【コラム】えっ! なんで? エンジニア起点のCMS発想法

先日、エンジニアである夫とともにコーポレートサイトをつくることになり、デザインと構成はどうするか、コンテンツは何にするかなど、家庭内企画会議を開きました。

PR畑の私にとって「コーポレートサイトの更新」は業務領域。プレスリリースなどの掲載を想定し、更新はスピーディかつ簡単に行いたいと考えます。そうなるとCMS、なかでも王道のWordPress入れる? という発想になるわけで、今回も当然のごとく「WordPressでも入れておいてよ」とオーダーしました。

でもよく考えてみると、これからつくるサイトは更新頻度がきわめて低い。3カ月に一度? いや半年に一度の可能性すらあります。というわけで考え直して「CMS入れなくてもいいや。だってそんな更新しないし。更新の時にはよろしく」(つまりエンジニアの仕事)とオーダーを変更しました。

そうしたところ想定外の「更新頻度が低いからこそ、仕組みをつくるべきなんだ」という返答が。つまるところ…

【更新しない】→【わざわざ仕組みをつくる必要ない】(開発コストかかるしね)というのが私の発想。

【更新しない】→【そういう時こそ仕組みをつくるべき】というのが夫の発想。

えっ! なんで? 意味がわからない!

エンジニア起点で考えると、仕組みにしないと「更新の仕方がわからなくなる」という論理のようですが、一理ありそうです。学びました、私。その発想はなかった。そして、最初に戻り「WordPressを入れる?」といったら、「それも賢明じゃない」。バージョンアップとかあるよね、って。確かに最近バージョンが上がってガラっと変わりましたよね…。

そこで出てきたのが、「スタティックサイトジェネレーター」。Markdownを書いて、サーバにあげるだけでHTML/CSS/JavaScriptが生成されるというのだから、確かにシンプルで潔いツールです。バージョンアップに影響されない、コストが安い(サーバー代だけ)など、メリットはいろいろあるようですが、ここは専門ではないので割愛します。やり方さえ覚えれば私にも更新できそう。さらに、エンジニアとしても仕組み化できる。このあたりで、我が家の会議はまとまりました。

スタティックサイトジェネレーターは、CMSに比べると、Web言語に馴染みのない人でもわかるようなUIではありません。ゆえに、エンジニアが側にいないと不安も残りますが、CMSを導入するプロジェクトや企業にサポートするエンジニアがいると考えれば、スタティックサイトジェネレーターもひとつの選択肢かもね、というのがCMSにまつわるお話でした。

Webサイトやアプリの構築はチームで行うもの。デザイナー、PR、エンジニア。見る角度が変わると、実装における重視したいポイント、譲れないポイントが変わるということを感じた、この日。だから、さまざまな職種が集まって、それぞれの領域で見つけた新しい技術やフレームワークを持ち寄り議論して、ひとつのものをつくりあげる事業や制作は楽しいのです。

直近でリリースした、移住のためのノウハウ事例紹介メディア「SMOUT移住研究所」。かく言う私も、CMSとしてWordPressを利用しています
ナビゲーター:松原佳代
2005年に(株)面白法人カヤック入社。広報および企業ブランディングを担当する。2015年に独立し、株式会社ハモニアを設立。スタートアップの広報戦略、広報人材育成をおこなう。2017年7月より、(株)カヤックLivingの代表取締役を兼任。暮らし、住宅、移住をテーマとする事業を展開する。カヤックLiving/ Twitter @kayom
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