
無理なく生産的な体制づくり|無理なく生産的な体制づくり

SNSやECなど、ネット施策を始めると、問い合わせ対応や更新作業など、既存業務になかった仕事が増えていきます。現場の負担に注意しながら、文明の利器も駆使して、新しい「体制」をつくっていきましょう。
目次
「招かれざる」問い合わせ
手をとられるだけで商談につながらない…

制作を進める中で、ときどき謎のご要望が出てくるのです。「今ある業務で手一杯なので、問い合わせは増やしたくない」と。Webサイト制作やSNS運用は、顧客との「質の高いコミュニケーション」を目的に行うものなので、むしろ問い合わせは増えたほうがよいのでは…? と思うところですが、「質の高い」と前置きしたように、確かに問い合わせには、商談につながる「よい」ものと、対応の手間を増やすだけの「招かれざる」ものがあります。後者の問い合わせを減らしたい、ということならWebサイトを見直すことで解決が可能かもしれません。
例えば「事業と関係ない問い合わせが多い」という場合、多くは、Webサイトを見ただけでは業種や事業内容が伝わっていないことが原因です。掲載情報や印象を見直し、正しい内容が伝わるようにします。また事業規模がミスマッチな問い合わせが多い場合は、最小ロットや取引条件を明示するのも一案です。頻繁にある質問については、Q&Aページにまとめ、目立つ位置に掲載する等で、双方不要な問い合わせを予防できるでしょう。
問い合わせ窓口は
相手のことと、自社でできる範囲を考える

顧客とのコミュニケーションと、問い合わせ対応の負担。そのバランスを取るには連絡ツールの選択は重要です。問い合わせのツールとしては、メール、電話、LINE、X(Twitter)やInstagramのDM、その他各種チャットツール等、さまざまなものが挙げられますが、基本的には、対象顧客(ターゲット層)が連絡しやすいツールをWebサイトには掲載しましょう。例えば、法人取引ではメールや電話が主流ですが、個人スマホはLINEオンリーという人もいます。LINE派の個人からの問い合わせを増やしたい場合は、「LINE公式アカウント」の活用が有用な場合もあります。
間口を増やせば顧客からのコンタクトを増やせる一方で、自社で対応しきれないものは掲載しない選択も大事です。電話番号を大きく載せているのにいつもつながらない。SNSがあるのにDMを送っても返事がない。こうした不満を避けるためにも、問い合わせツールはむやみに増やさず、現在の人員体制で対応できるか、という点を考慮しましょう。顧客の都合と自社の都合のバランスが大切です。
社内体制に目を配ろう

新しいことには未知のトラブルもつきもの。「気がついた人がやる」では現場の疲弊や管理不足によるさらなるトラブルを招きます。ネット施策を推進する側に、体制づくりの視点は不可欠です
特に個人向け(toC)の業態では、SNS運用を始めると、案外、気軽に問い合わせが届きます。例えばInstagramのコメントで「日曜は営業していますか?」「取り置き可能ですか?」といった調子です。
toCでは、問い合わせ件数が多くなりやすく、窓口や内容も多岐に渡る傾向があります。そのため、対応ルールや責任者が決まっていないと、着信に気づかない、全員が放置してしまう、といった問題が起こりがちです。また、1人に対応を丸投げしてしまうと、管理の目が届かず、いわゆる「炎上」につながることも少なくありません。
SNS運用に限らず、ネット施策を始めると、大なり小なり業務に変化が現れます。問い合わせの増加については、対応責任者や対応フロー、ガイドライン等、最初は試験的なもので構わないので、事前に話しあっておくとよいでしょう。また、事例を共有し、マニュアル化を進めておくと、対応品質が平準化され、増員や外注する際にもスムーズに移行できます。
その他、ツールを使いこなすこともおすすめです。Instagramの場合は、Facebookと連携すると複数人での管理や、管理画面でのDM確認や投稿予約なども可能になります。メール対応についても、formrun等、対応状況を管理できるツールもあります。
SNSやEC等、新しいことを始めると、担当者が決まっていない業務が増え、「気がついた人」に負担が行きがちです。1件は3分程度の対応であっても、蓄積することで相当な時間になることもあります。そのため、施策を推進する側が意識的に、追加業務とその量の把握、既存業務の見直しを行い、体制を再構築していくことが必要なのです。
メールのことは専門業者へ

Webサイトやメールをビジネスに活用していくには、ドメインやサーバ等、インフラ面での準備も必要です。例えば、Webサイトのアドレスには自社名が入っているほうがわかりやすいですし、スタッフが使うメールアドレス(の@以降)も、gmail.comやプロバイダ名そのままのものよりも、自社専用のドメインで統一するほうがビジネス感はあります。
こうしたインフラについて、契約・設定したのがずっと昔という場合、現状の設定や、誰(どの会社)が設定したのか不明な場合も多く、特にWebサイトのリニューアルの際には、それが大問題になる場合もあります。Web施策を本格化する前に、サーバやドメイン、メール設定等がどのようになっているかを確認し、社内体制を整えましょう。
こうしたインフラについては、制作会社の主要な業務領域ではないため、対応の可否は制作会社や案件によって異なります。特にパソコンやスマートフォンの設定・操作方法について訪問対応を希望する場合は、設定代行サービスのある専門業者に委託するのがベターです。
ネット施策は、現場とのコンセンサスが大事 現場の負担やストレスに配慮し、体制を整備しよう