
なぜ「Movable Type」は現場で愛され続けるのか? 3社のパートナーが語る、“運用に強いCMS”の本質
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老舗国産CMSとして20年以上の実績を誇るシックス・アパートの「Movable Type(以下、MT)」には、ProNetと呼ばれるパートナー会社が全国に約300社存在します。全国各地で活躍するProNetは、さまざまな規模やニーズの案件を手がけ、MTの豊富な知見を活かしてプロジェクトの課題解決に貢献しています。
今回は、小中規模からエンタープライズ、大規模案件まで数多くのMT導入・運用に携わってきたジャクスタポジション、COLSIS、サイドスリーのProNet3社が集結。なぜMovable Typeは、長年にわたり現場で選ばれ続けているのか。運用のしやすさや、セキュリティ・メンテナンス面での安心感、そして実際のプロジェクトで感じる強みについて、それぞれの視点から語っていただきました。

目次
地元密着から大規模案件まで。プロフェッショナルがMTを推す理由
──はじめに、今回の鼎談に参加されているみなさんの自己紹介をお願いします。
西山泰史(以下、西山) Webサイト制作会社である株式会社ジャクスタポジションで、代表取締役兼ディレクターを務めています。CMSを手がける案件では、ほとんどがMTシリーズを採用しています。
桐田寛之(以下、桐田) システム開発会社の株式会社COLSISで、代表を務めながら、ディレクターのような立場で現場のプロジェクトにも携わっています。MTの構築を数多く手がけていますが、WordPress(以下、WP)やDrupalなど、ほかのCMSも扱っています。
藤堂秀明(以下、藤堂) Webサイト制作会社の株式会社サイドスリーで、テクニカルディレクター兼フロントエンドエンジニアを務めています。特にCMSの組み込みを得意としており、MTのほか、NORENなどのエンタープライズ向けCMSを手がける機会もあります。
──みなさんは、それぞれどういった案件を手がける機会が多いのでしょうか。
桐田 COLSISでは、比較的大規模な案件にMTを導入する機会が多いですね。金融系をはじめ、国や自治体などの公共案件といった、セキュリティの優先度が高い組織に対してMTを選択することが多いです。
藤堂 私は企業のコーポレートサイトを手がけることが多いです。やはり、セキュアな構成を求められるケースが多く、MTが有力な選択肢になりやすいですね。
西山 私の会社では代理店経由の案件はほぼなく、地元を中心に、小中規模の案件をお客様と直接折衝しながら進めています。ほかの制作会社さんがMT指定で案件を引き受けたものの、自社での対応が難しく、ヘルプとして入るケースもあります。
桐田 サイドスリーさんでは、CMS選定の際、すでにCMSが決まっているお客様と検討段階のお客様は、どちらが多いですか?
藤堂 弊社は代理店経由の案件が多く、代理店側ですでにCMSが選定されている場合がほとんどです。たまに意見を求められたときは、「セキュリティ要件を考えると、MTクラウドがよいのでは?」とお答えすることもあります。

CMSを巡る理想と現実。現場のリアルに応えるMTの対応力
──MT案件を手がけるうえで、プロの視点から意識していることを教えてください。
藤堂 MTは実装上の癖が少なく、運用上の懸念も少ないCMSだと思っています。実際に、セキュリティ要件が厳しい案件にも手堅い選択肢となっています。
特に弊社では、既存サーバと併用しやすいMTクラウド版を採用することが多いです。既存の公開サーバを活かし、CMS環境だけを切り離してMTクラウド版を別立てで新規契約する構成ですね。
桐田 弊社では、SaaS型の「MovableType.net(以下、MT.net)」とソフトウェア版を採用するケースが多いですね。特に小中規模のサイトを想定されている場合は、コストとスピードのバランスがいいので、有力な選択肢になりやすいです。

西山 弊社も同様で、過去、7割ほどの案件でMT.netを利用して構築してきました。サーバ構築が不要で、サインアップできればすぐ利用できる点も魅力ですよね。社内リソースに不安がある会社ほど、導入ハードルが低く、おすすめしやすいプロダクトです。
──新規のお問い合わせでは、どのようなご相談や背景でご依頼されるケースが多いのでしょうか。
桐田 現場での進め方については、僕もぜひうかがいたいですね。そもそも「CMSを導入したい」と伝えられることはありますか? 藤堂さんは代理店経由の案件が多いというお話でしたが、西山さんはどうですか?
西山 CMS自体をよく知らない方も多いので、直接の相談はほぼないですね(笑)。自社サイトのリニューアル相談の中で、「前と同じように運用したい」と言われることはありますが。
桐田 そうした既存サイトでは、独自CMSが多いですか?

