作成

Figma Draw」は、Figma内で高度なベクターイラストを作成できるツールです。多様なブラシ、テクスチャ、ストローク設定、パス上のテキストなどの機能を備えているため、「Adobe Illustrator」のような外部ツールを使用せずに、Figma内でビジュアル制作を完結させることが可能です。また、マルチベクトル編集やシェイプビルダーなどの機能も搭載されており、より精密なデザイン作業が行えます。

「Figma Draw」のインターフェースが表示されたコンピュータ画面のスクリーンショット。右側にはテキストの書式設定、色選択、レイヤーなどのツールが並び、中央のキャンバスには複数の要素を含むデザインが表示されている。左上には「06.16.2025」「Sunday」の文字と、太陽と犬のイラスト。左下には「夏の楽しさへ滑り出そう!」「Sunday Skate」のテキスト。右側にはスケートボードに乗った犬のイラストと、「Walter Street Skatepark 1234 Main St., San Francisco, CA 94122」「Sunday」の文字がある。キャンバス上には「Shape」「Drag」などの注釈も見える。
「Figma Draw」のユーザーインターフェースの一部を示す画像。左側に3つのアイコンが並び、中央のペンツールアイコンが選択されている。黒いカーソルがその上に表示されており、背景は青とオレンジのグラデーションになっている。

「Figma Buzz」はマーケターに嬉しい機能が万歳!

Figma Buzz」は、ブランドに合ったマーケティング素材を大規模に生成できるツールです。デザイナーが作成したテンプレートやスタイルを基に、マーケティングチームが迅速にメール、SNS投稿、広告などのコンテンツを作成できます。また、AIを活用してテキストプロンプトから画像を生成・編集したり、スプレッドシートの情報を基に大量のアセットを一括作成することも可能です。

「Figma Buzz」のインターフェースのスクリーンショット。中央には「リサーチャーパネル Dr. Amina Patel」と書かれた緑色のパネルが表示されており、左側には複数のデザインテンプレートが並んでいる。

Figma Japan カントリーマネージャー 川延浩彰氏のコメント

また、Figma Japanのカントリーマネージャーを務める川延浩彰氏は、今回の新プロダクト発表にあたり、次のように語ります。

「本日発表したFigmaの新しいプロダクトにより、アイデアを生み出す段階から、実際にサービスとして届けるところまで、ユーザーのプロダクト開発を一気通貫でカバーできるようになりました。従来ギャップがあった部分を埋められる多彩なラインナップである一方で、引き続き、我々にとっては“デザイン”が重要だと捉えています。

今日のキーノートでも『ものづくり』『デザイン』『創造性』とった言葉が多く使われていましたが、それらを刺激できる仕組みをつくるのも、Figmaの使命だと考えています」

黒い背景にカラフルな図形が描かれた「Figma」のサービスロゴおよびコーポレートロゴの大きな看板の前に、黒いスーツを着た人物が立っている。この人物は、Figma Japan株式会社で日本カントリーマネージャーを務める川延浩彰氏。背景にはさまざまな色と形の大きな風船が吊り下げられている。
Figma Japan株式会社で日本カントリーマネージャーを務める川延浩彰氏

Figmaの公式YouTubeアカウントで動画をチェック!

なお、キーノートの様子はFigmaの公式YouTubeアカウントにて無料公開中。会場の様子と合わせて、ぜひチェックしてみてください。

Text & Photo:Web Designing編集部

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