
動画施策10のヒント[4]ターゲットの定め方と動画の種類●特集「動画マーケティング」
HINT 2では、マーケティング施策における動画の目的と役割の決め方を紹介した。では、人の購買行動の流れの中で、どんなタイミングでどんな動画に触れれば、よりコンバージョンに近付くと考えられるだろうか。パーチェスファネルに当てはめて考えてみよう。
パーチェスファネルとは、人の購買行動のプロセスをファネル(=ろうと)の形に例えたもの。04では商品に対するファネル(上部)とブランドに対するファネル(下部)に分け、左から右へと購買行動の進行が示されている。顧客の行動を次へ進めるためには、ターゲットとなるプロセスにある顧客に対して、次の段階への態度変容を促す情報を提供する必要がある。HINT 2で挙げた5パターンの動画を各ターゲットにマッピングしたものが、この図だ。
例えば、人の印象に残りSNSでシェアされる[1](人気者/Star)を用いれば、まったく知らない人への「ブランド認知」や、認知から「ブランド好感」への態度変容、あるいは既存顧客に対する「ロイヤルティ」向上と、幅広くブランドを訴求することができ、「商品認知」の入り口としても役立つ。
[1]は「バズる」メリットは大きいが「ハズす」リスクも小さくない。そこで当たり外れの差が小さく堅実に商品およびブランド認知を期待できるのが[2](助け/Help)動画だ。長期的な運用が必要になるが、役立つ情報を提供することで効果を発揮する。
商品のことをまったく知らない人や、多少知っているプロセスにある人に対しては、「商品認知」や「商品関心」へと態度を進めるメッセージを届けたい。これには潜在的な顧客層にリーチする役割を持つ[4](差込/Insert)の動画が適している。
逆に、 誰にどんな動画を届けるかを考える際には、顧客の購買行動をプロセスごとに捉え、この動画は「商品認知」、この動画は「ブランド好感」といった形でコンバージョンを小刻みに設定することで、届けるべきメッセージを明確にしよう。

パーチェスファネルとは、消費者の購入までの意識の遷移を図化したもの。それをファネル(漏斗)で例える。ここでは商品自 体の認知から購入までのプロセスに加えて、ブランドの認知から好感を持つ、購入者が再度購入したり(リピート)ファンになったり(ロイヤリティ)する過程までを図示している