西山 古いバージョンのWPが多いですね。
藤堂 ソースコードを見ると、「これはWPだな」とすぐにわかるケースは多いですよね。実際、Web上でもWP製のサイトを目にする機会が多いので、そうした“可視性の高さ”も、「WPがスタンダード」という印象につながっている気がします。
西山 そうした背景もあって「あのサイトもWPなら、自分たちもWPにしよう」と考える方も多そうですよね。
──COLSISさんでは、どのような点に気を遣っていますか?
桐田 まず重要になるのは、運用フローの整理です。たとえば、情報システム部門は「セキュリティを重視して静的配信にしたい」と考える一方で、現場の運用担当者は「修正内容をできるだけ早く反映したい」と考えることが多いですよね。MTでは、再構築に一定の時間がかかるケースもあるため、事前にその運用イメージを共有しておくことが重要です。実際には、フローを図解したり、デモを交えたりしながら、丁寧に説明するようにしています。
ただ、セキュリティを重視したい情報システム部門と、従来の運用感覚で進めたい現場担当者との間にあるギャップが、すぐに埋まるわけではありません。特定の担当者しか更新できないような属人化を避けるためにも、運用負荷とセキュリティのバランスを見極めながら、双方が納得できる現実的な落としどころを探っていく必要があります。
西山 その一方で、MTには「ある程度属人的な運用であっても、破綻しにくい」という安心感があります。更新手順が比較的シンプルですし、テンプレートとコンテンツが分離されているなど、仕組み自体が人の入れ替わりに耐えやすいんですよね。実際、私が担当している案件の中には、この5年で10人近く担当者が入れ替わったケースもありますが、それでもWebサイトは問題なく更新され続けています。
──それは、現在もMT.netで運用されているのですか?
西山 はい。加えて、サーバ管理をお客様側で行わなくていい点も、大きな要因だと感じています。日常的な更新はお客様ご自身の判断で進めつつ、困ったときだけProNetに相談する。最近は、そうした程よい距離感で運用されているお客様が、以前より増えている印象があります。
CMSの決め手は運用体制にアリ! 適切なサイト運営のための案件対応とは?
──3社のお話をうかがっていると、アプローチの違い以上に、共通した考え方が多い印象を受けます。案件に向き合う際、何か共通する視点のようなものはあるのでしょうか。
西山 私たちは基本的にMTを前提として提案を進めることが多いのですが、まず確認するのは、クライアントの運用体制とサーバ環境ですね。
桐田 その点は、僕たちもまったく同じです。
西山 特に中小企業では、専任のIT部門がなく、他業務と兼任でWebサイトを担当されているケースも少なくありません。そうした状況で、サーバやドメイン管理の細かな話まで求めてしまうと、かえって運用負荷になってしまうこともあります。そのため、管理面の負担を抑えやすいMT.netを提案するケースが多いですね。
藤堂 機能よりも、今の運用体制に合っているかどうかを重視している、ということですね。

西山 はい。たとえばWebサイトはMT.netへ移行しつつ、メール環境はこれまで使っていたものをそのまま継続するといった切り分けも可能です。Webサイトとメールでは、求められる管理内容や運用負荷も異なりますから、無理に一つへ統合するのではなく、それぞれに適した環境を選べることも大きなポイントだと思います。
──なるほど。その場合、メールやドメインの管理はこれまで通りお客様が担う、ということですね。
西山 そうですね。企業の資産とも言えるドメインは、お客様側で保有・管理していただきつつ、サブドメインだけを切り出し、Webサイト部分のみをこちらで管理する、といった提案をするケースもあります。
桐田 どのCMSにも、それぞれ長所と短所がありますからね。たとえば、セキュリティを重視するのであればMTをおすすめしますし、一方で記事更新が頻繁なメディアサイトであれば、再構築の負荷が発生しない動的なWPを選ぶケースもあります。特に会員限定コンテンツのような領域では、WPのほうが利用できるプラグインや選択肢が豊富だと感じますね。
藤堂 やはり大切なのは、公開して終わりにしないことですよね。ポイントは「つくったあとの運用」だと思います。
桐田 運用を考えると、MTの場合は実装や運用に対応できる会社を見つけやすい点も重要です。公式サイトのProNet検索や一覧でProNet企業を探せるのも、安心材料だと思います。

