
Web施策にかかる費用を準備する❶|予算計画と費用対効果

Webサイトはつくっただけでは、なかなか閲覧数は伸びません。公開後の広告出稿や営業活動も事前に計画し、途中で資金切れにならないよう、制作費だけでなく広告費用も余裕をもって確保しておきましょう。
目次
全予算を制作費に使ってしまうと…

目標受注数を41ページで確認しましたが、達成するための具体的プランはありますか? すでに近い数を電話注文で対応している、営業リストの準備が進んでいる、SNSのフォロワーが数万人いる。こうした有力な見込み客がいる場合は問題ないでしょう。(友人知人の「絶対買う」はアテにしないでおきましょう…)
しかし、見込み客リストもない、営業計画もない、SNSもほとんど活用できていない、というほぼゼロからの状態だとすると、Webサイト公開後、有料広告の出稿は間違いなく必要になります。Webサイトは実店舗と違って「通りすがり」は期待できません。そのため積極的に人を呼ぶ営業活動とそのための費用が必要です。
これまでの蓄積がない場合、制作費もそれ以外の費用も当初の予定よりかさむ傾向があります。しかし、Webサイト制作に全予算を使い切ってしまい、広告出稿や必要な対応ができない…という事例は後を断ちません。予算を決める際は「Webサイト制作費」単体ではなく「広告費」全体として可能な上限額を把握しておきましょう。
中小企業のネット施策は
限られた予算なら「やるべき」ことを

反応率の改善には、Webサイトのデザイン性よりも、そもそもの訪問者数を増加させるためのテコ入れが必要な場合もあります。必要な場所を見極め、効果的に予算を投下しましょう
大手企業も参入している現在のWeb施策の世界で、もし広告予算を数十万円程度と想定しているなら、それは少ないと言わざるを得ません。
ネット施策の現状において、実効的な販路拡大につながるイニシャルコストは、100万円が「最低ライン」となることが現実です。難しい場合は、後述の資金調達を視野に入れると、施策途中での資金切れの心配がなく安心です。
とはいえ、100万円を「オシャレな」ホームページ制作に注ぎ込め、という意味ではありません。「ホームページを改修したい」という依頼は多い一方、成果が出ない理由には、Webサイト自体の課題のほかに、アクセス数(来訪者数)が圧倒的に足りないことが多いです。一方で全ての業種で「オシャレな」Webサイトが必要というわけでもありません。Webサイト改修は最小にとどめて、有料広告に予算を投下する方が結果につながることもあります。
限られた予算だからこそ、「やりたい」ことではなく「やるべき」ことを見極め、効率的に費用を使う。このマインドが中小企業の施策では不可欠です。
CV率 = Webサイトのセールス力

ネット施策で重要な「効率」計算…筆者は今でも難儀するのですが、しかし、この考え方を使いこなせれば、広告代理店の複雑怪奇な話が理解できるようになるはずです。
まず、ネット施策で重要な用語に「コンバージョン(CV)」があります。例えば、商品の購入やサービスの申し込み、問い合わせなど、目標達成となるゴールのことで、サイトの目的にあわせて決めます。
しかし、Webサイトを閲覧した全員が、購入や問い合わせをするわけではありません。Webサイトのアクセス数(≒来訪者数)に対して、CVに至ったのは何件か。その割合を「CV率」と言います。例えば、来訪100回あたり1件の受注がある場合、このサイトのCV率は1%になります。言い換えればCV率とは、サイトの「セールス力」です。
さてここで、100アクセスあたり1件の注文があるECサイトで、100件の注文を得るためには何回のアクセス(≒来訪者)数が必要でしょうか? 答えは10,000回。すでにWebサイトがある場合は、実際のアクセス数やCV率を確認してみましょう。現実はなかなか厳しいことがわかるかと思います。ではどうしたらよいのか?
視点としては❶アクセス数を増やす、❷CV率(=セールス力)を上げる、の2つです。例えば、広告出稿は❶、Webサイトの見直しは❷に属する施策になります。が、実際問題、多くの場合はどちらもテコ入れの余地があるでしょう。特にアクセス数が絶対的に足りない場合は、有料での広告出稿を行わない限り改善は難しいです。
使った広告費、アクセス数、CV率といった数字にシビアになることで、効果的に予算を使う力が身につきます。
広告費用をケチったばっかりに…

ネット施策が頓挫する事例では、決裁者のコストパフォーマンス意識が希薄な傾向があるように感じます。金額だけを見て反射的に断ったり、事業規模にあわない高額なシステムを導入したわりに全然使ってなかったり…。例えばこんな話もありました。
ECサイト構築を検討中のA社とB社は、両社とも平均単価10万円ほどの商品を扱うアパレルブランド。いずれもネット施策は初めて、SNSもこれからという状況でした。加えて「世界観を表現」するデザイン性も重要な業種のため、フルオーダーでのデザイン制作が望ましいと判断。そこで上図の提案したところ、しかし経緯と結果は明暗の分かれるところとなりました。
この事例からわかるように、制作費を含めた広告費はコストではなく「投資」です。必要な投資を怠っては、当然、成果もついてきません。その点、Webサイトは、一度しっかりつくってしまえば、3〜5年はフルリニューアルせずに使えます。事業規模やブランド力、耐用年数も含めた費用対効果を意識し、適切な投資判断をしましょう。
制作費を含めた広告費はコストではなく「投資」 コストパフォーマンスで見積もりは判断しよう