西山 ProNetリストは、MTを導入・運用していくうえでの「伴走者の一覧」と言えますね。困ったときに相談できる相手が見える形で用意されているのは非常に大きいです。
藤堂 それがないと、どうしても閉じた環境になってしまいますよね。そういう意味でも、シックス・アパートのProNetはとても重要な仕組みだと思います。
──では、MTへの要望はありますか?
桐田 マニュアルなどのドキュメントを、もう少し充実させて公開されていると嬉しいですね。日本語だけでなく、英語版も揃っていると、海外案件や多国籍チームでも使いやすくなると思います。
西山 強いて挙げるとすれば、初めてMTを導入する企業にとっては、自社運用を考えた際、特に実装まわりの情報が外部から少し見えにくいと感じることがあるかもしれません。ただ、ProNet会社を通して進める分には、現状大きな問題はない印象です。
藤堂 要望というより社内の課題ですが、自社サーバで運用するMTソフトウェア版、インフラ管理まで含めて任せられるMTクラウド版、サーバ管理が一切不要なSaaS型のMT.netという3種類について、制作側の理解をもっと深めたいですね。それぞれの細かな違いや向いているケースをきちんと説明できる人は、正直まだ多くありません。
西山 たしかに。私たちの中でも、全部をしっかり理解できているメンバーは限られています……。
桐田 もちろん新入社員向けに研修は行っていますが、一度聞いただけではなかなか定着しませんよね。
藤堂 でもそれは、それだけ選択肢が豊富だからこそ、お客様に合った提案ができるということですよね。引き続き理解できるメンバーを増やしていきたいですし、みなさんも同じ状況だと聞いて少し安心しました(笑)。

楽しい、面白い、安心して使える。MT開発を続けていける原動力とは?
──それでは最後に、みなさんはなぜMTを推すのでしょうか?
藤堂 MTは、とてもバランスの取れたCMSだと思っています。業種や企業規模を問わず、幅広いお客様に対して、安心・安全な形で提供できます。20年以上にわたって積み重ねられてきた知見もあるため、今後も自信をもってクライアントに提案し続けたいですね。
桐田 私たちは「Movable Type SmartSync Pack」という、サーバ配信に承認ワークフローを組み込んだエンタープライズ向けのプラグインパックを提供していますが、これはMTそのものが堅牢だからこそ成り立っているソリューションだと感じています。加えて、開発元であるシックス・アパートが国内にある点も、導入する企業にとっては安心材料ですね。
西山 それは大きなメリットですよね。MTであれば日本語で開発元に直接問い合わせができますし、国内向けのサポートやコミュニティの支援も受けやすい。つまり、クライアントが安心してWebサイトを運営し続けられる環境が整っています。
あとせっかくの機会なので、MTに対する私の個人的な想いも伝えさせてください。もう20年以上前になりますが、MTと出合い、MTテンプレートの存在を知りました。私はプログラマーではないのですが、MTタグを組み合わせながらテンプレートを触っていく体験に強く惹かれて、このプロダクトのファンになったんです。
繰り返しになりますが、MTはセキュアな環境を比較的少ないメンテナンス負荷で運用しやすく、不安よりも「つくる楽しさ」や「運営する手応え」を感じやすいCMSだと思っています。だからこそ、これからも長く、多くの現場で使われ続けてほしいですね。

取材・文:遠藤義浩 写真:秋山枝穂 企画協力:株式会社シックス・アパート
※本記事はシックス・アパート株式会社とのタイアップ企画です。